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リツノ

 ゴヴニュの饗応と呼ばれる果実は、魔界が誕生してから200年経った時に突然現れた謎の果実である。

 誰がどのような目的でゴヴニュの饗応の種を埋めたのはか今になっても明かされておらず、昔は、ゴヴニュの饗応は天からの授かりものとして崇拝され、ティル・ナ・ノーグ地域のみで栽培されていたのだが、ゴヴニュの饗応を食べた者から老化現象が止まっていたことから、最初は不老不死の果実として広まったが、食べた者から不老のまま死んでいったことから不老の果実として400年後にはティル・ナ・ノーグ各地で行われていたゴヴニュの饗応の栽培を中止しその種は呪いがあってはならないと、浄化を専門とする術師を呼んで、さらに聖水で浄化とこれでもかというぐらい念入りに浄化した後、炎によって破棄されている。

 それがティル・タルンギレの最年長である天族のおばあさんは俺たちにそう話してくれた。

「しかし、不思議なものがあるものじゃ。お主、リツノの息子じゃろ?」

 とそのおばあさんは懐かしそうに俺を見てそう言った。

「リツノ……?」

 どこかで訊いたことのあるのだが、どうも思い出せない名前というより苗字に首を傾げると

「ん? 違うのかい? リツノと彼女が名乗っておったが……天真爛漫な元気な子じゃ」

 おばあさんの疑問の顔に俺はしばらく悩んでから

「まさか……そのリツノって俺の母さんのことか?」

 俺の母親の旧姓はリツノだと名乗っていたのを思い出した。

「おぉ! やはりそうか!!」

 とおばあさんは笑顔で俺の手を握ってから

「まさか、息子が魔界にこようとは親と子で似るものじゃの~」

 と言ってほほ笑んだ。

 母さんが魔界に来たことがあるだって? 

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