狩り
狩りするのに何話かかるのでしょうね?
12 狩り
目的地の東の森についた。見た目は普通のどこにでもある森だが、広さはこの一階層では一番広く、その広さからか森の守り主、なんて言うちょっとしたボスも配置されている。
見た目は超巨大なイノシシ、バアルの進化系で大きさは五メートルくらい。ツノを二本頭に生やし、牙は左右三本ずつの計六本持つ。しかもイノシシの体は鉄のように硬い皮が覆ってあり、攻撃は通りづらくまた初級ではあるが魔法も複数使ってくる、へたをしたらボスより厄介な守り主なのだ。
え? なぜそんな知っているのか? 戦ったからですよ。
え? 勝ったか? 負けましたよ。そう、それはもうズタボロになるくらい負けましたよ!
心の中で嫌な記憶を思い出しながらも軽くみんなに合図すると俺と鷹の爪のメンバーは森の中に入っていった。
森の中に入って数分、すぐに魔物が現れた。それは俺が初めて戦った相手、バアルだった。あの時はLv一だったが今回のLvは三。低いように見えるが今の鷹の爪のチームからしたら強い部類に入るだろう。
なんせ鷹の爪のチーム全員のレベルは二なのだから。
ーー俺はあの巨大アリとイノシシを倒したことからレベル六になったためイノシシ程度なら楽勝で勝てるーー
バアルに気づいた鷹の爪のメンバーの顔に緊張が走る。
そんな今から戦おうとしているメンバーに一応声をかけた。
「一応、今からの戦いはいつも通り戦ってくれたらいい。俺はみんながどう戦うかとかを見るから、気にせず戦ってくれ! あ、あともし危なそうだったら助けに行くから、それじゃー始めようか?」
「「「「はい!」」」」
そう威勢の良い声を出した全員はそのままバアルめがけて走っていった。
「大丈夫だろうか…」
そんな事を考えながらも俺は魔法を発動させた。
ーその魔法もこの世界の物ではなく今までやってきた数多のゲームの中の魔法の一つ。
自身の跳躍力を自由自在に上げるだけの魔法だが使い勝手いい分、今まで沢山のゲームで使ってきたー
それの発動を確認すると俺はやはりと心の中で思った。巨大アリを倒した時と今、この二回の魔法が成功したと言うことは今までしてきた数多のゲームの魔法がこの世界でも使えると言う事になる。
それがどうして使えるのか、はたまた使えるのは俺だけなのか、それともこの世界に来た全プレイヤーなのか、頭の隅でそんな事を考えながらも俺は戦闘が行われるであろう場所に立っている木の枝に向かってジャンプした。
木の上から下を眺める。
思った通りバアルの姿も四人の姿も見える。
よしよしと思いながら俺は木の上から戦闘が始まるのを待っていた。
戦闘の合図はカイが投擲したナイフの音だった。
空気を切り裂く音と共にバアルの体にナイフが当たるがナイフは特にダメージを与えることもできずに地面に落ちた。
攻撃された事に気付いたバアルはナイフが飛んできた方向に体を向けると鳴き声をあげながら突進を始めた。
バアルの先にいるのはカイ。だが、その周りには他の三人の姿がない。
どこにいった?
そう考えている間にもバアルとカイの間はみるみる縮まっていき、残り数メートルと言った所でカールとユイが横の草むらから突如現れた。
カールは自身の拳を、ユイはショートソードをバアルに左右から突きつけた。
カールは武闘家なので炎を扱うのに慣れているらしく、現に攻撃方法は自身の拳に炎をまとわせて殴ると言うとてもシンプルなものだった。
ユイはショートソードの使い手であり、攻撃方法は剣に氷を宿し、それで突くと言うこちらもなんともシンプルな攻撃方法だった。
だが、ダメージは入ったらしく突然の左右からの攻撃に突進するしかほぼ攻撃方法がないバアルは防ぐ事もできずにもろに食らった。
左右からの攻撃を受けたバアルは再び鳴き声をあげるとブルブルと体を震わせ威嚇行動をとった。
その姿を見たカイは大声で全員に指示を出した。
「攻撃方法が変わるぞ! 全員防御体制! ミドリ! 任せた!」
「分かった!」
するとカイが防御の構えを取ると同時に後ろで長剣を抜き構えるミドリの姿があった。
その長剣の刀身を緑色オーラのようなものが覆った。
防御体制をとっていないただ一人のミドリを見つけたバアルは再び鳴き声をあげながら突進するが前に立つカイがそれを邪魔した。
「させない!」
カイは自身の持っているナイフ一本と背中側の腰にさしてあるショートソードでばってんの型を作るとその突進を防いだ。
ふご⁉︎
と、驚いた声をあげるバアルを無視してすぐにばってんを解いたカイはすぐに横に飛び退いた。するとそれと同時に後ろで長剣を構えていたミドリが動いた。
「はあぁぁぁぁぁあ!」
気合いと共に振られた長剣は風の魔法を刀身に宿らせたまま信じられないスピードで降ろされた。
なるほど! 秘奥義 ウィンド・カッターを使うんじゃなくて、それをあえて溜めることで自分に足りない筋力を補ったのか、考えたな!
そう心の中でなるほど…と考えているとバアルと長剣がぶつかった。
凄まじい勢いで振り下ろされた剣は見事にバアルの脳天にヒットーーしなかった。
その速さは予想以上であり、使用者のミドリですら完全に制御はできなかったらしく、剣は軌道を変え、バアルの片目を切り裂くだけで終わった。
だが、バアルはスピードを止めることなくミドリへと接近、衝突した。
「きゃあ!」
あまりの衝突にダメージを負ったミドリはそのまま後ろに飛んだ。
「ミドリ!」
「ミドリさん!」
「ミーちゃん!」
全員が名前を叫ぶ。
ミドリはそのまま地面でごろごろと三回転がると止まった。なんとか動けるみたいだがどうやら何処かの骨を折った&ダメージが大きかったらしく立てずにいた。
ミドリはそのまま剣を地面に突き立てると立ち上がろうとするが、それをさせないように再びバアルが突進に移った。
チームの全員は避けろと叫んでいるが流石に無理があるだろ…と 心の中でいうと俺は一言。
「助けるか」
そう言うと俺は木から身を投げ出しバアルとミドリの間に立った。
いきなり現れた俺の姿を見た全員が俺の名前を叫んだ。
「「「リュート様!」」」
「リュート…さん…?」
後ろにいるミドリも俺の名前を言った。
俺は鞘から剣を抜きながら全員に伝えた。
「全員後で説教だ! 後…俺の名前に……!」
そう言うと俺は目の前にきたバアルに向かって剣を一振りした。
俺の剣、ルシフェルをもろに受けたバアルは次こそ脳天から綺麗に一刀両断された。
全員がキラキラとした目を俺に向けてくる。
ドサ、と言うバアルの体が地面に倒れる音と共に剣を一振りし血を落とすと俺は全員に聞こえる声で言った。
「様はつけるな!」
「「「はい!」」」
三人の良い返事を聞いた俺はすぐに後ろを向くと倒れかけていたミドリに腕を貸した。
「大丈夫か?」
「はい……リュートさんが助けてくれましたから…」
ミドリが俺の腕に倒れこんだのを見た全員はすぐにミドリの周りに集まってきた。
「みんな……ごめん……倒せなかった…」
そう言うとカイがすぐに口を開いた。
「いいや! ミドリは悪くなんかない! 僕があんな無茶な指示を出したのが悪かったんだ!本当にすまない!」
頭を下げるカイにミドリは
「次はがんばろ!」と言うと目を閉じた。
全員がミドリの名前を叫んだがすぐに俺が回復魔法を使う姿を見た瞬間、安堵の息を漏らした。
俺は回復魔法をかけ終わり自身が来ていた安い茶色のマントを地面に敷くとその上にミドリを寝かせ下に来ていた紺色のコートをそのまま上にかぶせた。
こんな時ではあるが今の俺の服装は軽装鎧を売り、そのお金で買った皮の胸当てと紺色のコート、後、帽子付きのマントを順番に来た姿である。
つまり、今俺は全身をぴっちりと覆う黒色の服(サ◯ヤ人が戦闘服の下に来ているようなやつ)と皮の胸当て、あと腰に下げた皮の鞘に入ってあるルシフェルだけなのだ。
俺は全員にここで一時間ほどの休憩を取ることを伝えると説教(アドバイスと注意)を全員に伝えた。
みんな素直に聞いてくれ、反省の色も伺えたので次からはこのような事は起きないだろうと思った俺は頷くと笑顔を作り休憩をとった。
一時間後ミドリが目を覚ました。
そのあとはさっきと同じでみんなにも伝えたことをミドリにも伝えると同時に剣の振り方も教え、再び狩りを開始した。
結果、全員のレベルは四、俺のレベルは七まで上がり、暗くなる前に村に帰った。
村の門ではマヤとザルドが心配そうに待っていた。
俺たちが戻って来たのを見た瞬間、マヤとザルドは走って俺たちの元まで来た。
この時、身長も見た目もザルドの方が全然上なのにマヤと二十メートルも差をつけられている姿はとても可哀想に見えたのは内緒の話だ。
マヤはそのまま走りこんでくるように俺に抱き付いて来たので一応抱きしめてやった。
ミドリは目を開きながら怒っていたが、それ以外のみんなは唖然としていた。後からきたザルドは俺と少しだけ会話をした後に報酬の銀貨三枚をくれた。
その後ザルドは、チーム鷹の爪のメンバーと話しながら俺達は村へと帰ったのだった。
俺は借りている部屋に戻った瞬間、ベットにダイブするとマヤとも今日の話をするのも忘れ俺はすぐに眠ってしまった。
今回はありがとうございます!
そして何とか3000PVを超える事が出来ました!これも一重に皆様のおかげです!
これからも書き続けるので是非ブクマと評価お願いします!
あっ、あと文中の最初に話数と題名いれるようにしました!




