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受け継がれた剣

今回は気づいたら長くなってしまいました…

9話 受け継がれた剣


暗闇の中を俺は歩いている。

ここがどこなのかも分からない。

ただここは生きた者、魂を持つ者がいてはいけない場所だという事だけ何故か直感的に分かった。


このまま何もない所にいると精神が心が壊れそうだ。

早く別の場所に行きたい。

そうだ、俺はさっきまでアリの魔物と闘っていた。なら俺が今ここにいるのは死んだからなのか?


そんな事を考えていると上から一粒の光の玉が降りてきた。

俺はそれを両手で包み込むようにしながらすくい取った。


暖かい……まるであの村で過ごした日々のように暖かい…


そんな事を考えていると頭の中に声が響いた。


戻ってこいカルガルド…みんな待ってるぞ?


カル爺! 戻ってきた!


カル爺!


カルガルドさん!


カルガルド…


カルガルおじいちゃん!


ああ、みんなが俺のことを呼んでいる…

戻らないと行けないな……あの世界に…


そう口にしたカルガルドは目に涙を浮かべながら光の玉と共に空高くに舞い上がって行った。





ーーーー






「う……ん…」


「カル爺!」


「カルガルド‼︎」


目を覚ましたわしの目に飛び込んできたのは涙を浮かべながら飛び込んできたガイルと笑顔を浮かべ背中を叩くこの村の村長であり昔からの付き合い、ペルドだった。


「う……ガイル…ペルド…一体何が……俺は確か魔物と…」


「ああ、そうだ! お前が魔物を倒してくれたおかげで村は助かったんだ! お前はこの村の英雄だ!」


「そうか…わしは倒したのか…」


「そうだ!お前はわし達の村の誇りじゃ!」


「そう言うってもらえて嬉しいよ……ペルド一ついいか?」


「あ、ああ、なんだ?」


「お前の後ろにいる二人の男と女の子は誰なんだ?」


「そうだ! 言うのを忘れていた! この者達がお前をここまで運んでくれたリュートとマヤさんだ!」


そう言うとペルドは扉の横に立っていた。二人をカル爺の前に連れてきた。ガイルはすでにカル爺から離れ椅子に座ってこっちを名残惜しそうに見つめている。

わしは一瞬だけ笑顔を浮かべると今度はリュートと呼ばれた男の顔を見た。

一言で言うなら中の上か上の下くらい。

黒目、黒髮に銀色の軽装鎧、腰には剣をさすベルトが巻いてあるのに肝心の剣を持ってないことに違和感を覚えながらも今度はマヤと呼ばれた女の子に目線を向けた。

そこには一人の美少女が立っていた。

身長は百五十センチと高くはないがその身長だからこそのこの可愛らしさが溢れているようにもカル爺の顔には映った。

少し金が入ったレッドゴールドの様な髪は肩まで伸び、前髪は綺麗に切り揃えられている。

瞳の色は茶色を基調に少し赤みがかっている。

少し幼さを感じさせる顔つきなのに何処か大人びて見えるのはその歳のせいだろう。

十六か十七それくらいに見える。

服装はリュートと同じ銀色の軽装鎧に紺色のスカートを履いている。

だがカル爺が次に驚いた事はそんな少女の背中には不揃いな巨大な大剣だった。

それは何の効果も持たないただの鉄の大剣だった。


信じられない……あんな少女が自分と同じかそれ以上はある剣を使うと言うのか?


そんな事を考えているとマヤが首を傾げこっちを見ていることに気づいたカル爺は我に戻った。


「ハッ! すまないな…つい考え事をしていた。君達がわしをここまで連れてきてくれたのか?」


そう言うとリュートが口を開いた。


「はい、自分はリュートと言ういます。こっちは仲間のマヤ。一様回復魔法をかけて見たんですがどうですか? 体の具合は?」


「リュートとマヤかありがとう! それにしてもリュートは、回復魔法が使えるのか? それは凄いな!大丈夫だ、体には何の影響もな…」


そこまで言うってカル爺はつい言葉を止めてしまった。

それは左腕が綺麗に無くなっていた事を思い出したからだった。

だぶん暗い顔をしてしまったのだろう。

リュートとマヤの顔にも影が落ちた。


「その…すいません……左腕は回復魔法を使っても直す事が出来ませんでした…」


下を向きながら話すリュートに悪い事をしたと思いながらカル爺は笑顔を浮かべると


「いや! 今のはわしが悪かった! そもそも死ぬ気で戦ったわしが生きてここにいる事が奇跡なんだ!そんな命を失う事より左腕一本無くなっただけでみんなと会えたんだ。これも全部リュートとマヤのおかげだ! 本当にありがとう!」


そう言うとカル爺は右手を頭を下げるリュートの肩に置いた。

顔だけあげたリュートに「気にするな」と笑顔で言うと苦笑いを浮かべながらリュートも「はい」と返事をした。


それから少しだけたわいもない話をするとガイルが寝てしまったためペルドが家に連れて行くと言って家から出ていった。

それを見送ると家にはカル爺とリュートとマヤの三人だけが家に残った。

少しだけ間を置くとカル爺が口を開いた。


「所でリュートは魔剣士だったよな?」


「はい、俺は魔剣士ですけど」


「なら何で剣を持ってないんだ?」


「ああ…それはあれですよ、あれ、壊れちゃったんですよね〜…剣…」


そう言うとため息を吐くリュート


「もしかしてわしを助けた時に壊れたのか?」


「はい、まさか壊れるとは思ってもなかったですよ…本当に……ハァーお金があれば買うんですけどね…」


「そうか……そうだ! リュート! 後ろの壁にある剣をとってくれ!」


「後ろの剣?」


リュートは後ろの壁を見る。そこには確かに皮の鞘に入った剣が壁に掛けてあった。

リュートはその剣を壁からとるとカル爺に渡した。

カル爺は一度だけ鞘から剣を少しだけだし、深く頷くともう一度鞘に戻し剣をリュートに渡した。そして


「これをリュート、お前にあげよう」


「え! いいんですか!」


「ああ、この剣はもう二十年間も壁に掛けてあったからな……そろそろ別の主人に渡してもいいと思ってな!」


「でも……大切な剣では…?」


「まぁこの剣はずっと昔から引き継がれてきた剣だからな……リュートになら託してもいいかと思ってな……受け取ってくれ」


「……分かりました…じゃあ…」


そう言うとリュートはカル爺から剣を受け取った。剣は受け取ったリュートは鞘から剣を抜く。

剣は室内を照らす魔法のライトを反射しキラキラと光り輝いている。

柄の部分は黒の皮のグリップがついており、握りやすくなっている。

柄の上にあるつば返しには金色に輝く十字架があった。

刃の長さは一メートルあり中心には溝が彫られておりそこには謎の文字が彫られていた。

剣を見つめているリュートを見ながらカル爺はその剣のことについて自慢げに喋り出した。


「その剣の名前はルシフェルと言ってな、刃の中心部分と柄の部分にはオリハルコンを、刃の部分にはアダマンタイトとオリハルコンを混ぜた融合金属が使われているんだ! その斬れ味はまさに岩おも簡単に断ち切る事が出来る最強の剣なんだ!

しかも! その剣はこれまで沢山の師匠達が古来まで伝えてきたいわば伝説的な剣……おっとつい熱くなってしまったか?」


「いえ、これから一緒に旅する相棒の名前くらい知っておきたいですから! そのまま続けて下さい!」


「そうか? なら眠くなったら言ってくれよ? とまぁその剣は伝説的な…」


とそんな感じでリュートは次の日の朝まで剣の事について話を聞いたのだった。

ちなみにマヤは途中で寝ました!

今回も読んだで頂きありがとうございます(*^ω^*)

これからも書き続けるので是非読んで頂けたら幸いです!そしてブクマもよろしくお願いします!


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