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第44話 金髪ツインテールVS銀髪巨乳ロリッ娘

「なんか人の流れっていうか人が多くなってきたな」


霧咲や、柏木の時と比べ、屋台通りに人が多くなってきた。

人が多いせいか、桃ははぐれないために俺に密着する。


「が、我慢してくださいね?これはあくまではぐれないためになんですから」


「分かってるよ」


「顔がすごく険しいんですけど」


そりゃそうだ。何が悲しくて3次元の女の子とこうも密着せにゃならんのだ。

歩きずらいし、いい匂いはするし、気持ち悪くなってくるしで結果的にデメリットしかない。


「つか何この人の流れ。なんかあるのか?うぇっぷ」


「もう、失礼ですよ?たぶんですけど、花火があるからじゃないですか?」


「花火?」


「はい。このお祭りは最後に花火を打ち上げるんですよ。海上から打ち上げるので、それを見るために移動してるんだと思います。この通りを抜けたら海岸に出ますし」


花火ね。

そりゃリア充(笑)共は見たいがために移動するわけだ。どうりで人も増えてるはずだし。


「私たちも見に行きませんか?」


「んー。そうだな。せっかくだし見てみるか」


「はい!」



屋台通りを抜け、少し歩くと海岸に出た。

どうやらこの人の流れはこの先の砂浜まで繋がっているらしい。


「どうする?俺たちも砂浜まで行ってみるか?」


「そうですね。ここでも見えるとは思いますけど、せっかくなんで」


俺たちもこの人の流れに便乗して砂浜を目指す。

こういう祭りの時とかはその土地に詳しくなくても人について行けば大抵なんとかなるところが素晴らしいと思う。

友達が少ない俺なんかにとってはありがたい。


「コンビニがあるな。なんか買ってくか?」


「そうですね。屋台で何も買ってないですしね」


桃の了承を得た俺は、近くにあったあなたとコンビにふんふんマートに向かった。

俺的コンビニランキング上位の店で、普段もけっこう使わせて貰っている。

ポーソンみたいにもっとアニメとかとコラボってもらいたいのが願いだ。


花火前になにか買って、つまみながら花火観戦としゃれこもう。


『いらっしゃいませこんばんは』


ダンディーな店員の声を聞きながら店内に入ると、店内は人がたくさんいた。

俺らと同じように花火前で何かを買っておこうとする連中なのだろう。

バイトと思われる店員何人かが目まぐるしくレジに並ぶ客を捌いていた。


「テキトーに飲み物と菓子でも買ってくか」


「そうですね」


桃はそう言うと、入口付近に置いてあるカゴを手に取った。


「俺が持つぞ」


「あ、いいですよ。これくらいは。それになんだかこうしてると彼女みたいですし」


「お前の中での彼女が分からん」


なに彼女ってカゴを持つものなの?

なんか、パシリに使ってるみたいですごく気が引けるんですけど。


店内に人が多いので、雑誌コーナーから飲み物を売っているウォークに行く。

ちらりと雑誌コーナーに目をやると、俺も定期立ち読み購読している週刊誌の漫画雑誌や、ゲーム雑誌、ファッション誌などが置いてあった。


「陽向くん飲み物は炭酸でいいですか?」


「おう。テキトーに選んでくれ」


「分かりました。私と同じでコーラにしておきますね」


雑誌コーナーに興味が行ってしまい、桃にたいして生返事になってしまった。

桃のことだから変なものは選ばないだろう。

地味に桃のセンスが試されたな。


あらかた雑誌コーナーを見終わると、最後に成人向け雑誌のコーナーに目が行った。


ふん。裸の3次元の女の子を見てなにがいいんだよ。

なにが、街角素人インタビュー議事録だ。くだらん。


全く興味が沸かなかった俺は、成人向け雑誌コーナーから目をひこうとした瞬間。

俺の目はあるものを捉えた。


そう。裸の……裸の!二次元美少女である!

それも銀髪巨乳ロリッ娘!


表紙にはうまい具合に乳首などが隠された二次元美少女が居り、「好き……好きが止まらない」と俺を見ていた!


ははっ。参ったな。

これはもう……



買うしかないじゃないか!


※18歳未満の成人向け雑誌の購入は禁止されています。


俺は裸の、丸裸の、すっぽんぽんの、生まれたままの姿をした二次元美少女が表紙を飾ってある雑誌を手に取ると、桃に気づかれないようにそっとかごの中へと置いた。

そして、テキトーに菓子類を上から置き、桃にバレないようにフェイクする。


「よし。菓子類はこんなもんでいいだろ。飲み物は入れたか?」


「はい。入れておきましたよ。結構お菓子買うんですね」


「まぁな」


銀髪巨乳ロリッ娘を隠すためには仕方ないじゃないか。


「よし。これで買ってきてくれ。俺は外で待ってるから」


「いいですよ。ここは私が出しますから」


「3次元だろうが女の子に出させるわけにはいかない。マロンちゃんに嫌われたくないしな」


財力的には圧倒的に桃に負けているのだが、3次元だろうが女の子に金を出させるのは気が引ける。それに〇ロ本を買う度胸なんて俺にはない。


「分かりました。ありがとうございます陽向くん」


「おう。気にするな」


「でも、財布ごと渡すってすごいですね」


「別に3次元のお前らに中身を見られてもどうってことないからな」


ある意味、信用しているから渡せるっていうのもあるんだけどな。


「私たちにってことは。彼女たちに見られたらまずいものは入ってるんですね?」


「…………」


「あはは。買ってくるんで待っていてください」



ふんふんマートの出口から少し離れたところで待っていると、真っ赤なお顔をの〜♪桃が来ました〜♪


と、クリスマスでおなじみの歌を替え歌に出来るほどの真っ赤な顔をした桃が店内から出てきた。


「陽向くん!」


「お、おう。どうしたんだ桃?そんなに顔を真っ赤にして」


「私に何かいうことはありませんか!?」


「言うこと?」


正直、身に覚えがありすぎて逆にどうすればいいか分からなくなった。

だって、桃が怒ってるのは百パーセント銀髪巨乳ロリッ娘表紙のエ〇本だもん。


「すまん。金髪ツインテールの方にしとけば良かった。でも、俺的には絵は銀髪巨乳ロリッ娘の方がいいなって……」


「違いますよ!私が怒っているのはそこじゃないですよ!わざとやってますよね?陽向くん!」


ワンチャン。あるかなーと思って言ってみたけど、やっぱり違かったかー。

だよなー。桃はやっぱり黒髪ロング……


「本気で怒りますよ?!」


「ご、ごめんなさい」


直角90度。我ながら完璧に近い角度で誤ったと思う。



「どれだけ、私が恥ずかしい思いをしたか陽向くんに分かりますか!?」


ふんふんマートから離れ、砂浜に向かう道がら、ほとぼりの収まらない桃は俺に言ってくる。


「正直分からない」


実際エ〇本を買ったことがない俺には、桃がエ〇本を買うというのが、どれだけ恥ずかしいことなのかが分からない。


「お菓子を店員さんがスキャンし終わったら出てきたんですよ!?店員さんがチラチラと私の方を向くので何かなーと私も見たら、あれが!」


思い出したのか、桃の顔がまた羞恥の色に染まっていく。


「すまん。まじすまん」


桃の言動から察するし、よほど恥ずかしかったのだろう。

まぁ、そりゃそうか。

花の女子高生がエ〇本を買うなんてないもんな。


「責任、取ってくださいよね?」


「出来る範囲でなら」


エ〇本を買わせてしまったのは俺だしな。

出来る範囲で責任を取ろう。

何をどうすればいいのか分からないけど。


「あっ」


「どうした?」


「鼻緒切れちゃいました」



「重くないですか?」


「大丈夫だこれでも鍛えてる」


「微妙な返答やめてくださいよ。私が重いみたいじゃないですか」


「心配するな。苦にならない程度の重さだ」


「また微妙な返答ですね」


桃の鼻緒が切れてしまい、歩くことが出来なくなってしまった桃をおんぶして運ぶことに。

まさかこんなにも早く責任を取るチャンスが来るとは思わなかった。


「ていうか鼻緒が急に切れるとか、お前はどんだけヒロイン属性強いの?」


「しょうがないじゃないですか!好きで切ったわけじゃないですし」


「まぁだろうな」


「陽向くんの背中大きいんですね」


「ん?何か言ったか?」


「いえ。……胸当たってませんか?」


「え?どの感触のことだ?」


おかしいなー。

ラノベとかだと背中に柔らかい感触があるって書いてあるんだけどなー。

今の俺の背中にはそんな感触不思議にないんだよなー。


「…………」


「俺が悪かった。だから落ち込まないでくれ」

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