表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/19

検討

 新幹線は快調に進む。オレの口調もこのうえなく滑らかになる。

「まず、大基本として、コースの向きは、おおまかに、西から東向きであるな」

「まぁ、そうだな!」

「地球の半径6371kmがメインのラインになる。それプラス、日本の部分(テラス長さ)。さらに、ムーの首都(地球中心)をゴールにしちまうわけ行かないから(ゴールアウトしてしまうから)、安全のために大陸の端っこまで範囲内に入れたい。弦の長さ7490kmだったから、これを採用してキリよく7500kmとしよう。これがケイブの長さになる――」

「そんな設定、ゲームが受け付けないだろう?」

「今はできるとして話を進めよう!」

「日本の部分、テラスの終端、つまりケイブの始まりが“どこかの海岸”として、ゴール地点はその直下方向7500km地点。となると、テラスの長さは少なくとも192km(全体長の2.5%)だ。海岸から西へ最低それだけの距離を取れる位置がスタート地点になる」

 モエの分析にオレはおどけて降参ポーズした。

「おいどうしよう、()()()()あるぞ!?」

 実際、こうしてみると、狭いとイメージしてた我が国も、なかなかに広い。

「実はボクは、キミの力を信じているんだ」

「おーい、丸投げかよ」

「ボクを、連れてってくれるんだろ?」

「相棒としてだ。オマエを同格以下と思ったことは1ミリもない」

「フフン。じゃあ、海岸は――東京だと思う」いきなり意見(マジレス)だ。

 こちらも即座に対応する。出来なきゃ、コイツの相棒はつとまらん。

「図からして、太平洋に直に接してる所かと思ってたんだけどね。千葉県とか、茨城県とか。そのほうが、形てきに自然と、ムーと陸続きにつながる。その点、東京は……湾の奥に、窪まってるだろう?」

 モエは楽しそうに指摘する。

「形の問題は置いといて……ムーの首都は、大陸の要に置いた、とキミは主張した。ならば、同様に大事な“扉”は、該当する(エリア)の首都に据えるのがふさわしい」

 見え透いたワナかと思ったが成り行き上、突いてみる。

「時間軸に破たんがあると思うぞ? 順番は、扉が先なんだ。“そこ”に扉が置かれたのは確実に有史以前で、東京どころか、江戸も、縄文人もまだ影も形もなかったころだ」

 してやったりと、モエはそれこそ悪魔のように、天使の笑みを浮かべたのだった。芝居っ気たっぷりに――

「キミが言いだしたことなのに! この日本は、巨大オリハルコンの上にあるんだろう? なら、扉の防御を固めるために、日本史を誘導するくらい、さほどの事でもなかったろう」

「恐ろしいことを言う……」

 オレはモエのコーヒーを奪い取り、残ってる全部を、お下品にズビズビと吸い尽くした。

「……さすがは、春雪(はるゆき)(もえる)」目を見張る。

「どういたしまして――このナツナツが!」

 まっ赤になって、モエが応えたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=57135700&si
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ