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第99話 やっぱり中学生は最高だぜっ!

もしかしたら平成最後の投稿です。

翌朝。


俺の世界は、駄肉によって侵食されていた。


いや、言い方が良くなかったな。


正しくは、俺の視界は駄肉によって支配されていた、だ。


なんやかんやあって一緒に寝るとはしたものの、まさか夜中に何を勘違いしたのか、セラフィのやつ俺の事を抱き枕よろしくそりゃあまぁ抱きまくりやがった。


てか、結局俺は寝付けれたんだな。

いや、寝付けれなかったというより気持ち悪さに耐えかねた俺の身体の防衛本能が限界に達して落ちたんだな。うん。


ぐら〇ぶるの主人公は巨乳お姉様方に左右囲まれて、自分で自分の首を締めて寝るっていう荒業をしていたが、俺もいつか使う時が来るかもな。

気持ち悪さで限界に達して落ちるより、自分で落ちた方が楽な気がするからなうん。


俺の事を抱きまくったおかげでその無駄に大きい駄肉のせいで俺は何回死にかけたか……。

もしかしたら死んで死に戻りを繰り替えしていたのかもしれん。

いや待てよ?それだったらレ〇ムりんに会えんじゃね!?

よーし、オラちょっと死んでくっぞ!

なーんて考えていたら当の本人が起きやがった。


「うはぁ~。おはようですのようた」


「もごもご」


駄肉によってガッチリホールドされてしまっている今の俺は上手く言葉が喋れない。

そのことでようやく自体の把握をしたのか、セラフィは勢いよく俺を突き飛ばした。


「おぐふっ」


ベットから勢いよく落ちると結構痛いんだな。

いい勉強になったぜ!

てかまじ痛てぇ!


「よよよようた!?なななな何をしていますの!?」


そりゃこっちのセリフだ!と言いたかったが、思いのほか突き落とされたダメージがデカすぎたのか力が入らない。


いやいや俺だからちょっと痛いくらいで済んでるが、これが並のモブキャラだったら死んでるレベルだぞこれは。


まぁ、俺クラスになると死に戻りetc……レ〇ムりんに会いたい!


「どうしてそんな嬉しそうな顔をでハッまさかようた……噂に聞くMという」


「いやちげーよ!?」


どうしても否定したかった俺は、ここでようやく声を出した。というか、よくやく声を出せた。


「いえでも突き落としてしまったわたくしが言うのも何ですけれど、落とされたのに今の表情は……」


「そうだけどそうじゃねーんだよセラフィ。男には色々あるんだ」


「そ、そうなのですわね。勉強になりましたわ」


やれやれこれだからボンボン育ちのお嬢様はだめだ。

世間を知らなさすぎる。

突き落とされたらレム〇りんに会えるまで考えるだろ普通は。




「よしとじゃあ~寝るか」


落とされはしたものの、やはりそこは休日の男子高校生。

睡魔という眠気には勝てる気がしないぜ!


「邪魔くせぇ肉塊があるが、まぁ気にしない気にしない」


「ようた!?今、心の声が思いっ切り出てましたわよ!?というか寝ますの!?肉塊!?このわたくしを物みたいに言いました!?ぅうう~言いたいことが山ほどありすぎますわ!」


「うるせー!!寝れぇねぇだろうがぁああ!!!」


なんで俺が寝ようとしてるのに、こいつはゴチャゴチャと喋りやがるんだっ!こんちくしょう!!


「自分で言うのも何ですけれど、この美貌のわたくしがこんなに近くにおりますのに2度寝!?」


「美貌?はぁ。何を言ってるだお前は。鏡って知ってるか?便利だから使ってみろよ」


「この上なく侮辱しますわね!?というか先程は3次元とはいえ美少女と褒めて下さいましたのに!」


「それはそれこれはこれ」


二次元美少女じゃないお前に俺は何の興味もねぇんだよ!



「なんで公園なんかにってあれは中学生か!?」


「ようた捕まりますわよ?」


2度寝しようとした俺をセラフィは今度は転げ落とし、外に出ますわっ!と言い放ってからテキパキと自分の支度と俺の支度を整え始めた。


なんでも妹の世話で着替えさせることは得意だったらしく、勢いよく俺の部屋着を脱がせたかと思いきや、俺のキャラ物のパンツを赤面しながら見ないようにズボンを履かせたりなんだりし、俺がぼーとしている間にいつの間にか外に出れる支度が整っていた。


なんか身の回りの世話をしてくれる巨乳のメイドを雇った気分で、アニメのお嬢様キャラ達がメイドを雇う理由も何となくわかる。確かに、何もしなくても身の回りのことを全部やってくれるのであればいて欲しい。将来金持ちになったら俺もこんなエ〇アメに出てきそうなメイドを雇いたいなって思いましたまる。


「で、どうして公園なんかに来たんだ?」


近くにあるベンチに2人で腰を下ろす。

そして俺はポケットからある物を取り出した。


「時間がもう残り少ないので、近場を選んだだけですわ。というよりその双眼鏡はどこから取り出して何を見ていらっしゃるのかしら?」


「何を言ってるだ?中学生に決まってるだろ?」


「その当たり前だろ?的に言わないでくださいます!?というかようたその見た目だと本当に警察に通報されてしまいますので、没収ですわね」


「(´;ω;`)」


「そんな表情されましても!」


こいつは鬼なのか!?

せっかく公園に来て、中学生が居たから見てただけなのに俺の双眼鏡を取り上げるなんて!

俺の楽しみを取るなんてなんてやつだ!


「よしじゃあ帰るか」


「どうしてそんなすぐに帰宅を!?」


「いやだってすること無くなったし」


「中学生を眺めることだけが、公園の存在意義ではないのですわよ!?」


「さっきから疲れねぇか?そんなに大声出して」


公園とは言え、さっきからその大ボリュームだとさすがに周りの迷惑にも……


「誰のせいだと思っいるのですの!?」


なんか知らんけど、めちゃ睨まれた。



「そういやさっき残り時間が少ないとかって言ってなかったか?よしじゃあ帰ろう」


「だからどうしてそんなにも自然に帰宅を提案できますの?そんなにようたはわたくしとのデートをしたくないのですの?」


「したくない」


「即答ですの!?」


そりゃあしたくないだろう。うん。

誰が悲しくて3次元の女の子とデートをしなきゃ行けねーんだよ。

しかも俺に関してはこの休みの間、桃、霧咲、柏木、そしてセラフィと4人の女の子の相手をしているんだぞ?

疲れるというか、めっちゃ疲れた。


「そうは言っても、何やかんやで付き合ってくれるのがようたですわよね」


微笑みながら俺の方をむくセラフィ。

付き合うってか、何やかんやでってかお前らが付き合わざるを得ない状況にしてるんだよなぁ。


「さっきの残り時間が少ないっていうのは、実は今日、この後にお兄様が帰ってきますの」


お兄様?

お兄様ってあの魔法がチート級に強いあのお兄様?

魔法科高校とかに通ってるあの?


「何を想像しているのかは分からないですれけど、ようたの想像しているお兄様とは違いますわよ?」


「ちっ、なんだよ。もしかしたら美人の妹も一緒にいんのかなとか思っちまったじゃねーかよ」


「び、美人の妹ならここに居ますわよ?あとわたくしの他にもう1人」


「…………ちっ」


「なぜ舌打ちしますの!?」


「で、そのお兄様が帰ってくるのにお前はなんか不満なのか?顔が暗いけどよ」


「よく分かりましたわね。わたくしがお兄様のことが苦手なのが」


「苦手なのかどうかってのは分からなかったが、あからさまにテンションが低いからな。見ればわかる」


「お兄様はちゃんとした人ですのよ?ゲーム会社に就職していて成績もいいと聞いていますわ。新しいゲームの開発に今は着手しているとかで。でもその少し……その……シスコンで」


「あぁ……なるほどな」


なんとなくセラフィの言いたいことはわかる。

シスコンのお兄様で、二次元美少女LOVEな俺から見ても3次元美少女のセラフィとシルフィが妹となればなんとなく想像はつく。


「セラフィも肩こり以外で苦労してんだな」


「今の発言はセクハラにも捕えられますわよ?」


「は?なんで?」


「はぁ。これだからようたは」


どうしてこんなにもセラフィはため息をついているんだ?

別に俺はおかしなことを言った気はしてないんだが。


「まぁ、暗くなってもしょうがないですわ!遊びますわよ!ようた!」


「中学生とか!?」


「そんなキラキラした目で言われると断りずらいのですけれど、違いますわ」


「なんだ違うのか…… 」


「悲しい顔をしないでくださる!?」



「俺の貴重な休みがあと半日しかないだと!?」


公園でセラフィと遊び、解散した俺は家に帰ってきていた。

そして時間を確認して呆然とした。


「ちくしょう!こうなったらあいつらに奪われた休日をこの半日で取り返してみせるぜ!」

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