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森を抜けて

どういう訳か文の最初の空白が消えてしまいます! 読みずらいかもしれませんがお許し下さい!

18 森を抜けて



夜、満天の星空の中パチパチと音を立てる焚き火の音と共に一人の少女の声が響きわたった。


「ごめんなさい‼︎」


アリサは焚き火越しに猿の肉を焼く俺に頭を下げてきた。


あの後、俺と猿とのやりとり以来、ずっとこうなのだ。

正直、勘弁してほしい。俺は気にしてないと言うのだが、それでも頭を下げてくるのだ。

そもそも、あれは俺が前に出ずにアリサだけを後ろに引っ張る事さえ出来れば追わずに済んだ傷なのだ。

だから、俺にも落ち度があったと何度も言うのにアリサはそれを聞いてくれないのだ。


俺はため息を吐くと、枝に刺して焼いていた肉をアリサに渡した。


「アリサ……肉焼けたぞ。ほら、そんな顔をするなよ……俺なら大丈夫! これくらい大したことないさ」


「でも! 私のせいで…リュートの目が…」


そう、俺が怪我をしたのは左目なのだ。

何とか致命傷は免れたがその分、目を失ってしまった。何とか猿を倒した後に《ヒール》を使って目を治そうとしたが、流石に初級魔法では目は治らなかった。

傷は治ったが目を開くことができなかったのだ。


剣士にとって目は結構重要なのだ。それをアリサは知ってるからこそ、こんなに謝ってきている。

俺は肉を受け取ったアリサの肩に左手を置くと言った。


「アリサ……俺はお前に三つ借りがある。一つ目は倒れていた俺を見つけて、家まで運んでくれたこと……二つ目はそんな俺の看病をしてくれたこと……そして三つ目は俺に飯を作ってくれたことだ。俺が言ってる意味がわかるか?」


そう言うとアリスは目に涙を浮かべた顔をこっちに向けると、小さく頷いた。


「よし、話を戻すぞ? そんな借りを俺は今日一日で全部返した。一つ目は道案内をすること……二つ目はあの巨大穴を越えるためにアリサを運んだこと……そして三つ目はアリサを守ったことだ」


「でも私はあなたに傷を負わせてしまったわ!」


「確かに俺は傷を負った……でももしアリサが俺を運んでいた時に魔物と遭遇したら勝てたのか? もしかしたら不意打ちを食らって死んでたかもしれないぞ? そう考えたら中級魔法で治るこの程度、大した傷じゃない」


アリサは俺の言葉に図星を突かれたのか顔をうつむける。


「いいか、アリサ? 俺はこの傷を負ってよかったと思っている」


「……どうして?」


「やっと違う言葉を言ったな。どうしてか……アリサ、俺が怪我をする前に言った事を覚えているか?」


「……戦いの中で目を閉じるのは自殺行為…」


「そうだ! 俺はそれをアリサに教えることが出来ただけでもよかったと思ってるんだ。今日アリサはそれを身をもって体験したな?」


「…うん」


「アリサは目を閉じたけどその時何て思った?」


「…死にたくないって思った」


「うん……それは最もな考えだ。けど、死にたくないと言いながら何もせずに死ぬのと死ぬかもしれないと思いながらも諦めずに方法を考え続ける……俺はアリサには後の考えができると思う。だから、アリサ……明日からはしっかり周りを見て警戒しろ。そして、自分が死ぬかもしれない瞬間が来ても諦めるな。そうすれば必ず思いは届くんだ。いいな? これは俺とお前の約束だ」


そう言うと俺は両手でアリサの右手を包むとアリサの手の甲にキスをした。


アリサの手が急に暖かくなったことから顔を真っ赤にしてるんだろうなと思いながら手を離す。


「それじゃー明日からは前衛任せたぞ! お前がしっかりしないと俺が傷だらけになっちまうからな……それじゃーお休み」


そう言った俺はアリサから離れると火を隔てて反対側で横になった。


アリサなら明日には元に戻ってるはずだ……


そう心の中で言ういながら俺は寝たのだった。



ーーーー


翌日


今日で二日目、アリサはいつものように元どおりに戻りーーいや、むしろ元気になったーーそんなアリサは朝から俺の前を警戒しながら歩いている。


俺的にはとても嬉しいことだが、もっと嬉しいことがあった。それは二時間前にもらったこの左目につけている眼帯である。


まぁ眼帯といってもただの布だが…


朝起きたらアリサが俺にくれたのだ。俺は人から物を貰ったのは初めての経験だったため、とても嬉しかったのだ。


話は変わるが俺が森に入ってもう三日がたった。マヤ達は第二の街から第三の街まで一日と少しでつけるから、一日を俺の捜索に当てたとしても次の日に街を出たと考えると今日の昼には第三の街につくはず。

仮に俺が死んだと思われているなら最低でも、明日の昼までに俺とアリサは第三の街につかなくてはならない。

昼まであと二時間……幸い森はあと三時間も歩けば抜けれるはずである。

そして、次に俺とアリサを待っている壁を越えることが出来れば明日のボス攻略までには間に合うはずだ。

俺はそう考えながらアリサに道を教えながら先を急いだ。





「やっと抜けれたー!」


「ああ、でもここからが正念場だぞ?」


「どうして?」


「前をちゃんと見ろ」


俺とアリサの目の前にはたくさんの丘が連なり続ける草原が姿を現した。

通称「スネークヒル」数多の巨大な蛇が生息しているこの丘が連なる草原のことをβテスター達はそう読んだ。

そのことをアリサに説明するとアリサは真っ青な顔をしながら「私…蛇はちょっと…」みたいなをしていた。


「まぁそんな顔をしなくても大丈夫だぞ? 魔力も回復したし、飛行魔法を使うから」


「え、飛行魔法使うの?」


「アリサ……声のトーンは心配してくれてるように聞こえているのに顔に全部出てるぞ…」


「え?」


「わくわく! また空を飛べるんだ! ってな」


「うっ! ごめん…」


「はは、それでこそアリサだよ。心配するな、距離的に全部は無理だから半分くらいまでしか飛ばない。あとちょっとは残しとかないと蛇と遭遇した時にアリサだけだと心配だからな」


「何? 私が信用できないの⁉︎」


「さっき蛇が苦手って、顔に出てたぞ…」


「ギクッ!」


「ギクッ! じゃねーよ。ほら、行くぞ」


俺はアリサの手をとると飛行魔法を発動させ、空を飛んだ。



ーーー


「アリサ……あれってちょっとまずくないか?」


「え? 何が?」


「あれだよ……」


そうして俺が指をさした方向には四台の馬車とそれを囲むように八匹の馬に乗っている剣士、そしてその後ろを追いかける超巨大蛇だった。


蛇の大きさは全長二十五メートルくらい。大きさは顔の部分が軽トラくらいあって、それが後ろに行くにつれて小さくなっていくイメージである。


あ、首持ち上げた。


そう思った瞬間、凄まじい勢いで一つの馬車に向かって首を突き出した。


「お、意外に速いな」


そんな感想を言ういながら俺は馬車に目を向ける。

馬車の中にいたのは魔術師らしく《ファイヤーボール》を複数放つことで攻撃を防いでいた。


「あー、あれはちょっと長くは持たないな」


「どうして?」


「ん? ああ、あの蛇は学習能力を持ってるんだ。だから、出来ることなら倒すつもりでやらないと無駄に強くしてしまうんだ」


「助けないでいいの?」


「助けるさ、今からな!」


そう言った俺は一気に高度を下げる。


「キャーーーー‼︎」


横から凄い悲鳴が聞こえるが今は状況が状況だ。無視させてもらう。

再び蛇が首を持ち上げた。馬車からは魔術師が《ファイヤーボール》を放っているが蛇はそれを器用に避けている。

俺は急降下しながら片手に初級氷魔法で作ったアイスボールを形成すると魔術師が放った《ファイヤーボール》めがけて《アイスボール》を放った。

《アイスボール》と《ファイヤーボール》がぶつかることによって辺り一面に凄まじい水蒸気の壁が出来上がった。

いきなり現れた水蒸気の壁に蛇は驚きのたうち回っている。

馬車の中にいた魔術師達も驚愕に両目を見開いている。

俺はそのまま霧を飛び越え、全ての馬車より五十メートル程先に行くと地面に降り立った。


リュート……本当に引きこもりなのか? いきなり女性の手にキスをするなんて! 自分で書きながら矛盾してるなと思いました…


色々イベント入れたりしたら凄いことになったので省略して森を何とか抜けれました!

次回は第3の街に行きます!

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