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戦いの果て

 ムギが要塞に戻るとカヤはとっくにセルテトを倒していた。


 どうやらセルテトはカヤの斬撃を大したことがないと煽っていたようで、散々愚弄した結果カヤの愛剣を引き抜かせ、一撃で切断された模様であった。


 一行は要塞で合流するが、ブライアンはムギの身に纏う鎧の姿に震え上がる。

 ストゥルフの鎧はメディアン辺境において「伝説の武具」として語られた存在。


 辺境の強大な国家ですら10に満たない数しか用意できないほど信じられない額が投入されて国外に開発してもらったソレは、当時にして超高性能、超高機能なタイプのバリアブルアーマーの1つであるが、その中でもストゥルフにたった1点しかないとされた特注のものだったからである。


 精鋭部隊は皇帝を守るための近衛部隊であったが、その中でも「勇者」とか「英雄」と称えられた最もすぐれたるストゥルフの戦士のみ身に纏うことが許された真の意味で三国の中で伝説と語られる代物だった。


 性能こそすでにもっと高性能かつ安価なものが存在していたが、その鎧は知名度において郡を抜き、見ただけでテロリストが逃げ出すような存在。


 国家安全保障調査室はムギが偶然見つけた存在によって強大な政治的戦略兵器と言える外交カードを手にする事になった。


 その後、ムギたちは地下の部屋について調査を行ったがこれはドゥームが探していたものではなく、ただの武器庫の一部であったことが判明。


 この武器庫は戦乱期に何らかの理由により地下に埋まったものと後の調査で判明した。


 一方、ドゥームが求めていたのはストゥルフが運用していたとされる国家運営用の中央制御室であった。


 これはストゥルフの鎧をドゥームが求めていたのかと確認したことで判明したが、ドゥームは「そんな偶像崇拝用の銅像のようなものではない」と一蹴し、改めて求めているものを正直に話したことでわかったもの。


 しかしそのシステム自体は結局コンラッド・ゾルゲンも見つけられなかったものであり、ゾルゲンの邸宅内を調べた結果、スタンダール地域内からは完全に消失しているのが確定的となった。


 ゾルゲンもまた、それを探していたのだ。


 ゾルゲン自体はストゥルフの鎧が出てきて世論による論争が巻き起こった事に何か負い目を感じたのか国外逃亡を行うもウィルガンドにて拘束され、最終的にドゥームに引き渡される。


 一連の事件の首謀者はやはりゾルゲンの仕業であり、第12連隊の影法師は彼であり、連隊の秘密資金の出所である口座は彼のものであったことが国家安全保障調査室と公安の共同捜査によって判明した。


 一方でゾルゲン自体はウィルガンドの裏の動きを察知して連隊を動かしたことが聴取などにより判明。


 ウィルガンド自体は己を被害者だと主張していたが、実際にはスタンダールを揺さぶろうとありとあらゆる方向性で活動した結果テロリストの制御ができなくなり、


 最終的にトルメカの悲劇が起きてガンドラが占領されたことが判明する。

 拘束された工作員の男が漏らした情報を調べた結果わかったことだった。


 工作員の男は司法取引の結果表向きは死刑に処されたと発表されたが、その功績が認められて監視下ではあるがスタンダール国内の国民として第二の人生を歩む事になった。


 他方、その情報によってムギ達の協力もあって証拠を集められて事実を突きつけられたウィルガンドはガンドラの開放のために多額の賠償金を支払う事になり、賠償金はスタンダール市内で起きた被害の復興費用などに当てられることになった。


 ストゥルフの鎧を纏って一連の調査などを行ったムギは表側では語られない形で英雄となり、誰がストゥルフの鎧を纏って活動したのかについてはムギの意向もあって伏せられたが、


 結果そのことでドゥームやスタンダールから恨まれる事は無くなり、


 ドゥームは最終的に例のヒトデの件を秘密にすることと、残骸をドゥームへ送る事、そしてゾルゲンの身柄を渡すという2つの条件で人質となった者達を開放。


 三国の均衡は何とか保たれたまま、戦争という最悪の事態を回避することが出来たのだった。


 ムギは報酬として負債の補償をスタンダールより受け取る事になったが、これはウィルガンドからの賠償金の一部から出ていたので結果的にはウィルガンドから補償を受けたことになった。


 加えてボーナスとして国家安全保障調査室よりそれなりの報酬も与えられ、懐が暖かくなった。

 

 ストゥルフの鎧を身に着けてしばらく行動したムギは超高性能な鎧と別れるのが名残惜しかったものの、素直に鎧をスタンダールに預けてストゥルフの英雄としての役目を負え、鎧は国家安全保障調査室が保管して各種活動などに使うことになった。


 借金が消えたムギ達はいよいよエクセルの故郷へと旅立ち、スタンダールから出る航空便に乗って彼女の祖父がいる地域へと向かうのだった――

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