魔界の罰則の定義
リグレット洞窟、メル・マグ管理図書の地下空洞、ユグドラシル大樹。そしてゴヴニュの饗応。
これら四つの出来事には、それぞれ魔族の男が関与していることが分かったのだが、いずれも彼が接触したのは、どれも同じく魔王城に報告される二ヶ月前で、俺たちが来る頃には既に噂は出回っている状況にあるのである。
現在は入手困難であったゴヴニュの饗応をどうやって手に入れたのかは未だに分かっていない。
「管理図書の地下空洞に関しては、外族によって記憶を消されているけど、どういう問題が起きたのかしら?」
現地に向かう道中にティアマトさんは、前を向きながら尋ねてきた。
「たった四つだけれど、人的被害が出て居るまでに問題視されているわ。流石にこれは魔界でも刑に罰せられる重大よ」
この世界の罰則は先代王様が決めた制約があり、場合によっては理不尽なことで公開処刑という罰則があるのだが、ティアマトさんの説明による魔界の罰則だど、魔族側の戦争で天族も巻き込まれて死者数を出したことから、人を騙したり脅したり殺したりする行為は禁じられているのである。ティル・タルンギレでティアマトさんが入り口で止められたのは、ティアマトさんの固有能力である洗脳でひどい目に遭っているからである。何をしでかしたのかは全く教えてくれなかったけどな。