ザルド視点
今回はリュートではなくザルド視点で書いて見ました!
19 ザルド視点
俺の名前はザルド、一矢団結のリーダーをしている。今からの話は俺達がリュートに助けられるまでの話をしようと思う。
それが起きたのは一時間程前のことだった。
俺たちは第二の街を出てからカルガルドさんの指示に従いながら第三の街に向かっていた。
今日でリュートが姿を消して二日がたった。俺の斜め後ろで馬に乗っているマヤはピリピリしているが、一緒にボス攻略をする鷹の爪のメンバーには皆、影が入っていた。
リュートは短期間で知り合いを作りすぎたな…
一体どこに行ったんだ……リュート…
そんな事を考えていると突如、後ろから人間のものではない叫び声が響いてきた。
「何だ!」
俺はそう叫びながら顔を後ろに向けると後ろを守らせていた副リーダーの晴之が馬で馬車を避けながら俺の横にきた。
俺は状況を晴之に聞いた。
「晴之! 後ろで何があった!」
「蛇だ。それも巨大な」
「蛇? まさかこの草原の主か?」
「多分……二十メートルは超えている」
「二十メートルを越す⁉︎ デカすぎだろ? 対処は出来ないのか?」
「無理だな。出来て牽制、悪くて奴の胃袋……逃げるしかない」
「チッ! マヤでも対処は無理なのか?」
「ああ、あとレベルが五上がれば勝てたらしい」
「晴之の能力ならどうだ?」
「無理だな。俺自身もレベルが低いから大した奴は召喚出来ない」
「クソ……ないものを考えてもどうにもならないな……分かった! 俺はカルガルドさんにこの事を話して先導してもらう! お前はできる限り蛇野郎の気を紛らわせてくれ! 」
「了解した」
そう言うと晴之は後ろに下がっていった。
俺は隣にいる元βテスターの女に後ろを見てくる事を伝えるとカルガルドの元にいった。
ーーー
「何? この草原の主が出たじゃと? それは大変じゃ。どうするつもりなんじゃ? 」
「一応、倒すことは被害の拡大に繋がる可能性があるのでこのまま逃げます。私は後ろを見てきたいので先導を頼みたいのですが、いいですか?」
「了解した。ならわしは予備の馬で先頭を走って軽く指示を出せばいいのじゃな?」
「はい」
「ではいってくるか」
そう言うとカル爺は鉄剣を腰にさし馬に飛び乗ると「はっ!」と、声をあげながら勢いよく前に出ていった。
一体何者なんだ? あの人は…
そんな疑問を抱えながら俺は向きを変えると1番後ろの馬車へと向かって方向を変えた。
ーーーー
「なんてデカさだ……」
俺はそんな事を呟いてしまった。
そこには確かに今まで見たことのない大きさの蛇がうねうねと体をうねらせながら馬車の後ろをついてきていた。
「状況は?」
俺は横を走る晴之に聞いた。
「今のところ特に変わったことはないな。ずっと後ろをついてくるだけで特に何かをしてくることはない」
「何でだ?」
「さあな……このまま何もして来ないなら嬉しいんだがな」
晴之がそう口にした瞬間、蛇の体が一瞬だけ跳ねた。正確にはビクッ! って感じだ。
それと同時に蛇が顔を持ち上げると威嚇の鳴き声で鳴き出した。
「おいおい……そのまま大人しくしていてくれよ…!」
「そうもいかないみたいだな!」
晴之がそう言うと俺と晴之は左右に馬を動かした。
その瞬間、凄まじい勢いで蛇の首が突っ込んできた。
蛇が顔を上げた瞬間、俺は見逃さなかった。その勢いのあまり、地面がえぐれていたことを。
「おいおい…まじかよ!」
「あれは流石にやばいな…ザルド! 俺は魔術師達にファイヤーボールの準備をするように伝えてくる」
「分かった! なら俺はこのまま囮役をする!」
「分かった」
それだけ言うと晴之は少し前にいる魔術師が乗っている馬車へと馬を進めていった。
「俺は囮役か……こいよ蛇野郎! 鬼ごっこをしようぜ!」
そう叫ぶと俺は鉄剣を鞘から抜いた。
ーーーー
囮を続けること、三十分……馬の疲れが見えてきたため俺は魔術師の乗っている馬車へと馬を進めた。
「すまない! 馬が限界に来たみたいだから予備の馬と変えてくる! すぐ戻ってくるから何とか持ちこたえてくれ!」
そう叫ぶと中から元βテスターの現実でも昔からの知り合いが威勢良く返事を返して来た。
「任せとけ! こんな蛇野郎に負けてたまるかよ!」
そう言うと周りのプレイヤー達も声をあげて、「そうですよ! リーダー!」や「やってやる!」などと口ぐちに言ってきた。
俺は一度頷くとすぐに馬を走らせ先頭の馬車へと向かった。
そして、馬を変えている時に事は起こった。
蛇が炎の球を避け出したのだ。
「なっ!」
俺は目を見開くと同時に蛇は首を持ち上げた。
やばい!
そう思いながら俺が馬を変えた時にはすでに遅かった。
蛇は勢いよく首を前につき出したのだ。
「ペッパーーー‼︎‼︎」
俺は昔からのゲーム友達だった元βテスターの名前を叫んだ。
と次の瞬間、突如凄まじい水蒸気の壁が辺り一面を覆い尽くした。
「何だ⁉︎」
そう叫ぶと同時に俺はさらに変なものを見た。
それは黒髮の青年と金髪の少女が空を飛んでいる姿だった。
俺はその二人の内の一人、黒髮の青年を見た瞬間、
「リュート⁉︎」
と叫んだ。だが、その黒髮の青年は凄い勢いで全ての馬車をぬいていくとさらに五十メートル程先で着地した。
俺は再び蛇に視線を向けた。
蛇は突然現れた水蒸気の壁に驚いたのかのたうち回っている。
俺はすぐに馬を走らせ先頭に出ると、全ての馬車に止まるように指示を出し、カルガルドさんの横を通りすぎると誰よりも早くリュートの場所に向かった。
と思ったら俺の横には凄い形相のマヤもいた。
えーと……カル爺何者? 一体どんな人生を送ってきたのか自分でも想像がつきません…
次回は話をちゃんと進めるので何卒よろしくお願いします!




