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哀れすぎる
思わず息をするのを忘れるぐらいに、食人植物のようになっていた。その周りには人骨が無数に散らばって、中には四肢が切断された胴体が転がされていた。そして、漂う悪臭に俺は思わず顔をしかめた。
なんなのだ、これは…………。
目で視ているはずなのに、現実を受け入れられない自分がいる。それだけ恐ろしい光景が目の前に広がっていた。
蔓延していた毒々しい色合いをしていた靄のようなものは、いつのまにか霧散しており、さらにハッキリと鮮明に見えるようになった奥地には、大量に積まれた死体の山が五つほど存在していた。
「っ!?」
思わず息を飲む。それぐらい俺は驚愕し、胃からせり上げてくる嘔吐物を止めることは出来なかったのは、言うまでもないだろう。それだけ死体の山がに二m以上積まれてあったのだ。吐き出さない理由が見つからないほどにそれは、残酷であった。
「ど、う、いうことなの…………っ」
ティアマトさんは身体を震えさせてありえないと言わんばかりの青ざめた表情を浮かべながらそう言った。