小さな出来事
戦いに入ろうと思ったらまだはいれませんでした!次でこの3日目は終わらせる様に頑張ります!
11話 小さな出来事
そして今日
いつもは物静かな村の門の前にも今日はひときわ目立つたくさんの人だかりが出来ている。
今の時間は朝九時四十分。俺は門の前でギルド 一矢団結のメンバーの一部分と話をしながら待っていた。
大分話すのにもなれた俺は元βテスター以外のプレイヤーとも話をするようになっていた。
今日は昨日話していた森で狩りをする為にこの村にいるほぼ全てのプレイヤーが集まっているのだ。
俺もその一人としてこの集まりに参加している。今俺が話しているのが今日一日担当し、独自でこれに参加してきたチーム 鷹の爪のメンバー。
今話をしている銀髪のまったりイケメンがこのチームのリーダー、カイ、その横に立っている別の女の子と話をしているピンク色の髪を軽くカールさせたお嬢様系美女がユイ、そしてその横でユイと話をしているのが緑色の髪に目鼻がハッキリとしたスレイダー美女のミドリ、そしてその三人の後ろに立っている巨体の持ち主で気の優しそうな顔の持ち主がカール、以上の四人が今日俺が担当する事になった四人の紹介だ。
と、そんな事を言っていると一矢団結のリーダー ザルドが話を始めた。
「今日は集まってくれて感謝する! 俺の名前はザルド、この一矢団結のリーダーをやっている。今日は一日、俺たち元βテスターが戦い方を教える! 全員がこのユグドラシルの最上階層、六十層に行けるよう! そして、ここにいるメンバーの全員が生き残るためにも! 今日は1日頑張っていこう! それじゃー全員、打ち合わせ通りチームに分かれてくれ! 後はチームのリーダーと担当する人間が話し合ってどこに狩りにいくか決めてくれ! 以上だ! 行動を開始してくれ」
一応簡単にこのユグドラシルと言う世界を説明しておく。このユグドラシルと言う世界の作りは今俺たちが立っているこの空間こそがユグドラシルと言う巨大樹の中なのだ。そして、この様な空間は上へ上へと続き全六十階層に分かれている。そして次の階層に行くにはそのフロアのボスを倒して行かなくてはならない。とまあ簡単に説明したらこんな感じだ。
俺はβテスターの時に二十階まではクリアしている。
話を戻そう。
ザルドが話を終えると同時にその場にいたプレイヤー達はどこにいくなどあそこがいいなどと話をしながら歩き出した。
俺とカイはすでに話を終えていたため全員に軽くどこにいくか説明すると移動を開始した。
俺たちは村を出ると東側にある森めがけて歩き出した。たわいもない話をしながら草原を歩いているとユイが俺に話を振ってきた。
「リュートさんはあの伝説の人と同じ名前ですが何か関係でもあるんですか?」
あの伝説の人? 俺と同じ名前の神様なんていたか?
そう考えながらも一様答えた。
「伝説の人が誰かは知らないけど昔からこの名前でゲームとかはしてたよ?」
そう答えた瞬間、鷹の爪のチームが全員動きを止めた。
「え、どうかした?」
え、俺なんか地雷踏んだ? 今のどこに地雷があった⁈
そんな考えを浮かべていると今度はカイが質問してきた。
「もしかして、BBOとかSOMとかGAOとかのVRMMOのゲームやってましたか!」
なぜか興奮気味に言うカイ。そして俺の周りに集まるメンバーの全員。
「え、あ、うん。やってたけど?」
「だったらBBOの第三回連続ワールド・チャンピオンは!」
俺はその質問を聞いた瞬間、少しだけ嫌な事が起こる気がしながら小さな声で答えた。
「……俺…だけど…?」
その言葉を聞いた瞬間、全員の目の色が変わった。そして、いきなり俺の目の前で整列すると頭を下げてきた。
「「「「すいませんでした!」」」」
「え」
俺謝られる事されたか? そもそもなんでそんな格好してるの?
そんな事を考えているとカイが頭を下げたまま答えてくれた。
「まさか、あなたがあのネット世界で知らない者がいないとされる伝説のリュート様だったとは! 申し訳ありませんでした!」
……ネット? 俺なんかしたか? 確かに今までやってきたゲームでは一人でボス攻略とか最強を目指して頑張ってたけど俺以外にもそんな奴らはゴロゴロいたよな?何で伝説なんて呼ばれてるんだ?
「あの〜 頭をあげてもらっていいかな?」
そう言うと全員がバッ! と頭だけをあげる。
「あー、ごめん、普通にしていいよ。あとなんで俺が伝説なんだ? 俺以外にも沢山のソロプレイヤーはいただろ?」
そう聞くと全員が一斉に答えた。
「ワールド・チャンピオン!」カイ
「ソロでボス攻略!」ユイ
「人助け!」ミドリ
「強さ!」カール
「うん、一人ずつ言うおうか?」
そうやって一人ずつ聞いた結果、俺が今までゲームの世界でやってきた事を全て間違いなく言っていったのだ。
強いていうえばワールド・チャンピオン。
さまざまな職業の様々な人々が、ある一つの場所に集まり戦う…まさにチャンピオンを決める戦いのこと。その戦いで勝ち残る事が出来た三人のプレイヤーの事をワールド・チャンピオンと言う。
俺は確かにその戦いで三回連続出場し、優勝している。
強いて言うえば、ボス攻略。
様々なゲームでソロで活動していた俺は数多のボスを1人で倒していった。
強いていうえば、人助け。
沢山のボス攻略の中で俺はやられかけていた沢山のプレイヤーを助けたり、道に迷っているプレイヤーを助けたり、初めてのプレイヤーに親切に教えてあげたりした。
強いていうえば、強さ。
あまりのゲームのしすぎで自分自身でさえ気づかないほどの強さを身につけていたこと。
そんな理由をチーム 鷹の爪の全員は俺に話してくれた。話を聞きながらほんとに俺か? なんて疑いたくなるような事も無意識にしていた所がまさに俺らしい。
そんな自分の恥ずかしい過去を聞き終わると俺は普通に四人を避けて目的地に向かって歩き出した。
その姿を見た全員はドタバタと焦りながら再び俺の前に整列した。
「ハァー…ごめん、歩きたいんだけど?」
「あっ! すいません!」
そう言うと四人はすぐに退いてくれた。俺はその間を通り抜けるとそのまま少しだけ歩いてから後ろからついてくる気配がない事に気づくと後ろを振り返った。
すると下を見る四人の姿があった。
え? なんで落ち込んでんの?
そんな事を考えると俺は声をかけた。
「えーと…何でついてこないの?」
すると全員が再びバッ! と顔を上げるとカイが小さな声で言ってきた。
「嫌われたと思いまして……」
「え? なんで俺がみんなのこと嫌うの?」
「それは……自分達がリュート様の機嫌を損ねてしまったと思いまして…」
その言葉を聞いた俺は一瞬のうちにさっきの場面を思い出した。
熱く俺の事を話してくれた四人の事を俺は半分無視しながら横切っていった。
当然驚いた四人はすぐに俺の元に駆けつけたがそこで俺が放った言葉は
「ハァー…ごめん、歩きたいんだけど?」
確かに尊敬している人からそう言うわれたら傷つくな。うん。完全に俺が悪い…
そう心の中で反省した俺は落ち込んでいる四人に意を決して言葉をかけた。
「いや、今のは俺が悪かったな…ごめん! 許してくれ! そんなつもりで言ったんじゃないんだ。俺はその……時間が勿体無いと思ったんだ……いや! みんなの話が無駄だったとかそうじゃなくてその話は歩きながらでも出来るし、こうしている間にも時間は減ってる訳だし、ちょっとでもその…時間を節約してみんなを強くしたいとか、ほら! 時間は有限って言うし……だから…ついてきてくれたら嬉しいんだけど」
そんな事を言ういながら声が小さくなっていく俺。
何だか昔みたいだな……俺は昔からそうやって言い訳を言っていたな…
そんな自分の情けない気持ちが顔に出ていたのだろう。
四人は顔を見合わせると笑い出した。
きょとんとしている俺にみんなが言ってくれた。
「ははは! リュートさんって案外普通の人なんですね!」
「うん! 私もおんなじこと思った!」
「以外にもほどがあるな」
「リュートさんって打たれ弱いんですね!」
「えーと…みんな?」
「はい! 安心して下さい! ついていきます!」
「そうそう! 時間は有限! もっともの話だよね!」
「確かに自分のことは自分が一番知ってるよね!」
「歩きながら話した方がいいな」
みんながみんな俺を励まそうとしているのがヒシヒシと感じ取れる。
本当ならここは 俺が慰めるつもりが…なんて言ういたいところだが何故か俺の心は温まっていった。
「そうだな……よし! みんな目的地まであとちょっとだ!俺についてきてくれ!」
「はい!どこまでもついていきます!」
カイの言葉に俺は「ずっとはちょっと…」なんて言ういながらみんなと笑いながら目的地まで歩いていった。
魔物と戦う前に少しだけ起きたちっちゃな友情劇があったが、そのあとは何の問題なく目的地の森まで行くことが出来た。
今回も読んでいただきありがとうございます!
沢山の人から感想をもらってもう毎日が感謝感激涙の日々です!
これからは誤字をなくして行くように頑張ります!これからもよろしくお願いします!




