謎のフードの存在
一番最初に話数書きこむことにしました!
(一話からやり直してます)
5 謎のフードの存在
「っ⁉︎ ここは…? 俺は確か第一の街にいたはず…」
俺が目を覚ましたのは何もない、ただどこまでも広がる白一色の空間だった。
俺は目を閉じると軽く頭をふって何が起きたのか思い出そうとした。
「……そうか…俺はあの時、いきなり気を失って……目を覚ましたらここにいた…どうなってるんだ?」
俺は腕組みをすると
すると背後に何かを感じた俺はすぐに腰の剣の柄に手をかけるといつでも攻撃ができるように姿勢を低くして構えた。
俺の目の前には先程、鐘ついた塔の上にいたフードを被った謎の存在が立っていた。
「お前! 何者だ!」
「機動力、反射神経、判断力、あなたは生まれながらに持ったものがあるようですね…」
「何を言っている?」
俺は少しだけ柄から剣の刃を出しながら睨んだ。
「その目……いいですね…そそりますね…あたなは特別な存在になれる…」
「だから、何を言ってるんだ! さっきから」
「あなたの名前は宮本龍輝…年は17…あっていますか?」
「何で…俺の名前を…」
「わたしには全てが分かるんですよ…」
「お前は…いったい…」
俺はあまりの驚愕に目を見開く。
通常、オンラインゲームに置いてプレイヤーの個人情報は経営者側のセキュリティーにより厳しく管理されており、情報が流出することはまずない。
それなのにこの目の前の何者かは俺の名前と年齢を言い当てた。その時点でこいつが関係者と推測ができる。ならなぜそんな人がこんな事をしているのか、俺にはその意図が分からなかった。と、そんな事を考えていると目の前の奴が口を開いた。
「あなたに1つ質問をします」
「何だ…」
「あなたはゲームの世界で生きてみたいと思った事はありますか?」
「…ある…逆にゲームの世界で暮らしたいと思った事は何度もあった……だが、それを聞いてお前に何の得がある?」
そう言っている時に、数十分前の家族全員と一緒に食べた夜ご飯の風景が頭をよぎった。
何で今頃…
そんな事を考えているといきなり先程聞いた鐘が鳴り響いた。
「おっ、もう時間ですか……意外に早いものですね…」
「何の時間だ?」
「今からあなたたちが行く世界の扉が完成したんですよ」
「何だと? 何をするつもりだ!」
「気にしないで下さい……皆さんが思った事を現実にしてあげるだけですから……あなたとの会話は楽しかったから特別に職業とスキルをあなたには授けておきましょう……それでは」
目の前のフードの存在は手をヒラヒラとふる。すると龍輝の意識が徐々に薄れ出した。
「くっ! また意識が…!」
「……これを耐えますか…あなた…本当に面白いですね」
「ぐっ! 最後に…お前の名前を…」
意識が遠くなりながらも何とかその言葉を言うと同時に龍輝の意識はなくなった。
クソ! 間に合わなかったか! せめてあいつの名前だけでも聞けたら!
そう心の中で吐き捨てた瞬間、再びフードの存在の声がどこからか聞こえてきた。
わたしの名前はアーティ・フィシャル。
あなたがここまで来るのをわたしは楽しみにしています。
アーティ……フィシャル
その言葉を最後に龍輝の意識は本当に飛んだ。
ーーー
リュート……リュート!……
この声は…マヤ?
リュート‼︎
「はっ!」
俺はすぐに目を開けると勢いよく上体を上げた。するとマヤとぶつかった。
「痛い…」
「いってーー‼︎ どんだけ頭硬いんだよ!」
「リュートが飛び起きたのが悪いんですよ! そんな事より、リュートはさっきまでフードの女と話をしましたか?」
「‼︎ フィシャルと話したのか⁉︎ じゃあー周りにいるこのプレイヤー達も今はフィシャルと話をしているのか…」
「ちょっと待って下さい! フィシャルってあのフード被ったやつの事ですか?」
「ああ、そうだけどどうかしたか?」
「どうかしたかって…ハァーまぁいいです。後で詳しく聞かせてもらいますから。それより今はここから抜けましょう」
「なっ何でだよ? 別にここにいても…」
「リュート、考えて見て下さい。もしここにいる人、全てが目を覚ましたら混乱が起きるのは確実。私達、元βテスターはもしかしたら誰にも当てれない不安を最初に当てられ、責められるかも知れません。なら、先にここを離れて落ち着いてから情報収集をした方が安全ですよね? だから今の内にここから抜け出して、次の街に行った方が安全だと言っているんです」
「お前…頭いいな」
「私を何だと思ってるのですか! そんなことより納得したなら早く行きますよ!」
「ああ、わかった」
俺は返事をすると立ち上がりマヤと一緒に第一の街を後にした。
今回も読んで頂きありがとうございます!
次回は今週中か来週に投稿するつもりですので是非ブクマして頂けたら幸いです(*^_^*)