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第66話 二人目

「じゃあ本当にE組はメイド喫茶をやるんですね?」


「はい。陽向くんがどうしても私たちのメイド服姿を見たいと言いましたので」


「全くようたったら言ってくだされば着ましたのに」


「そういや、関のメイド服姿は似合ってたな」


我らがE組がメイド喫茶をやると決まってから翌日、部室には全員が揃っていた。


話題はもちろん俺らのクラスについて。

なんか俺が懇願してメイド喫茶をやろうと頼み込んだという噂が流れているとかなんとか霧咲は言ってたな。智和のやつめ許さん!


「霧咲さんのクラスは何をやるんですか?」


「私たちのクラスはわたあ」


「綿アメ!?絶対に行きます!」


「なんか先生も同じ反応だった気が……予約件も買っていっちゃいましたし」


「予約券!?そんなものがあるんですか!?」


「本当は無いんですけど、どうしてもと言われちゃったので作りました」


「私も予約券買います!」


どんだけ綿アメ好きなんだよ桃。

つか、先生も綿アメ好きとか乙女な所あるんだな。


「かっしーは何をやるの?」


「さぁ?なにか作るんじゃない?起きたら決まってたし」


「話し合いには参加しろよ」


「どうせ瀬尾だってほとんど参加してないでしょ?」


「うっ……」


確かに全然俺は話し合いには参加しなかったな。

クラス内では俺の提案でメイド喫茶になったっていう解釈になってるけど、実際提案してるのは智和だし。

それに、メイド喫茶って決まってからの諸々決める話し合いでは、智和を中心にしてクラス全員で話してたけど俺は蚊帳の外だったなー。

全然悔しくなんかないんだからねっ!

意見はまじで何もなかったけど話し合いには参加したかったなーとか思ってないんだからっ!


「では、そろそろ私たち友人部の出し物も決めていきたいのですが」


ホワイトボードの前に桃が立ち、司会進行をする。

クラスの出し物は決まったはいいものの、肝心の友人部としての出し物が決まってない。

そろそろ決めないと、文化祭に間に合わなくなる可能性もある。


「質問いいですか?」


霧咲が挙手して発言を求める。

なんか真面目そうにしてる霧咲は珍しいな。


「どうぞ」


「その深夜さん&真昼さんのコンビはクラスの方にしか出ないんですか?」


「クラスにしか出ないぞ」


霧咲の質問に答えたのは先生だった。

ドアに背中を預ける感じで佇んでいる先生の姿はなんというかカッコイイし似合っている。

マジカッケー!


先生が来たことにより、友人部のフルメンバーが初めて揃った。


「そうなんですか?」


「あぁ。もともとあいつらは2人とも運動部だからな。だからクラスの方にしか出ない。部の方にも出てたら戦力が分散して良かったんだけどな」


「じゃあ部活動別では1番になる可能性がかなりあるんですねっ!」


「そういうことになるな」


そのなんちゃらコンビが部活動別に参加しないとなると、1番になる可能性は上がるのか。だったら俺は逆に部の方に力を注げばいいんだな。

どうせクラス別の方は智和がやってくれるだろうし。

部活動別で1番を取れば……へっへっへー。待っててねー俺の嫁たち!!すぐ行くからな!


「だからお前らは1番を取れ。そして副校長(ハゲ)に自慢させろ」


「先生と副校長の間に何があるんだよ……」


どんだけ副校長の事嫌いなんだよこの先生は。


「でもまだ何をやるか決まってないんですよね。先生何かいい案ありませんか?」


桃が先生に聞いてみる。

先生なら何かいい案を出してくれるかもな。


「なに?まだ決まってなかったのか。そうだな……」


先生は女子四人での顔をゆっくりと見渡したあと、最後に俺を見てニヤリと笑った。


何かは知らないが、俺の第六感が告げてる!

この先生ろくなこと考えてねぇ!


「キャバクラ……だな」


「は?」


「「「「え?」」」」


今なんといった?キャバクラって言わなかったかこの先生は。


「だからキャバクラだよ。キャバクラ。本物には似せなくていい。似た感じ程度で十分だ。こんなに美人が揃ってるんだ。来場数なんてそれだけで軽く稼げる」


「いや、でもキャバクラもどきはダメなんじゃないんすか?」


確かにキャバクラもどきなら稼げるのかもしれない。

本物には行ったことはないが、俺のイメージしてる感じだと美人なお姉さんにチヤホヤされる感じだし。3次元のお姉さんにチヤホヤされて何が楽しいのか俺には分かんないけど、男性客をターゲットにすればいけるかもしれない。

けど、学校でキャバクラもどきとは言えどキャバクラに似た感じのをやるのは……。


「大丈夫だ。手続きは私の方でやろう。女の子と楽しく話せる部屋とかの名前にすればいいだろう。だからお前らは気にせずやればいい。どうだ?やって見ないか?」


先生の提案に桃達4人は悩んでいた。

それぞれ思うところはあるだろう。

なんてたってまさかの提案だしな。


「キャバクラはちょっと……」


「陽向さんに触られたり、舐められてり、孕まされたりするのはいいんですけど……」


「ようた以外の男には」


「キャバクラ?」


それぞれの思いを口にする。

桃は嫌って感じで、霧咲は何を言ってるんだどツッコンでやりたい。

セラフィも嫌がってる感じで、柏木はまさかのキャバクラを知らない感じだ。


「心配するな。お触りはもちろんその他諸々も禁止にさせる。もしやられそうになっても陽向が居るから大丈夫だろ?」


「確かに、陽向くんが居るんなら大丈夫ですね」


「む?なんだあまり乗り気じゃないな。そうだな……。私の特権で4人には勝負してもらい売り上げ1位が売り上げの1部を使って陽向とデートできるっていうのはどうだ?」


いやいや先生。

それ俺になんの得もないんですけど!

俺得じゃ無いんですけど!!

つか、こいつらもそんなんで乗り気になるはずが……


「「「「やります!!」」」」


「は?」


「1番を目指します!」


「いや桃そこは1番を目指しましょう!だろ?」


「ホテル代が浮きますね!」


「何を言ってるのかなー?」


「私たちの戦いはここからだ!」


「それ最終回のやつだぞ!フラグ立ってるぞ!」


「ようた……」


「ん?」


「新婚旅行は……」


「デートですらねぇ!!」


なんか知らんけどコイツらがやる気あるんならいいか。楽して稼げるっぽいし。


「やる気になったな...これで部活動別1位は確実……チョッ〇ーのグッズを新たに……」


「どうかしましたか?」


「いやなんでもない。頑張れよ」


「まぁあいつらが頑張ってくれますよ」


「陽向、あいつらを守るために技の一つや二つ、ギアサードくらいは習得しとけよ?」


「?はぁ」


「もしかしたらテッカイを使えるやつが来るかも知れないから、覇気を使えるようにもしとけ」


「どんだけヤバイ奴が来るんですか」


つか、先生ワン〇ース好きなんですね。

まぁワン〇ースは万人受けするからな。



次の日。

クラスはざわめいていた。


「橘・シルク・ロードです。今日からよろしくおねがいします」


「というわけで二人目の転校生だ。たくあの副校長(ハゲ)め、何でもかんでも私に押し付けよって……」


見るからに外人の血が入っているであろう橘は、長身で明るい髪で、整った顔をしていて、女の子たちの視線を釘付けにしていた。

なんだ…ただのイケメンが転校して来ただけだった。

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