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第46話 答え
聞こえてしまった以上、答えないわけにはいかない。
アニメや、ラノベなんかだと、花火の音でかき消されることが多いのに、リアルだとそんなことも無い。
見つめる桃は、優しく微笑みながら俺を見てくれている。
逃げてはだめだ。
「俺は……」
いろんな思いが、感情が、俺の中で渦巻く。
アニメとかでみる主人公は、ヒロインから告白されると、ごまかしたり、逃げたり、すぐに答えを言わなかったりと、ヘタレなことをするのが多い。
なんでそんなことをするんだよと、見ていた俺は思ったが、いざ自分がこういう状況になると、逃げ出したくて仕方がない。けれど、それは、桃に対して失礼だ。
そして、俺は桃に答える。
「——ごめん」
言いながら、俺は、俯いた。
「俺は、桃を彼女にはできない」
これが、俺の答えだった。
だいぶ前から言っていましたが、これが一応一区切りです。