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未定
リツノには、この世界に二人の仲間と離れ離れになったらしいのだが、その二人の名前は、いくら尋ねてもリツノは答えることはなかったという。
確かに俺の母さんは、隠し事をよくしていた。母方の祖父に母親は常に隠し事をするのだが、それは昔だったのか? という質問をしたところ、祖父は懐かしそうな顔をしつつ、捨て犬と捨て猫を拾っていたらしいのだが、それが大人になるまで祖父母は知らなかったということがあったらしい。いつ拾ったと尋ねても、母親は黙秘を貫いた為、いつ拾ったのかということが月に一回のペースで会ったという。
それは高校生になって異世界アトランダム召喚術式によって召喚された後も変わらなかった。隠し事も上手でその立場を利用して上手く立ち回っているときに魔界に何故か来ていた。
どういう経由で来たのかと尋ねてもリツノが答えることはなく、召喚されたこの世界へいつのまにか帰っていた。
というのが、ティル・タルンギレにある図書館の本にあった『リツノという女性』の二十二ページ七行目にそう書かれてあった。
ゴヴニュの饗応を探す際に、ティアマトさんは、