表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

想い思って恋い焦がれ

彼女、とは天槻あまつき双葉ふたばという僕の幼なじみだ。



そして片想いの相手でもある。

まぁ身分違いとか何とか御家の人に言われてからは隠し通しているつもりなのだけれど。



天槻家に仕えているのが、日生家。

日生家は代々この天槻家を護るのが使命というか、その為だけの存在だ。



「……なぁ美海みみ


「なぁに?お兄ちゃん」



一緒に引き取られた妹の天槻あまつき美海と、のんびりしているとふと思い出す。



「お前、相変わらずその、天才なの?」


「うーん。うちは別に……ただお兄ちゃんに出来ないことがぁ……出来るだけぇ」



出たな……天才理論。

美海も同じ日生家で引き取られたのだが、才能があり過ぎて天槻家になった。それからも、仲良くはしている。唯一の家族だからな。



「あっ!!マコちゃんサボってるの!?」


「いやっ!?ふふふふ双葉っ!!サボってないよっ……」


「じゃあ、なんで目を合わせないのかなぁ?」



可愛いからだよ!!すっげぇ近いからだよ!!

長い黒髪が綺麗な双葉は、これぞ大和撫子という可憐さを全て詰め込んだような見た目。

しかも、一目惚れしてから10年。

もう拗らせて、まともに目を見ることすら出来なくなって来た。



好きだから。

僕は、この子の為には命を懸けられる。



「大丈夫だよぉ。お兄ちゃんは、出来る子だからぁ」


「知ってる。マコちゃん、努力家だもんね。

何でそんなに頑張るんだろうねー」



お前が好きだからだよ!!

血反吐を吐いて、休日なんか気にせずに修行してるのは全部お前を護る為だよ!!

でもそんなこと言えないっ!!



「お前が好きだから頑張ってるのさ」



なんて口が裂けても言えねぇよ!!キャラじゃないし……恥ずかしいし!!



「マコちゃん?」


「な、何?」


「……うん!!元気そうだねっ!!」



惚れてまうやろっ!!いや、惚れてるけど!!

視線を逸らすと美海と目が合った。

にやにやされた。



当の本人は気付かないんだろうな。

まぁ、それでいい。



僕は死ぬまで言わないつもりだし。

それで、いいんだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ