表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

LINE交換

お腹が痛いです。

とりあえず、手伝わせて貰えるのはわかったけど…どうする?もう外暗くなり始めてるんだよね」


 橘さんが窓を見ながら言い、俺もつられて窓の方を見ると、確かに暗くなり始めてる。時計に目をやるともうすぐ6時になる。


「とりあえず、解散ですかね?」


 雲雀が俺と橘さんを見てそう言った。

 俺は別に異論があるわけでもないから頷いた。橘さんも同じく頷いた。


「あっ、でもこれからどうしよう。ここにいつ来たらいいとかわかんないんだけど…」


 橘さんはうーんと何かを考えている。

 でも、俺達は何か時間を決めたり、なにかしようと思って今までここに来ていたわけでもない。ただの暇つぶしと思ってきていた。家にいてもゲームしてるだけだし。

 しかし、そうか。ここにはこれから彼女を作るための活動拠点となるのだ。定期的に集まった方がいいんだろうな、きっと。橘さんも手伝ってくれることになったし。


「あっ、じゃあじゃあ、月曜日、水曜日、木曜日の放課後は出来るだけここに集まるってことにして、他の日は、各自適当に集まるってことでいいかな。」


 そう橘さんは提案してきた。よくここまでスラスラ提案出来るなぁ…

 まぁ、月曜日と水曜日と木曜日か。別に俺は部活動してる訳でもないので断る理由はない。彼女欲しいし。


「おっけ、それでいいよ俺は。」


「うん!雲雀くんは?」


「俺もそれでいいよ」


 雲雀もそう言った。こいつも今は部活やってないし。

 まぁ、とりあえずこれで解散だろう。


「じゃあ…解散!」


 と、雲雀がいい声で言った。帰ろうとして、扉に向かっていたら、橘さんが声を上げた。


「あっ、ちょっと待って!2人とも。」


 俺と雲雀は立ち止まって橘さんの方を見た。


「あのさ、LINE交換しよ?だってこれから活動するのになかったら何かと不便そうじゃない?」


「あー、確かに不便かもしれないね」


 雲雀が言っているからとりあえず「あ、あぁそうだな」って言ったけど、内心すごい動揺している。だって女子のLINEだぜ?しかもJKの。


「うん、じゃあスマホ出して?」


 橘さんはピンクの可愛いケースのスマホを出してふるふるしてる。

 可愛い、橘さんが。

 俺と雲雀はスマホを出して、ふるふるした。


「おっけー!きたきた。この「明」と「ひばり」のやつでいいのかな?雲雀くんのアイコン可愛いなっ!?鳥?」


「これは雲雀っていう鳥なんだよね、可愛いでしょ?同じ名前だからそうしてるの」


 微笑ましい会話をしている2人を横目に「くるみっ!」と書いてあるアイコンをタップしている友達登録をした。


「2人とも追加できたっ!おし、じゃあ帰ろう!」


 と3人で校門まで行って「じゃっ!」という雲雀の声でバラバラに帰っていった。橘さんは「みんなバラバラっ!?」と言って帰っていった。

 確かに3人とも帰る方向は違った。雲雀は校門を出て真っ直ぐ、橘さんは左、俺は右と言った感じにバラバラだった。


 俺はスマホのLINE画面を見て少し笑って上機嫌になって1人帰路についた。



「ただいま」


 俺は玄関を開けて、今に入りワイシャツを脱いでから、ソファーでくつろいでた。

 スマホをいじっていると家族のグループLINEが鳴った。見てみると妹は今日、友達の家に泊まるそうだ。受験生なのに大丈夫なのかとも思ったけどあいつ、俺より頭いいからまぁ、大丈夫なんだろう。母も夜遅くなると言っていたから今日は俺一人だ。ご飯作るのめんどくせぇ。


「なんだか、すごい1日だった気がする、今日。」


 風呂も入り終わって自室のベットでゴロゴロするぐらいしかすることないので、少し考えてみた。

 彼女が欲しいと思い、行動に移そうと思ったら、なんか可愛いJKが友達になった。中々不思議な展開である。橘 胡桃、一体どいう気持ちで俺達のサポートをしてくれるのだろうか。あの態度的には全力を尽くしてくれそうだけど…なんでだ?彼女は気まぐれだと言っていたがなにか理由があるのじゃないか?

 もしかして俺の事がす…いや、名前も知らなかったみたいだし、それはさすがにないな。はぁ…自分で考えて悲しくなってんじゃねぇよ俺。

 そんなことを考えてるとぴこんっとLINEの

 音が鳴った。あんまりLINEが来ないのですぐ開いてしまう。そこには「グループの招待」

 と来ていた。「彼女作り大作戦本部」と書いてある。入ろうか少し戸惑ってしまう。

 名前的に恐らく放課後で話した3人のグループだろう。しかしグループの招待なんてほとんど来たことないからなぜか緊張してしまっている。いや、まぁ、どうせ入るんですけどね。

 少し心を落ち着かせて、「彼女作り大作戦本部」をタップした。どうやら無事に入れたみたいだ。


「お、明だ」


 ひばりが速攻で言ってきた。


「あきらくんよろ〜」


 と橘さん。

 俺はどうしようかと、30秒くらい考えて、結局。


「よろしくお願いします」


 と送った。30秒も考える必要なかったわ。

 明日から少し大変そうだなと思って、俺はそのまま寝た。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ