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原初の神と地球の神3

 彼女が再びムギの目の前に姿を現したのはそれから2ヶ月後であり、先月のこと。

 ムギが凶悪な魔物と遭遇して苦戦する中、いてもたってもいられなくなり、


 ムギが話していた「仲間とは真に心を通わせた者」という言葉を思い出し、「己以外にそんな者はいない」とローズルはここで史上初めて神々の会議に顔を出した。


 そしてメディアンで認められている「人種族となって活動する活動権」を行使し、その申請を正式な形で行ったのである。


 これは様々な制約を課されるものであって、まず1つに「神力しんりょく」と呼ばれる神々の創造の力の行使は厳禁とされる。


 元々この活動権というのは「ルール上設けたが、基本的に神々は無断で人に化けてメディアンで活動する」のが当たり前で、殆ど行使されたことのない神々に与えられた権利であったのだが、


 ローズルは自身の思惑によりあえて正式な形での申請に拘った。


 その際には、これまでフレイが何度も申請して却下されていた「メディアン以外のエルフ族だけが持つ、現時点での魔法の究極進化系」たる「速攻魔法クイックマジックのフィードバックを行う申請を行い、これを認めさせる」


 速攻魔法とは、呪文、印、そしてそのさらに進化系の次の形態であり、アルフヘイムとスヴァルトアルフヘイム双方で開発された触媒などを一切用いない魔法の現時点での究極系である。


 詠唱など一切の行為を不要とし、己の体内にて魔術回路と魔力変換機構パーサを一瞬のうちに形成して魔法効果を発揮するという恐ろしい存在。


 現時点でローズルが抱えるエルフだけが生み出した技術だが、メディアンにおいては魔法の進化と発展が遅れており、その力があまりにも革命的すぎることからアルフヘイムなどからのフィードバックを認められていなかった。


 ローズルの狙いとしては「神としてムギの隣にいてもムギは納得しない」という考えから「エルフの少女として真の仲間になる」ことを考え、


 さらに「どうせなら最優のエルフになろう」という考えによっての申請であったが、


 これらの申請を協議する神々の協議会は「座標移動(自身のみ有効)」「ミニマムノヴァ」と呼ばれる超新星爆発と同じ軽い元素を利用した爆発系魔法、


「バック・ザ・フェノメノン(自身とムギのみ有効)」と名づけられた事象ごと復元してしまう回復を越えた回復魔法系の究極系たる「事象の復元」魔法、「ディメンションレーダー」と呼ばれる感知系の上位索敵魔法、その他、「ジャミング」や透明化、無音化の魔法など、計8つの速攻魔法のみ許可し、ローズルへの使用を許した。


 同時にこれらは表向き、ローズルの加護によって与えられた「復元の力」とか「感知の力」とか「透明化の力」などと周囲に説明することを命じられた。


 一部は「自身のみ」または「自身とムギにのみ」使用可能となっており、かなりの制約があるのに加えて速攻魔法行使の際には体中に流れる魔力の流れを一切見えないようにする事としており、見ただけではその魔法を覚えられない、技術を盗まれないように厳命を受けることになった。


 結果、ムギの旅に同行しているエクセルは知らずのうちにすぐ近くに「自分が追い求める先の先の存在」がある状態になっていたのだが、


 エルはこれを「ローズルの加護を受けている」と主張しており、まるで魔力の流れなども見えないせいでそれが自身が追い求める現時点での究極系を遥か先に越えていくものであると理解できていなかった。


 一応、魔術や印、そして魔導具の使用は許されており、本人が使いたければ何でも使うことが出来るということになっているものの、エルとなったローズル本人は「速攻魔法と魔導具で十分であろうな」と踏んでいる。


 ちなみに本人のステータスはエルフ族の中でも特に身体能力が高いものを参考に調整しており、肉弾戦は非常に得意で力もある。


 魔力保有量は評議会より「メディアンに存在するエルフ族の最大値を下回ること」と言われたため、メディアン世界の魔法使いの平均値を100とした数値換算で「982」という平均的魔法使いの10倍近くの数値となっているが、メディアン世界のエルフの中で最も魔力保有量に優れたのはかつて存在した1400相当であり、それよりは少ないと言えた。


 982は現在のエルフ族の中で最大値を持つ1028相当の者より少しだけ減らした数値である。

 ただ、魔力回復量自体が恐ろしく早いために事実上の無限である。


 この「許容量制限」はどちらかと言えば「一度に使える魔法の量を制限する」という意味合いにあり、

 

 例えばこの数値を1万とか2万とかにされると、同時に多種多様な魔法を使われて間違いなく神だとバレてしまうことを防ぐ目的があった。(無断で人に化け活動する神もここは守っていたりするほどだった)


 その事はメディアン内にてエルとして生きる事に決めたローズルに対してきちんと伝えられていたが、


 速攻魔法は既存の魔法よりも非常に魔力消費量が抑えられるので既存のメディアンのエルフ族よりか非常に優秀な魔法の使い手で間違いなかった。


 申請が通ったエルは他の神々から「護身用の神具」1つのみを持ってメディアンに降り立つ事を命じられ、

 ボロ布で作った粗末な衣服の状態でムギの目の前に現れる。


 かくしてローズルは「自身が彼に対しての最高の仲間エルフになることでムギへの報酬とする」ことを思いつき、エルとしてムギが心の奥底で求めたメディアン内で旅をするための仲間となったのだった。


 以前と顔つきが変わり姿もやや子供っぽくなった状態にムギは驚くものの、その者がローズルであることはすぐに見抜いた。


 これはローズルにとっては嬉しいことであると同時に自身の中におけるムギの株は大きく上がった。


 それがエル・フェアとしての始まりでありムギのと出会いである。

 これまでカヤという不安定な巨大戦力しかいなかったムギのパーティはエルの合流によって安定化。


 以降エルはこれまで通り自身がもつ世界の管理などはフレイ達に任せた上でエルとして行動はしていた……のだが、


 今の自分にとって最も興味がある男に何かしらの秘密を複数見つけ、アークを問い詰めているのが現在の状況なのであった。


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