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二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?  作者: ハタケシロ
第二章 そして集まる三次元美少女(部員)たち
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第12話 いいか?選択しろよ?

霧咲が入部して数日がたった頃。

俺はいつもの通り部室で二次元美少女とデートしていた。

え?手に持っているPSPはなんだって?

そりゃPSPに決まってんだろ。


カチ、カチカチ


「なぁ?」


カチカチ、カチ


「なんですか?陽向くん」


「陽向さんなんですか?」


カチ、カチ、カチ


「お前らなら初デートに行くならどこがいい?」


「「!?!?!!!??!」」


ドンっと音を立てて二人共腰を思い切りぶつける。


「おい二人して椅子から落ちんなよ。コントかっつーの」


どうでもいいけど二人共パンツ、違うな布が見えてんだよな。淑女なら見せないようにしろって。


「パ、パンツって、陽向くんどこみてるんですか!」


「あん?視界に入ったんだよ。だから見られたくないなら、見られないようにしろって」


「その女の子のパンツをゴミのように見る目で言われると恥ずかしさを通り越して、怒りと悲しみに変わりますね」


ゴミだなんて。そんな風には見てないぞ?


「ほら霧咲も見せないようにしろって」


「……」


「ん?」


真っ直ぐな瞳で俺を見つめる霧咲。


「陽向さん!」


「お、おう?」


「女の子のパンツなんですよ?」


「あーーーーだな」


3次元の。


「すごい間がありましたね」


うるさいぞ、桃!


「何も感じないんですか?」


なおも追求してくる霧咲。


「何も感じな……」


い。と、ここで言ったらたぶん、めんどくさいことになる!俺の第六感がそういってる!霧咲は桃以上につーか桃を遥かに凌ぐ荒業で俺を3次元LOVEにさせようとするからな。


「いわけないだろ?もうあれだよ。あれになっちゃうよ」


あれになっちゃうよってどうなるんだ?


「良かった。陽向さんが真人間に近づいてて」


ほっと胸を撫で下ろす霧咲。

あれになっちゃうってどうなっちゃうんですか?

と聞いてくる桃は無視しよう。


「もし、何も感じないのなら、陽向さんと会う度にパンツを見せて、陽向さんがパンツと聞くだけで何かしらの症状を引き起こすくらいにまで矯正しないといけなかったですから」


「「…………」」


怖い!怖いよこの子!

見たくもねぇ3次元のパンツを毎回見せられてたら、ほんとにパンツって聞くだけで何かしらの症状でちまうよ!

つーか、俺なんかより霧咲の方が変態なんじゃねーか?



「……」


さすが霧咲すごい。

あの桃を何も言わせずに座らせたよ。


「んん。で陽向くん。さっきのその、で、デートで行きたい場所というのは?」


ほう。さっきの霧咲の発言を無かった事にしたいんですね桃さん。


「あん?だから言葉の通りの意味だよ。お前らなら初デートに行くならどこがいいんだ?」


女の子が初デートでどこに行きたいのか知りたいからな。


「ちなみに三択だ。①遊園地②水族館。んで最後が映画」


「映画館もいいですね」


「違うぞ桃。最後は映画館が隣にある中学校だ」


「それ陽向くんが行きたい場所じゃないですか!」


そうなんだよなー。

最後の映画館が隣にある中学校って超俺が行きたい場所なんだよな〜。ん?映画館になんざ俺は興味がねぇぞ?


「そりゃそうなんだけどさ。俺が行きたい場所じゃなくてお前らならどこがいいのかを知りたいんだ」


「そ、それってお誘いですよね……」


チラット霧咲を見る桃。


「だと……思いますよ」


桃に頷き返したあと俺を見る霧咲。

二人共どこか目を輝かしている。


「まぁ正直二択だけど教えてくれ」


「そうですねぇ」


「んー」


真剣に考え始める桃と霧咲。

そんなに難しいか?二択なのに。


「やっぱり私は、初めてなら陽向さんの部屋がいいですね」


「うん霧咲。その選択肢はないぞ。それとなんで俺の部屋なんだ?」


「初めてのデート、初めての部屋、そして初めての……」


「よしもう黙ってろ霧咲!」


霧咲が妄想状態に入ったのを俺は無視する。

陽向さん、優しくお願いしますと言っているのは幻聴だと信じたい。


「桃はどっちがいいんだ?」


「んー。そうですねー」


霧咲の回答は当てにならんので桃に頼ることに。

しかし、

そこまで悩む必要あるのか?

二択なんだから行きたい方にすればいいのに。


桃は少し考えたあとあっと呟き言う。


「家に呼びますねっ!」


「だぁーかぁーらぁー!」


なに!?なんなのこいつら?

選択肢があって選択しろって言ってんのになんで選択肢から選ばねーんだよ!

桃にいたっては行きたい場所どころか家からでねーじゃん!


「選択肢から選べよ!つかお前に対しては俺、どっちがいい?って聞いたじゃん!」


「だってぇ。遊園地も水族館も子供じゃないんですから大人料金でお金がかかるじゃないですか?」


それに比べて家だとお金はかかりませんっ!

と続けた桃。

え?遊園地と水族館選ばなかった理由って金?

桃ってお嬢様のくせに庶民くさいんだな。


「お前らに聞いた俺がバカだったよ」


3次元であれこいつらは美少女だ。

これは俺の勝手な想像だったんだが、美少女なら初デートならそれ相応の場所に行きたがると思っていた。しかし!こいつらは見た目美少女でも中身まではそうでも無かったらしい。いや、美少女が遊園地とか水族館に行きたがるのは知らんけど。


「え?じゃあ」


「陽向さんが考えるってことですよね?」


「それしかないだろ?」


こいつらが当てにならないんじゃ俺が考えるしかないじゃないか。


「陽向くんが考えてくれるなら」


「どこでもいいですよ?」


「ダメだ!こういうのは大事だからしっかり考えないと」


じゃないと、あとあと面倒くさくなるからな。


「陽向くん……」


「陽向さん……」


なんか二人から暖かい目で見られている気がする。


「「で、デートはいつにしますか!?」」


「んだよいきなり」


いまデートプランを必死に考えてんるだからそんな大きな声だすなって。


「私は今週の日曜日とか……」


「じゃあ私は土曜日で……」


「土日なんかあるのか?」


二人して、日曜とか土曜とか言ってるけどなんかあんのか?


「「いえ!なにもありません!」」


「そ、そうか」


そんなに何もありませんアピールしなくても。


カチ、カチ


「あ、あの?」


カチカチ


「陽向さん?」


カチ


「ん?」


カチ、カチカチ


「デートは?」


「ん?結局水族館にしたよ。前に行きたいってのを言ってたのを思い出したからな」


「え?なんの話を?」


桃が聞いてくるだと?珍しい。


「だからデートだよ。初デート。小豆ちゃんと。一応お前らに、女の子が行きたい初デートの場所を教えてもらって、それを参考にしようと思ったんだけどな。お前らに聞いたのは全然無意味だったから結局俺が考えるハメになった」


「「陽向くん(さん)!!」」


「ど、どうした?」


「全く陽向くんと言う人は……!」


「陽向さんは……!」


なぜか知らないけど二人共怒っていらっしゃる?

あれれー?なんでだろー?


「「ゲームの話だったんですね!」」


「最初からそう言って」


「「ないです!!」」


怖い!二人の目が!

目力だけで殺されそう!


「まぁ、怒っても仕方ないですね。陽向くんですし」


「そうですね。陽向さんですし」


怒っていた桃と霧咲はなぜか穏やかになった。

んー?やっぱ3次元の女の子はわかんね!



翌日の放課後。

俺と桃は先生の元へと向かっていた。

ある物を出すために。


「普通忘れるか?」


俺は前を歩いている桃に話しかける。


「仕方ないじゃないですか。私にだって忘れることくらいあるんですよ」


まぁ確かに、ヒロイン属性を持っている桃といえども、忘れることくらいはあるだろう。人間なんだし。3次元だし。


「でも普通は忘れるつーか忘れちゃいけねーだろ」


なんてたって、今桃が持っているものは普通は忘れちゃいけないものだからだ。


「陽向くん!」


「は、はい」


前を歩いていた桃が、立ち止まり俺に振り返る。

その顔は怒っていた。


「普通は!部長である陽向くんが出すんですよ!」


と言いつつ、桃は1枚の紙を俺に突き出す。


その紙とは霧咲の入部届けだ。


「それなのになんですか!私が悪いかのようにいって!」


「わ、わりぃ。でもそういう事務的なことは全部桃に任せてたからつい」


この入部届けも桃がさっさと先生に出していたもんだと俺は勝手に思っていた。

事務的なことを全部桃に任せていた俺が悪い。


「まったく世話が焼けますね」


と言った桃の表情は怒っていなかった。

なんで?


「ほんと悪い。俺から先生に出すよ」


「最初からそうしてください」


桃から入部届けを受け取り、桃の前へと出ようとしたところで人とぶつかった。


(あ、すいません)

「あ?すせん」


しまった人見知りスキルが


「ヒィ!ご、ごごごごめんなさい!」


ものすごい早さでこの場を離れていく女子生徒。


「(´・ω・`)」


「元気出してください陽向くん」


謝っただけで走り去っていかれるのって結構来るな。


「俺は強い子やればできる子!」


「自分で慰めるんですね」


「そうでもしないとやっていけねーよ」


自分の傷は自分でまずは治さないとな。


さて、気を取直して先生のところへ


ドンっ


「すいま……」


「あん?あぁいいよ。気にしないで」


そう言って去っていく女子生徒。


「大丈夫ですか陽向くん?反射的だとしっかりと言えましたね!……陽向くん?」


「こ、怖かったー」


「え?」


「だって不良!不良だぞ!?」


ぶつかったのに謝っただけで許してもらえたのは奇跡だ。


「陽向くん一回自分の顔をしっかりと見てみてください」


「やだよ、そんな気持ち悪いこと。それより」


「……?」


「いや何でもない。先生の所に行こう」


「そうですね」


俺はこのあとしっかりと先生に入部届けを提出し、こってりと怒られました。

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