結果と代償
なりふり構ってられるか。
人目がなんだ。世間体がなんだ。
僕は、双葉の為なら全てを捨てる。
手を銃の形にして指先に札を貼り付ける。
狙え。一撃で、あの2体を殺すっ!!
「『灼器・早蕨』!!」
撃ち出した2発の熱線は蝙蝠とゴリラの頭を貫いて壁に大きな穴を開ける。霧散して消える呪霊を一瞥してすぐに人型に指先を向けた。
指先を向けたと同時に身を捩り、射線上から引いて構え直す。
生意気に知性というか、そうゆうものがあるようだ。
妙に、頭が冷たく心が熱い。
さっきの2体。双葉を狙っていた。なら、こいつは?僕を真っ黒な瞳で虚ろに見るこいつは、誰が狙いなんだ?
「……なんでも、いいか」
狙いを定めて、撃ち込む。
何発も何発も撃つそれを全て刀で払い落として奴は歪に笑っていた。
こっちも笑い返す。甘いよ、詰めが。
「『灼器・惣流』」
払い落とし、塵になった呪力を再構築して奴を包む。シャボン玉のように人型を閉じ込めて宙に浮かせて、手を開き閉じる。
ぐしゃり。と鈍い音と共にシャボン玉がひしゃげて潰れた。
終わり、か。正直もっと楽勝だとおもってたけど。やっぱり実戦は、違うな。
そして結界を解く。
見渡して、溜め息を吐く。
僕を見つめる視線に冷たさと疎外感が込められているのに、気付いたからだった。