魔界とこの世界の魔力量の違い
約百ページ以上の『魔界大全集』は、一週間掛けて読み終えた。
暇を与えられた俺は、新しくできた魔王図書館で、魔力について調べることにしたのだが、その資料を探している時に見つけたのが『魔界大全集』という本だ。この本に、魔界の魔力はこの世界の魔力とは大きく異なっているということがよく分かった。
というよりこの世界の魔力を詳しく知らなかったというのが正しいだろう。魔力量しか教わらなかったからな。
魔界は魔族、天族、外族、人間によって魔力量は大幅に変化するようで、一番魔力量があるのが外族で一番魔力量が少ないのが人間ということになっているのだが、この世界の魔力はある程度決まっているらしく、勇者資格を持つ人間が平均値だとすると特殊名を持つ人物は勇者資格もつ人間の魔力量はおよそ十倍以上の差があり、一般市民は勇者資格を持つ人間より三割ほどしかないのだという。
「特殊名? ああ、アルデバランと言った人物たちの事を特殊名というんだよ。確か四十六人で成り立っているんだよ。そうだね。彼らの魔力量はここで例えるなら天族と人間の間ぐらいだよね」
魔力測定をするために、