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仲間出来ました。

今回も読んで頂きありがとうございます!

3話 仲間出来ました。


俺は目を開けると最初に入ってきたのは見知らぬ家の天井が入ってきた。


「知らない天井だ……よっと」


俺は上半身を起こすと足をベッドの外に放り出して座る姿勢をとった。

俺はそのまま、右手で空中に何かをタッチする動作をした。するとそこには長方形で半透明の文字が書いてある板――通称コンソールが現れた。

そこには名前を書く空欄が中心にあった。横にスクロールすると、他の職業や食料などの部分には全てはてなマークがついていた。

俺は名前の所を押すと下にキーボードが現れた。


「名前は……これだな」


リュート


「自分の名前を直接いれるよりはいいよな。次はアイテムか」


そのままアイテム一覧の場所を横にスクロールし押して開くと何個かアイテムが入っていた。俺は立ち上がるとそのアイテムを全て押した。

するとベットの上に鉄製の軽装鎧と鞘に入った刀身40センチ程の剣と鞘、それとベルトが現れた。

俺はそれを自身が来ていた黒く肌にぴっちりと密着する服の上から被ると、剣を鞘に直し、腰にはベルトをつけ左腰に剣を下げると俺はドアの横にある鏡の前で自分の姿を見た。


「コレが俺……あの時と同じ。帰ってきた…俺は帰って来たんだー!」


そう言うと俺は勢いよく扉を開け、部屋を後にした。


ーーーー


外に出ても俺は走り続けた。風が俺の頬を撫でていくのが分かる。体が軽いのが分かる!

俺はこの世界に戻ってきたんだ!

あの何も考えずに自分のしたいように生きる事が出来るこの世界に!

俺はすぐに職業認定所しょくぎょうにんていじょと屋根の上の看板に書いてある建物を見つけると一直線にその建物に向かった。


職業認定所


ユグドラシル・オンラインでは様々な職業を選ぶ事が出来る。

例えば剣士や魔剣士、大剣使いに、レイピア使い、など様々な剣士系職業から魔術師やヒーラー、召喚士やウィザードなど魔術系の職業も充実している。勿論、途中で職業を変えることも可能である。さらにこのゲームはレベル制、スキル制のためレベル、ランクを上げる事でさらに一つ上の職業に進化したりすることも出来るのだ。

そんな職業を認定、決めたりする場所がこの職業認定所なのだ。

リュートはそのままレンガを主に使った建物に近づいて行くと両開きになっている縦一メートル程の扉を開けた。

この扉を想像しずらかったらカウボーイが入っていく酒場にある、両開きのドアを想像してもらったら分かりやすいと思う。


ーー


中には沢山(おんなじ格好)をした男女が受付へと並んでいた。


「う…意外に多いな…受付の場所すら分からないや」


リュートは左右を見ながら何処が一番空いているか探しているといきなり肩を叩かれ、手を引かれた。


「こっちについてきて下さい」


「え?」


俺は後ろを振り返ってみると、そこには一五十五センチ程の身長に、肩まで伸びた赤色の髪の持つ少女が後ろ向きで立っていた。

服装は俺と同じ軽装鎧を着ている事。違う所は背中に背負っている巨大な鉄の大剣を背負い、紺色のスカートを履いている事だった。


「ほら、早く行くついてきて下さい!」


そう言うと少女はそのまま外に出ていこうとした。

俺は慌てて


「なっ! ちょっと待ってくれ! 俺はまだ職業認定をしてないんだ!」


そう言うと少女は立ち止まり、振り返ってきた。その瞬間、俺は目を丸くしてしまった。その少女の顔を俺は知っていたからだった。


「…え、ええええーーー‼︎‼︎」


リュートは叫び声を上げると後ろに吹っ飛んだ。


「何だ? 何だ? 揉め事か?」


周りのプレイヤー達がリュートと少女の事を見る。


う! 周りからの目が! 怖い……周りからの目が怖い…

逃げないと…


リュートは少女を見る。どうかしたんですか? みたいな顔で見てきている。


こいつ……俺がどうして引きこもりになったか知っていてこんな事してるのか?


そんな事を考えながらリュートは少女が握っている手を振り解くとそのまま職業認定所を後にした。



ーーー


「ちょ、ちょっと待って下さい! 聞こえているんですか?」


などと少女は先程からそう言いながら俺の後を追ってきている。

俺はあえて無視をしながら歩いている。


俺が今歩いているのは第一の街の外にある丘をずっと登っている。

いつの間にか少女は後ろで小さく「悲しいです…」や「酷いです…」などと呟きながら後を追ってきている。

まぁ当然の事をしたまで、少女は俺が人の事を信じる事が出来ない、人に注目されるのが怖いと知っていながらあの場で俺がびっくりするのを分かって声をかけてきたのだから。


数分間歩き続けると丘の一番上についた。リュートはそこで立ち止まると振り返る。

少女は少し顔をうつ向けながら俺の後ろに立っていた。


「この場所…お前は覚えているな?」


「……はい、覚えています」


「ならお前は知っているな、俺の名前を」


「はい…リュート…久しぶりです」


「ああ、マヤ…久しぶりだな」


「はい、一ヶ月ぶりですね。リュート!」


そう言うとマヤは瞬時に大剣を抜いた。それに合わせてリュートも少し飛び退くと腰に下げている鉄剣の柄に手をかけた。

少女は泣きそうな顔をしながら俺を睨む。


おい、おい……勘弁してくれよ……お前が俺にしてきたんだろ?


ため息を吐くのを我慢していると少女が口を開いた。


「リュート……酷いです! なんで無視するんですか! 私…リュートと会えて嬉しかったんですよ?」


「ああ、俺も嬉しかったよ! だがな、最初にお前があんな事してきたから悪いんだろ?」


「確かに私が悪いです……でもあれと無視は関係ないです! 私もう怒りました! 勝負です!リュート!」


「なんでそうなるんだ!」


俺はそう言うと瞬時にマヤに向かって走った。マヤは大剣の居合に入った俺めがけて剣を横に振るが、それを難なく飛んでかわすとマヤの頭に軽く手刀を入れた。

俺はニッと笑みを浮かべると、さっきまでの怒りは何処に行ったのやらマヤも笑顔を作った。

俺が離れるとマヤは大剣を背中にしまい、笑顔のまま俺を見てくる。

俺は両手を開くと、マヤも両手を広げて俺の胸に遠慮なく飛び込んできた。


「会いたかったです! リュート!」


マヤはは笑顔でそう言ってきた。

俺はその言葉を聞きながらマヤと初めて会った時のことを思い出していた。


俺とマヤが初めて会ったのはこの今いるこの場所だった。この草原の上に広がる景色を見ようと歩いている時に偶然、魔物と戦っているマヤを助けたのがマヤと初めて会った瞬間だった。


俺はあるVRアニメを見てから自分もソロプレイヤーを目指し、どんなゲームでも絶対にパーティーを組むことはなかった…が、そんな俺にパーティーの大切さや楽しさを教えてくれたのは他でもないマヤだった。

しかもマヤはちょっとだけ俺と似ていた。


俺は生まれて初めて、今までの出来事をマヤに話した。

するとマヤも俺に自分自身の事を話してくれた。

俺はマヤの事をこの仮想世界でも現実世界でも初めて心から信じられる唯一の親友だと思っている。

だから俺はマヤと再び会えた事がとても嬉しかった。


俺はマヤの顔を見ながら一ヶ月前にした約束を口にした。


「マヤ」


「…なんですか?」


「俺と…パーティーを組まないか?」


そう言った瞬間、マヤの顔にさっきまで以上の笑顔が生まれた。


「はい! 当たり前です‼︎」


「本当か! 本当にいいんだな?」


「はい! リュートとの約束ですから!」


「よっしゃー! それじゃーまた宜しくな!」


「はい! 宜しくです!」


俺とマヤは抱き合う体を離し、握手を交わすと互いに笑顔を作り、視界の横に広がる広大な景色を眺めた。

その先には丘の下に広がる第一の街の未だごったがえすプレイヤーの人々と街並み、その奥に見える沈みゆく大きな夕焼けが煌々と光り輝いていた。



ああ、こんな世界に俺は生まれたかった…



そう考えたその時、いきなり空が真っ暗闇になった。


今回はありがとうございます!

次回は来週に投稿します!是非読んで頂けたら幸いです!さらに宜しければブクマの方のお願いします(*^_^*)

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