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第36話 興味ないんれしゅか!?

やべー!サウナで嫁(になる予定)の美少女たちを見れるとか、まじでさすがだぜ!桃!


春アニメはHDDの容量が足らなくて観れてない作品が何個かあるからな〜。どれを見れるのか楽しみだぜ!そして、何人の美少女たちが、俺の嫁になるのかも頼しみだ!


めちゃくちゃテンションの上がった俺は、駆け足でサウナルームへと向かう。おっとそうだ。サウナルームに入る前に海パンはかないとな。いろんな事態に備えるために買っといて良かった良かった。


そして、サウナルーム前についた俺はドアを思いっきり開けた。


「待たせたな!嫁(になる予定)た……ち……」


俺の思考はそこで止まった。


「おっ。来たね瀬尾陽向くん!って瀬尾くん!?」


「来ましたね!陽向さん!さぁ!一緒に…って陽向さん!?」


「瀬尾どれ見る?いろいろあるぞ……瀬尾?」


「もぅ陽向くん。早すぎますよ。どれだけ好きな……陽向くん!?」


((((こんなにも死んだような目を人はできるんだ……))))


((((きっと陽向(各名称)は私たちの身体をみてこんな風に……))))


「なんて言うんでしょう……?」


「うん。こう……何と言うのかな?」


「あれ……ですよね?」


「うん」


((((悔しい…………))))


最後に俺の目に映った光景は、2次元美少女のサービスショットでもなんでもなく、桃たち3次元の女の子たちの裸だった……。



「はっ……!?」


よくあるアニメの主人公の如く、俺は目を覚ました。

どうやら、気を失っていたらしい。

いつの間にか着ている浴衣を見る。

これは桃の家のなんだろうな。うん。

初めて着たけど、いい物だな浴衣も。美少女たちが温泉回で毎回着ているのも分かる。

つーかすげーな。浴衣を持ってるってさすがお嬢様だぜ桃は。


なんで着た覚えのない浴衣を着ているのかはこの際考えるのは辞めよう。


「ん〜なんか、嫌なものを見た気がするんだよな」


そして、気を失う前に何があったのかを思い出そうとする。


(((イラっ……)))


特に痛みはないが、なんか気を失ってから起きた時にはやらなきゃいけないような気がした俺は、痛くもない頭を抑えながら、記憶を辿る。


……うん。しっかりと……というかほとんど覚えてない。温泉に入ってたような気はするんだが……そのあとに何かあったような……


「やっと起きたんれすね。陽向くん!」


「おう桃。なんか気絶してたみたいなんだけど、何か知らないか?」


近くにいた桃に聞く。

なんか顔がムッとしているように見えなくもないけど、なんかしたのか?


「いいえ。私はなにも知りません!知りませんったら知りません!」


「何か怒ってないか?」


少し強い口調で言う桃はいつもより怒ってる感じだ。おいおい。ほんとにどうしたんだよ。


「このしゃいだからハッキリいいましゅけど、いいれすか!?」


「お、おう」


急に桃のろれつが回らなくなった。

気のせいか、頬が少し赤い気がする。


「陽向くんは私の裸に興味がないんれしゅか!?」


……


……


ん?


「陽向くんは私の身体に興味がないんれしゅか!?」


「いや、聞こえてるから!聞こえてるから!2回も言うな!」


「いいえ!私の身体というか、陽向くんは女の子の身体に興味がないんれしゅか!?というか、いくら2次元の女の子がしゅきとはいえ、少しは3次元の女の子の裸に興味をもってくらしゃいよ!らしかに、私の身体は貧相でれすけど……って酷いれすよ!陽向くん!」


「おいどうしたんだ桃!?いつもの桃ならそんなことは言わないじゃねーか!(最近はたまに言うが)なのにどうしたんだ?その役割は霧咲の役目じゃねーのか?!それと、痛い!痛いから!叩くなって!」


急に変なことを言ってくる桃にたいして、俺は言う。いつもそんな変なことを言うのは霧咲の役目だったはずだ。なのに、桃がこんなことを言うなんて……なんだ!?桃に何があったんだ!?俺が気を失う前に何があったんだ!?


「って待て!待つんだ桃!なんで帯をとった!?」


俺をポコポコと叩いていた桃はなぜか帯を音速を超える速さで取る。まずい!やられる!というか、いい予感がしない!


そう思った俺は、通常の3倍の速さで戦場を離脱する。


「陽向しゃん!こっちでしゅ!」


ここで神の救いのごとく、女神の声が聞こえた。

良かった助かった!これで桃から逃げられる!


「ってなんでお前は帯どころか、浴衣すら装備してねぇんだよぉ!霧咲ぃいいい!!」


浴衣を装備してなく、両腕を広げて、受け入れ態勢万全とでも言いたそうな霧咲が俺を待ち構えていた。


「しゃあ!こっちでしゅ!陽向しゃん!私に来てくらしゃい!そして、女の子の裸が嫌なものではなく、しゅばらしい物だと言うのを陽向しゃんの身体に教えてあげましゅ!」


「誰が行くかぁ!」


桃から逃げ、とんでもないことを言う霧咲をかわし、だだっ広い部屋の中を駆け回る。なんだここは!?バイオハザード化したのか!?


「瀬尾!こっちだ!」


ここで2度目の神の救い、女神の声が聞こえた。


「柏木!助けてくれ!」


見るからにいつも通りの柏木を見た俺は一安心する。良かったこん中でまともなやつが残ってた!


「さっきの発言は置いといて、助けてやろう瀬尾」


何か引っかかる言い方をした柏木が、桃と霧咲に立ち向かう。


「亀神流……酔拳」


そう言った柏木は、ゆらゆらと身体を揺らしながら桃たちに近寄る。そして、


トン


と、手刀を二人の首に食らわしていた。


バタン、バタン


と2人が倒れる。


「すげー。リアルで首を叩かれただけで気絶したやつ初めて見た」


その光景を見た俺は、思わず感想を言う。

ドラゴンボー○の世界とかだとよくある光景だが、実際にやるには難しいというか、ほぼ無理と言うのを俺は聞いたことがある。


なのに、柏木はやりやがった。すげーな柏木。さすが不良だぜ。……やっぱ不良は怖いな。


「すげーな柏木。それとありがとな」


「ヒック。気にすんなって」


ヒック?


片手を上げて気にするなという素振りを見せる柏木はカッコよかった。


「スタンガンが役立つ時が来るとは」


そして、柏木は愛おしそうにスタンガンを見つめる。


「…………」


怖えーよ!


つか、そうだよな!スタンガンだよな!手刀で人を気絶なんてできないよな!


「そういや、あのポンコツ婦警がいないけど、なにか知ってるか?」


一見普通そうな柏木に聞く。

周りを見渡して、ふと、そう言えば婦警がいないなと思ったから。


「ん?あー、察のこと?」


おい柏木。

警察のことを察と言うな。俺がビビるじゃないか。お前に。


「あいつなら上司から連絡が来たとかで、慌てて帰ってったぞ?なんか、私たちに気を使って飲み物を置いてね」


「へー。そうなのか。それと置き土産を置いてくなんて、ポンコツじゃないのかもな」


「なんか、これで私がヘリコプターを勝手に使ったこととか喋らないでね!なんて言ってたな」


「ジュースを口止め料にするとは」


婦警が置いていったと思われる飲み物を見に、テーブルまで行く。

そして、テーブルの上に置いてある、封が空いてある瓶を手に取る。


「りんごジュースか?ラベルがないから分かんねーな。もしかして高いやつか?」


もしかしたらこれは高いやつなのかもしれない。

これなら口止め料にはいいかもな。


「ん?つか、待てよ?これは」


匂いを嗅いだ瞬間、これがりんごジュースではないと悟る。


「酒じゃねーか」


くそ、あのポンコツ婦警め。いつもの癖かは知らねーけど、酒買って置いていきやがった。

たぶん桃たちのおかしな行動はこれを飲んだからなのだろう。つか、気づけよ酒だって。


変なところでヒロインの能力を使うなってんだ。俺が大変な目にあったじゃねーか。


「柏木は飲んでないよな?」


「んぅ?ヒック。飲んでないよぉ?」


「飲んだな!?」


へんにギャップがあったら一瞬、おふ。なんて思ったじゃねーか!つか、まずい!まずい!柏木が!柏木がぁ!


少しづつ柏木が近づいてくる。俺もそれに従い、少しづつ後ずさる。まずい!壁だ!逃げ場が!


ドンっ


柏木は俗に言う壁ドンを俺にやった。

そして、耳元で


「瀬尾も少しは私たちに興味を持ってくれ」


と囁いた。


後に聞こえたのは、柏木の寝息だった。

酔っ払うヒロインたちを書いてみたかった……

霧咲はいつも通りのような気もしたけど……

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