ゾーンの数
グエン「ゾーンの個数」項
まずはゾーンの一般的な設定方法を確認しておこう。
・スタート地点。(S点)
オリハの地図マップにて、指先タッチにて、決める。(適当)
・ゴール地点。(G点)
同様。(適当)
かように入力は一見アナログ的なのだが、実際は、高精度のデジタル方式にて設定されている。
指先の圧力分布の中心の、地図上の緯度、経度の数値が、小数点以下9位まで計測されて、設定値として採用されているのである。これを現実の地球に置き換えると、地表面をおよそ1ミリ刻みで測ることに等しい。
我々は、1ミリ単位で位置を決めていたのである。
日本の面積は約37万8千平方キロメートル。仮に、地点が、1平方ミリメートルあたり1個は必ずあるとすると、全部で3.78*10^17個になる。これがスタートポイント候補であるし、ゴールポイント候補である。十分に大きな数だから、全体から2ヶ所を選ぶその順列は、自乗して求めていい。(S点とG点を入れ替えたら、それは別のゾーンということ。←ケイブの存在)
つまり、ゾーンの数は、最低でも、1400溝個あることになる。
(実際は数ミリのゾーンなんて使えないし、海を挟んだら意味ないしで、かなり数は減じるはず)
(ゾーンは同時にいくつも存在できる。各ゾーンは存在する次元が異なるのか、混じりあうことはない)
オレは算数が苦手だから間違ってるかもしれない。ようは、純粋な数の世界は物理的な宇宙よりも遥かに大きいってこと。何が言いたいのかというと、これは暗号として、通用するレベルだということだ。
具体的に。データを届け残しておかないと、その人が転入した先がわからない、ということだ。最悪遭難した場合、救出は事実上、不可能となる。
最悪の最悪、死んだら、動物はいなくなったと判定され、遺体ごとその人のゾーンは消滅する。
奇跡が起こって、後日に別の誰かが偶然同じゾーンを開いても、その時には遺体は痕跡も原子レベルでなくなっている、ということだ。
逆に、一つのゾーンに大勢のパーソンを集めたいときは、位置データを最後のケタまできっちりと公表する。
参加希望プレイヤーはデータコピーして(まれに手打ちして)設定するので、安全確実に、競技大会などの開催が可能になるのであった。
※ ※ ※ 以下は蛇足である ※ ※ ※
オレも何度か大会にエントリーしたことがある。ほとんどがタイムトライアルもので、スタートからゴールまでの時間を競うものだった。単独で参加していいし、チームで参加してもオーケーだ。
もちろんオレはモエを相棒にして参加した。ただ、モエの体質変化が非常に特殊なものだったので、それがバレないようにすることが絶対条件だった。
どうしたか?
モエには、スタートボタンを押さずに、一般人として参加してもらったのだ。(体質変化しない)
アプリを起動させずとも、参加プレイヤーと(握手など)素肌の接触を保てば、その人と一緒に参加できる、という仕組みである。
注意として、これは“パーティ”ではない。参加プレイヤーの従属的地位に置かれる。つまり主プレイヤーの手荷物品、あるいは“ペット”と同レベルの存在として、参加が認められるということだ。
実際、人によっては、“犬”を持ち込んだりしている。(役に立つからだろう)
いったんゾーンに転入すれば、得点が付かないだけで、後はほぼ主プレイヤーと条件はいっしょだ。単独で行動可能で、ゾーンアウトも支障なくできる。
つまり、アタッカーにはなれない。そういうことだ。




