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ある会合

 魔王城内には開かずの間がある。最高上位幹部も誰も立ち入ったことがないとされるその場所に一人の魔族がいた。

 埃の被った机の上に乱雑に積まれている資料には手書きでデカデカと失敗と書かれた文字が資料全部に書かれてあった。最初の方は丁寧な字だったのが段々と雑になっていき、最終的には失敗という字は視える人には見えるというぐらい乱暴に書き殴りのようになっていた。

 失敗という字を書いた張本人と思わしき魔族は手元の資料を見て、睨みつけるようにそれらを乱暴に床に置いた。

「…………ッチ」

 男は舌打ちをしながら、壁に貼り付けてある視線が合っていなくトールとティアマトと会話をしているキオリの写真ともう一つは、その男性と肩を組んでピースサインをしている女性の写真を見比べた。

「あいつが、彼女の息子か…………。なら、彼女が残したアレを回収しているはずだ。彼女は、そこまで分かってそれを俺に託したんだ。俺はあいつがソレに気づくまで悪役でいてやる。回収していなければ、お前を殺すまでだ」

 独り言のように二つの写真を交互に見つめつつ、そこから視線をずらし、先ほど床に乱暴に置いた資料を再び手に取ってから

「あと二つだ。あと二つで」

 と言ったところで、男は顔を青ざめた。

 男が資料から視線をずらした先には、数秒前まで居なかったもう一人の男の姿があった。

「ほう……随分と何かしらしてくれるじゃないか? なぁ? トール」

 男の言葉に、トールは肩を跳ねらせた。

「あの男や彼女に肩入れするとは……まだ、躾が足りてないようだな……?」

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