クエスト遂行・山脈迷宮
今回は説明とお話しメインです!
28 クエスト遂行・山脈迷宮
「燃え尽きろ!《ファイヤーボール》!」
俺の手の平から放たれた炎の球は目の前の食虫植物型魔物、ヒトトリグサに命中、勢いよく燃え尽き、灰になった。
今俺たちがいるのは四階層、多色鉱山と呼ばれる山脈の入り口付近。
ライトヒル城塞王国を南に歩くこと2時間の所にあるこの山脈は、ゴツゴツとした岩肌が目立つ立派な山々で、頂上にはワイバーンが生息しているとされる場所なのだ。
そして、この山脈で現れる魔物はワイバーンだけではない。
今、目の前で倒した食虫植物型の魔物、ヒトトリグサを初めとする食虫魔物からスライムなどのゲル状モンスター、ゾンビや非実態の存在、エルダーリッチなどの負を司る魔物など様々な魔物が山脈内には潜んでいるのだ。
とそんな説明をしていると、今度は岩陰からスライムが飛び出してきた。
スライムは触れた物をゆっくりと溶かしていく特性を持っており、レベルの低い剣、つまり弱い剣などでは太刀打ちができず、更には魔法耐性も備えているため一部の魔法以外は効果がほとんどないのだ。その結果、初期装備の時は意外と厄介な魔物なのだ。
まぁ、俺には近距離、遠距離両方の攻撃ができる愛剣ルシフェルもあるし、スライムの弱点である魔法も使えるから大した敵ではない。それにマヤは凄まじい剣撃による、飛ぶ斬撃を扱うことも出来るし、ミドリも風魔法を応用して複数の斬撃を扱うことが出来るため、俺達にとっては敵と呼べる程の相手ではないのだ。
「マヤ! ミドリ! 俺の魔法の後に斬撃を!」
「わかりました!」
「はい! リュートさん!」
二人は返事をすると横に避け、剣を構えた。
俺は二人が避けると同時に魔法を発動させた。
「凍り付け! 《アイスストーン》!」
俺がそう叫ぶと同時に、前に突き出していた手の平から氷の礫が放たれた。
氷の礫をその身に受けたスライムは一瞬で全身を凍らせ動かなくなった。
と、同時に左右から二人の斬撃を受けたスライムはパキン! と言う音を立てながら崩れ去った。
「二人共ナイスタイミング! 俺はこのまま坑道に入ってもいいけど、二人はどうしたい? 少し休むか?」
俺は剣を収める二人に聞いた。
「私は大丈夫ですよ」
「はい、私もマヤさんと一緒で大丈夫です」
「オッケー。なら、このまま進もう」
俺は二人の答えを聞くと、目の前にある縦三メートル、横二メートル程のポッカリと開いた穴へと踏み込んだ。
ーーー
坑道内部の通路には数メートルずつ、カンテラが設置してあるため光源はあまり困らない。
困らないで思い出したが、この坑道内で困ることは無数に広がる、枝分かれした道だろう。
四方八方には穴が開いており、その先には曲がり続ける道や、魔物がひしめく魔物部屋、宝部屋もあれば罠がある部屋など予想もつかない程、沢山の道が存在するのだ。
そんな数多の枝分かれをした道を持ち、何処までも広がるこの坑道のことをβテスター達は山脈迷宮と呼んだ。
光源には困らないが、俺は初級光魔法、《ライト》を発動させた。
発動と同時に合計五個の光の玉が宙に浮き、俺の周りを回っている。
その行為を見てミドリが俺に質問してきた。
「リュートさん! どうして《ライト》を使ったのか教えて下さい! 」
どうやらミドリの中で俺は師匠としての位置付けが決まってしまったらしい。
何だが肩が重いのは気のせいだろうか……
俺はそんな事を考えながら答えた。
「これはカンテラとカンテラの間にある暗いところや、影になってる所を照らすための光なんだ。そして……」
と、そこまで言った瞬間マヤが割り込んできた。
「そして影に潜んでいる魔物を見つけたり、奇襲を防いだりするんです!」
ベシ!
「あ痛」
俺はマヤの頭に手刀を落とす。
「俺の説明中に割り込むんじゃない。まぁ、そんな感じでマヤが言った通り敵の奇襲を防ぐ事が出来るんだ」
「そうなんですか! 教えてもらってありがとうございます!」
「うん、これくらいなら大丈夫。それじゃー先を急ごう。全員警戒を怠らないように」
まぁ三人だけだがな……
「あたり前です!」
「はい!」
こうして俺達三人の戦いは始まった。
まさかこの後、あんな事が起きるなんて……この時はまだ誰も思いもしていなかった。
ーーー
「それにしても敵の数が少なくないか?」
俺がそう口にするとミドリが聞いてきた。
「そうなんですか? リュートさん?」
「ああ、ゲームの時はそこら中に沸いていたんだ……何か悪い予感がするな」
「早く終わらせて帰りましょう」
「そうだな。さっさと終わらせよう」
俺達はそのまま通路を歩いて行った。
数分後、通路がいきなり広くなった。その大きさは先ほどの倍はあるだろう。しかも、さっきまで通路は土で出来ていたのに対して、この巨大な通路は床も天井も全て、黒曜石で覆われていた。
光源は、カンテラから松明に変わっていた。
余りの変化に俺達三人は通路の変化部分で立ち尽くしてしまった。
「マヤ……俺はこんな通路を見たことも聞いたこともないがお前はあるか?」
「いいえ、なかったです……そもそもこの通路は本当にゲームの時から存在したのですか?」
「どう言うことだ?」
「つまり、この世界が出来た時に配置された、私達の知らないダンジョンだと言うことです」
「「‼︎」」
このマヤの考えに俺とミドリは息を飲んだ。
「ならこの通路は……」
俺はマヤにそう問いかけるとマヤは答えた。
「今だ未知の場所……」
俺達三人は何処までも続いていく闇を見ながら、足を動かす事が出来なかった。
今回は割と話しが多くなってしまいました。
次回は皆さんも楽しみ、楽しみのはず、楽しみにしていて欲しい‼︎ 戦いを入れていくので、是非読んで頂けるとありがたいです!
ブクマお願いします^_^
それでは! 今回も呼んで頂きありがとうございました!




