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二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?  作者: ハタケシロ
二年生偏 第二章 新入部員と友人部の日常
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第109話 こんな序盤で!?

脳に、体に、音楽という音楽が響き渡る!

ライブ会場に来ているかの如く、俺の体は高揚している。


え?ここライブ会場じゃなくて、ただのオフ会の会場ですよね?


俺何か間違ってないですよね?


ほんとに来たところを間違えたと思う程に、ここは凄すぎる。


アニソン最高!Go〇 knows...最高!


生きてて良かった!とさえ思わしてくれる。


そして、興奮が冷めやらぬ中で天使は神曲を歌い終えた。


「凄い」


思わず出てしまった言葉は、一言で十分すぎるほどに伝わる言葉だ。

これ以上に何を言えばいい?というくらいに天使の歌は、いや、天使の歌声は凄かった。


俺も数々のアニソンをライブで聞いてきた方だが、こんなにも興奮しているのはいつぶりだ?

もしかしたら始めてかもしれない。


「歌」というものには詳しくない方だが、素人の俺でさえ凄さのわかる歌い方だった。


「す、凄かったね。さすが天使様だ」


ここで2回目の気絶から起き上がった瑞希が、よだれ?的なものを拭いながら天使を褒め始めた。


「いや、ほとんど気絶してなかったか?つか聞こえてたのか?」


「気絶程度でこの僕が天使様の歌声を聞き漏らすわけがないだろう?」


「お、おう」


思わず返答に躊躇してしまう。

あれ?気絶したら歌声どころか、声さえ聞こえないはずだよな?

なんで瑞希は、さも当たり前でしょ?みたいなドヤ顔できるんだ?

俺がおかしいのか?


人間ができるのは、口を使わずとも言葉を話すことくらいだよな?

桃とかめちゃくちゃ出来てるし。


心の中に直接話しかけるのは普通だもんなー。



ふー。

なんとか1曲目歌い終える事ができたよ〜。


こんな大勢の前で歌うなんて初めてだったから、凄い緊張したよ〜!!


お面を被っているおかげで、緊張はしているけれど、いつも通りに歌えたことにほっとし、ステージから見てくれている私のファン?(ちょっと言うのは恥ずかしい)を見るくらいまでに余裕が出来てきた。


思ってたよりも大勢いて、ビックリしている。


男の人が多いけど、女の子も少ないけどちらほらといて、少し嬉しかった。


1曲目を歌い終えた後は、自己紹介の時間だ。

事前にシルフィにメモを渡されているから、それを読みながらやっていく。


本来なら見ない方がいいかもだけど、オフ会だから気にしなくていいんじゃん?というシルフィの言葉に甘える感じで、私は、メモをみながら自己紹介をすることに。


正直、メモがなかったら緊張して喋れないところだがったから助かる。


書いてくれたシルフィありがとう。



「えーと、みなさーん初めまして!こんにちは!」


『こんにちはー!!』


私の挨拶に対して、大勢のファンの人が返してくれる。

というかこれオフ会だよね?

アイドルとかのライブじゃないよね?

すごいライブ感出てるんだけど…。


挨拶の返しが凄かったせいか、私は来たところを間違えたんじゃないかと思ってしまった。


気を取り直して。

えーと、挨拶の次はっと


(皆の癒し!ルル姫でーす!薬じゃないよ!(テキトーに乳見せ))




んん!?んんん!?


なんかおかしなこと書いてあるんだけど!?


凄いテンションが高い上に、胸を見せるとか書いてあるんだけど!?


ていうかこの字シルフィじゃない!?

もしかして咲洲さん!?


「ちょっとルル!何固まってるの!早く喋って喋って!」


何かあった時の為にと、シルフィから渡されたワイヤレスイヤホンに指示が飛んでくる。


普段は髪を後ろで結んで耳を出している私だけど、歌っている時はキャラチェン!というシルフィの指示通りに、今日は髪を下ろしていて、その下ろした髪で隠れるワイヤレスイヤホンは、私を助けてくれる超アイテムになっている。


なってはいるし、今まさに助けてもらおうとしてるんだけど!


「ねぇ!なんかメモに変なことかいてあるんだけど!」


私は、持っているマイクにではなく、胸に着けているピンマイクに向かって話しかける。

これは舞台袖にいるシルフィたちに聞こえるようになっていて、困った時にシルフィたちから指示を貰う役割を果たしている。


「変なこと?」


「うん!なんか胸を出すとか」


「いいから早く生乳を出してください薬さん。会場もざわめき出していますよ」


「やっぱり咲洲さんだった!」


私が、最初の挨拶から何も言い出さなくなったのがおかしいと感じたのか、会場からは確かにざわめきが起き始めていた。

確かに何か言い出さないといけないだけど、もう何がなんだが頭がパニック状態でそれどころじゃないよ!

え?胸を出せばいいのかな?


「ちょっとルル!何服脱ごうとしてるの!繋ぐためにとりあえず曲かけるから歌って!」


「え?え、あ、うん。分かった!」


パニック状態だった私だったけど、マイクをぎゅっと握り直し、曲に備えた。


次のことはまず、次の曲を歌いきってから考えよう。



挨拶をしてからというもの、天使からはなんのアクションも起きなくなっていた。


何かハプニングが起きたのか、それとも頭が真っ白で何も喋れなくなってしまったのかは分からないが、お面を着けている以上、表情は読み取れないし、俺からは何が起こっているのかは分からなかった。


そんなこんなしていると、ステージを映していたライトが一斉に消えて、聞き覚えのあるギターの音が鳴り響いた。


「アルケミー!?こんな序盤で!?」


いやー実は言ってみたいセリフだったんだよなこれ。


まさか言える時がくるとは思わなかった。


知る人ぞ知るアニメ。

と言ってもかなり有名なアニメAnge〇 Beats!の第3話で使われた名セリフだ。


バタっバタバタ!


おいおい今度は天使、ギター音だけで人を天に召したぞ。

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