北の街への訪問
北の街へ到着した平和組とソフィとラーシュ。
Q:北の街の城壁の高さが何故3m前後なのか
A:モンスターの跳躍力が1m~2mしかない為。
Q:北の街にモンスターはが襲来した時に飛翔系のモンスターはいたか。
A:いない。元々、北の街は飛翔系のモンスターが現れることがない。全面砂漠地帯で、木がまず自生すらしない。植えても翌日には枯れるほど。
北の街は、この世界の110年ぐらい前に起きた紛争の影響で、煉瓦で造られた3m前後の城壁が、北の街を隠すように守られているのだが、紛争の原因は、魔王が現れる前兆としてモンスターが北の街を襲撃してきたのが主な原因らしい。
南の街も東の街も、魔王が現れる前兆として何かしら起きているのだが、どういう風に影響を与えたかなんてのは、俺たちはそれを知るすべは今のところなかった。
北の街に辿り着いた時に、西の街で出会った門番と似たような門番が立っていた。西の街は1人だったのだが、北の街は2人のようだ。
「! ようこそ! 北の街へ」
門番の1人が気づき声を掛ける。相変わらずだが、日本語が達者のようだ。理由を尋ねても明後日の方向に視線が行くか、口笛を吹いて誤魔化すから、尋ねない方向で、俺とカズキとスズカはそれに、合わせることにした。多分後で知るだろうから。
「で、えーっと、確か。魔王の話でしたね。前にこちらに来た勇者様は、詳しくは尋ねて来ませんでしたけど、勇者の間でそういう決まりでもあるんです?」
門番は、不思議そうに首を傾げた。
「あ、いや。そういうわけじゃないんだけど、王宮の偉い人が言うには、魔王それぞれに弱点とかあるらしくて、それを弱点に会うものを一応情報だけ仕入れて各地に存在する魔王がいる地域にそれぞれ足を踏み入れてみるという話で、成り立ってます」
俺がそう言えば、左側にいた門番が
「ああ、それで。詳しいことは訊かなかったのか。確か、あんた達平和組って言われてたよな。そこの獣人とドラゴンは除いて、その3人。そう。お前らな」
ラーシュとソフィさん以外の俺たちに左側の門番は、平和組を確認してから。
「なら、北北東のほうがいいんじゃないか? 凹凸が激しいが、気象は肌寒いだけだろう。獣人も凹凸は気にしなければいける範囲だ。だが、エルフやハーフエルフには向いていないな。北北東に知り合いの魔物がいるんだ。そいつからの情報だ。確かなはずだ。東の街に行く際に遠くからでも見れば分かるだろう」
と地図を広げつつ北北東方面を右手人差し指で円を描くようになぞった。
それを覗き込むように俺たちは、話を頷いてから
「なるほど…………。有難うございます」
とスズカはお礼を言えば、左側の門番は手をひらひらさせて持ち場戻った。
クールな人だな。
ある程度の情報は得られたけれど、北北東の事前準備やらまともに風呂に入っていないこともあり、俺たちは、北の街に暫く滞在することにした際に、左側にいる門番は、俺たちにあることを教えてくれた。
「ああ、そうそう。自称勇者一行がいるって話だから、気をつけろよ」
ある意味、爆弾発言だとキオリは思った。
北の街は、砂岩で造られた壁でヤシの葉っぱが幾度か折り重なった状態が家の屋根代わりとしていた。窓はないのか、代わりに竹のような細い筒状を網戸のような役割を果たしていた。
「雨が降った時大丈夫なのか?」
と呟いたら、ふらっと、別行動をして戻って来たスズカは
「地元の人に手話で会話したんだけど、北の街は雨が降ったことがないって」
忘れているかもしれないが、手話は異世界で何故か通じる。日本式の手話と海外式の手話も違うはずだろうに何故か、異世界では日本式の手話が通じる。多分この異世界限定だと思うがな。
「降ったことがない? 蒸気で雨が発生しそうなもんだと、僕は思ったけど」
カズキの言葉にスズカは
「不思議な事に発生しないんだよね。地元住民も詳しくは、分かっていないみたいだし、首を傾げていたよ」
首を縦に小さく頷きながらそう言った。そう言えば、この異世界に来てから雨が降っているのを見たことがなかったな…………と。
3階建ての民宿兼料理屋に泊まることとなった。北の街の住民は暗い色を好まないらしく、北の街の住民は全員白色で統一されていた。しかも男女ともノースリーブの膝上の短パンというそして全員焼きあがったパンの色をしているという特典付き。
いや、何の特典だ? ってその情報を教えてくれたカズキはくれた、どうやらアニメでも褐色キャラが好きなようで、そりゃあもう男女の差関係なく褐色が好きで、やたら興奮していた。これが萌えなのかとも言っていたが何のことだか。ちなみに、卒業3日前に屋上で会うことを約束した女性も褐色肌だったらしい。アニメでも現実でも褐色肌好きのカズキには見境がないようだ。
しかし、カズキは褐色肌ではなく、長時間外出していないと出てこない白色。日焼けしにくいタイプだとカズキは憐れんでいた。アウトドア派だとも公言していたぐらいだからな。
民宿を経営してい見た目20代前後の女性は、スズカと手話で会話を行っていた。それを見たソフィさんは、なんだ、あの手の動き。と言っていたので、日本で通じる手で会話するものだと教えれば、
「へぇー。日本というのは、いろんなものがあるんだ」
という関心を含めながら眺めていた。
習得するきなのかと俺とカズキは思った。実際にカズキは口に出ていた。
「ん? 習得?」
と言葉を傾げられた。日本語は知っているが、習得は知らない。どういうことだ。
結果として、3階の壁際が2部屋空いていた。3人用と2人用の部屋が2つ。なんという空きスペースろうか、観光もついでとして一週間泊まることにした。5人で銅貨4枚と銀貨3枚、金貨1枚で宿泊することになった。朝食と夕食付の7泊8日だ。ちなみに、西の街は4泊5日だったが。
それじゃ、夕食の後でとスズカとラーシュは2人部屋に入ったのを確認してから、部屋に入ると。5Lぐらいの広さがあるそういうことだ。風呂とトイレは別。洗面台付き。壁紙は砂漠の風景と床は深緑のカーペットが敷かれていて中央に海の色をだ。そうオアシスのイメージをそのまま持ってきた感じだ。この異世界の画家が描いたこの街の風景画、窓は正方形で外で見た竹のような網戸の他に大きい葉っぱを3枚ほど重ねたものがカーテンとしての役割を果たしていた。
少し大きめのローテーブルに椅子が3脚。そのテーブルに読めない本が3冊ほどあった。その内の1冊は絵本の様だ。以上。部屋の説明は終わり。ベッドは人一人が通れる間隔で空いてある。
窓側に近いベッドはカズキ、中央はソフィさん風呂場などの水場近くが俺ということで寝る場所を決めてから、ソフィさんは、俺たちに断りを入れてから先に風呂場へと入って行った。
「お、外の眺めは結構いいぜ。見てみろよ。キオリ」
と外を見ていたカズキに言われてのぞき込めば、太陽が少し傾いたところだった。その夕日が差し込む光は北の街を星のように輝かせた。その所処で明るくなり始める。
こっちも自然に灯がともったのだが、電気すら存在しないのに、どうなっているんだろうかと考えることになる。
「確かに、眺めはいいな。…………ん? あのドーム状になっているあれって、砂嵐か?」
「ん? ああ、あれか。確かにそうっぽいな。俺たちあのドーム状にいたのか…………」
少しというより、かなり遠いが、小さくドーム状の様になっている砂嵐をみた。凄いなあれ、どうなっているんだという好奇心が少し出てくるが、ソフィさんが上がったことによって引っ込んだ。勝手な行動は出来ないからな。
俺が風呂から上がるころには、夕食の時間だった。
北の街の夕食は体力をつける為なのか、肉系の料理が多かった。唐揚げ、竜田揚げみたいなものだ。主に揚げ料理が多かったのが印象的だ。その時に、北の街は無計画に過ごすことにしたのだが、その間に自称勇者一行がいることで、気を付けることを頭の隅に叩き込むことにした。
【雨】
この異世界では、雨が降らないのかと言えば、降るには降るが、周期が決まっており、北の砂漠地帯と西の漁業地帯、王宮がある中央だけは、全く雨が降らない。ついでに、南は雪が常に降っているので、まともな雨が降るのは東の森林地帯のみとなっている。砂漠地帯と漁業地帯と王宮が何故降らないのかは不明。
【北の街】
砂岩で造られた家とヤシの様な葉は、東の街から仕入れたもの。