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第90話 デート♡

この投稿で100部目です。部なので大したことないですが、まさかここまで来れるとは。とりあえず100話掲載目指して頑張ります!

友情♪愛情♪……♪


静寂な俺の部屋に聞きなれたロリ声声優のキャラソン(着信音)が鳴り響いた。


たく、誰だよ俺が気持ちよく二度寝してるっていうのに。

今日は休みだぜ?全く。俺が昨日どれどけ徹夜でアニメを鑑賞してると思ってんだよ。

と、心の中で暴言を吐きつつ、中々鳴り止まぬ着信音にイライラとし始めた。


切れよ。諦めろよ。かれこれ五分はなりっぱなしだぞ。Aメロからまた再生されてんぞ!


ついに耐えきれなくなった俺は、けたたましい音を鳴らしているスマホに手を伸ばし、着信相手をろくすっぽ確認しないまま電話に出た。


「またですか……陽向くん」


これまたビックリ。

この声もなんだか聞きなれた声だ。

そして、どうしてなのだろう?この声の主は気のせいか呆れてる風に聞こえる。


「せっかく1番目を勝ち取ったというのにこれじゃあ意味無いじゃないですか!!」


「お、おい。電話越しでそんなに大きな声を出すなよ。頭に響くっての」


呆れているどころか怒ってらっしゃる。


「誰のせいだと思ってるんですか!!」


「誰のせいって……俺のせいではないのは確かだ」


「はぁ……陽向くん。一つお聞きしてもいいですか?」


「はい」


「今日はなんの日だか覚えていますか?」


「なんの日?」


「うーん。えーと、俺の誕生日ではないしなー。うーん。な、なんだっけ?」


考えて思い出してみようとするが、全く出てこない。

貴重な休みの日だって言うのは覚えているんだが。


「はぁ。やっぱりですか。まぁそうですよね。陽向くんですもんね」


なんでだろう。呆れられてるし、それなのに分かられてるという謎の現象が起きてるぞ。


「今日はデートの日ですよ」


そして、声の主である桃は活力のない声でそう言った。


「デート……」


その言葉を聞いた途端、俺の脳内がフルスロットル、高速回転し、昨日の帰り際の会話を思い出す。

デートを明日するので忘れないで下さいという桃の言葉を……。


っべ……思い出した……。

つか、完全に忘れてた。


そうだ。今日はデート(拷問)するんだった。

部活動紹介を桃たちに頑張ってもらったという理由で理不尽に。


「すまん……忘れてた」


「はぁ。まぁ、いいですけど。ほんとは良くないですけど陽向くんですからね。きちんと来るとは思いませんでしたし」


「悪い」


「とりあえず来てくださいね?駅前にいますので」


「いや、今からいってもあれだから今回は」


「私がどれだけ待ってたと思ってるんですか?それにですね陽向くん。これで約3回も陽向くんは遅刻してるんですよ?それなのに陽向くんは」


「なるはやで行くので待ってて下さい!!」


冷めきっていた声音をこれ以上聞きたくなかった俺は速攻で電話を切断し、起き上がる。

桃の冷めきった声音まじこえーよ!!

ヤンデレは最近の趣向だと流行らねぇよ!!

と文句をいいつつ準備を開始した。


ちなみに、この時既に二時間半の遅刻である。



俺が駅前に着いたのは、桃から電話を受けた30分後。

合計3時間の遅刻で俺は待ち合わせ場所に辿り着いた。


何回も待ち合わせ場所として使っているとあって、人が多く往来してる中でも、しっかりと桃がいる場所まで辿り着けた。


「悪い待たせた」


「ホントですよ。何時間待ったと思ってるんですか」


ちょい早めに来てたとして合計4時間くらいは待たせていたと思うと俺は心の中で謝罪をした。


「朝5時から待ってたんですからね」


俺の想像を遥かに超える時間を桃さんは待ってらっしゃった。合計7時間近い。なにそれ、軽く働きにでも来たんですかレベル。そんなこと言ったら本気で殴られそうだから言わねーけど。


「とりあえず行きますか。もうお昼時ですし、お昼にしましょう」


「そうするか」


桃に先導されながら、俺は桃の後ろを歩く。


今日はよく晴れていて、春の陽気で暖かいが、まだ半袖で出歩くには少し早い。

そんな気候の中で桃の装備は、白やピンクを中心とした色合いで、春の服装といった感じだ。

とりあえずフリフリしてる。というのは分かる。

服に興味なさ過ぎだろ俺。



「えーと、桃さん?」


「なんですか?陽向くん」


「これはなんの罰ゲームですか?」


「罰ゲームもなにもただお昼を食べに来ただけじゃないですか」


「昼って言ってもなぁ」


レベル高すぎだろぉおおおお!!!


どこに普通の高校生が昼飯で星を何個も持ってる高級レストランで食おうとしてんだよ!!


確かに、桃はお嬢様で普通ではないにしろ俺は普通の高校生だっての!!

つーか、え?なに貸切!?まさかの貸切ですかこれは!!さっきから客が居なくてガラーんとしてるなーとは思ったけど、よくよく見たら貸切って看板が立ってるじゃねぇかよぉ!!


つかね、1番は俺の場違い感が半端じゃねぇ。

桃の服装は全然このレストランにも合っているのだが、俺はジーパンにパーカーとファミレスにならマッチできる服装。

場違い感が尋常じゃない!!


「大丈夫ですよ。いつも通りにしていただいて。そのための貸切なんですから」


「さいですか」


といってもスーツをビシッと着ているスタッフがメニューとかを持ってこられると緊張してしまう。

なんか小洒落たメニューが多くてわけわかんねぇし。

食戟のソー〇のメニューみたい。

えりな様の料理食ってみてぇなぁ。



結果から言うと、まぁ普通に美味かった。

貸し切りとはいえ緊張しっぱなしだったから味なんてあんまり覚えてないのも事実だけどな。

やっぱり俺はふらっと入れるようなお店が合ってるんだと身に染みたぜ……。


落ち着いて食べている桃を見ていたら、やっぱ桃はお嬢様なんだな〜と思った。

隣に歩く桃をちらりと見る。

胸が慎ましいのはお嬢様キャラとしては残念だが。


「む。陽向くん。今とても失礼なことを思いましたね?」


「な、何のことですか?」


危ない危ない。

桃のスキル。ナチュラルに心を読むが発動してたぜ。

だが、さすがの桃でも俺が何を思っていたかは分からなかったようだな。


「どうせ私の胸はセラフィさんのように大きくはないですよ」


バレてました(*´ω`*)


「よ、よひ!どこに行く!?」


「話の変え方が下手すぎですよ陽向くん」


だってしょうがねぇじゃん!

早くこの話題を変えないと俺が死ぬ!


「で、どこに行きたい?」


「珍しいですね。陽向くんからそう言うなんて」


「たまにはな」


俺ってそんなに人任せだったのか?


「はい割と」


「なぁナチュラルに心読むのやめね?」


ナチュラルに会話が成り立ってるのにも慣れてきたけどさぁ。



桃の美声が部屋中に響き渡る。

これが普通の部屋だったら苦情ものだが、ここではどんなに大きな声を出しても苦情を言われることはない。


そう。俺たちはカラオケに来ていた。


最近は一人カラオケというのが流行っているが、俺みたいなガチぼっち&コミ障にはあの店員とのやり取りがどうも苦手で、え?こいつ一人カラなの?友達居ないの?乙!なーんて思われた日には涙が止まらないのは確実だ。


だからこうして誰かとカラオケに来れるというのは嬉しい。

俺だってたまにはアニソンとかアニソンとかもしくはアニソンとかを歌いまくりたいしな!


俺がどこに行きたい?という問に対して桃はカラオケと答えた。

少し意外だったが、桃が行きたいのであれば行くしかない。

しかしまぁ、歌上手いなこいつは!!

裏声とか完璧じゃねーか!!

文化祭の時に少しは聞いてて知ってはいたが、ちゃんと聞くとなると相当だぞ!?

さっきから歌ってるのは俺に合わせて居るのかワン 〇ピースの曲ばっかだけど。


「ウィーアー!!(美声)」


歌いきった桃は顔がちょっと赤くなっていて、少し息があがっていた。


「歌上手いな」


「そうですか?そう言われると照れちゃいますね」


少し恥ずかしがりながらマイクを握る桃は様になる。

これで某μ'sみたいな衣装を着ればファン殺到の大惨事になりそうだ。


「あ、そうだ陽向くん。店員さんを睨んだりしたらダメですよ?」


「睨む?え?俺がいつそんなことをした?」


「お部屋に案内される時ですよ!受付で!」


受付……あぁ睨んだような睨んでないような。

いやあれは睨んでないな。


「俺は睨んでなんかないぜ?」


確かに男性の店員を見たには見たが、それはその店員が桃を見たあとに俺を見て、なんか苦虫を噛み潰したような顔を俺にしてきたからどうしたんだろ?と思って見ただけなんだけどな。


「それです!それですよそれ!その見たと言っているのが傍から見れば睨んでるようにしか見えないんですよ!」


嘘だろ?

ただ見ただけなのに睨んでる扱いされるとは……。

まぁ確かに最近、学校が始まってやんちゃなやつらが多くなったのか結構な頻度で絡まれるのだが、その理由がなにガンつけてんの?が圧倒的に多いんだよなぁ。

俺はただ髪型かっこいいなーくらいでしか見てなかったのに。


そしてなぜが、幻想殺しって2つ名で呼ばれて、何もしてないのに逃げられるし。

俺は絡まれぞんかっての、やんちゃな人達に絡まれるのは普通に怖いんだからな!


「いやまぁたぶん普通に見たら陽向くんに絡まれるのが怖いですけどね」


偏見すぎるだろ……。

こんな優しい一般人居ないっての。

まぁなんかさっきの店員もご、ごめんなさい!って謝ってきてはいたけどさぁ。

……何もしてないのに。


「少しは自分を知るべきですよ陽向くん」


十分知ってるっての。



つか、ナチュラルに会話が成り立ってるんだよなぁ。

怖ぇえええ



「いやー楽しかったですね!カラオケ!」


「化物だ。化物だ!」


「失礼ですね化物だなんて」


「いや、化物だろ」


まさか、あの後5時間連続で歌いまくるとは。

こいつはどんな声帯の持ち主なんだよ。

なんかもう歌も上手いし、ちょっとした振り付けもしてくるからLIVEにでも来たのかと途中から思ったぜ。

まぁ、楽しかったけどさ。


俺はカラオケ解散でも良かったのだが、夜ご飯くらい一緒に食べましょう!という桃の一声により、俺たちは皆大好ファミリーレストランに来ていた。

昼間のようなガチのレストランじゃなく、やっぱ俺はこういう庶民が通うレストランの方が落ち着くな。


「今日は楽しかったですよ陽向くん」


「それはどうも」


楽しかったと言われるとなんだか照れくさい。

特に何もしてないけど。


「大遅刻から始まってますけどね」


「それはその……すまん」


「ふふ。まぁいいんですけどね」


そうだった俺は今日大遅刻してるんだった。

それなのに笑って許してくれるとは女神かよ。


「女神ではないですよ。そういうところも含めて陽向くんだっていうのは知ってますからね。それにしても久しぶりですねこうやって朝から2人きりというのは」


「それもそうだなぁ」


確かに久しぶりかもしれない。

ちょうど1年前くらいか?

俺が部を立ち上げる前だから。


「あの時は一緒にワンピー〇展に行ったんでしたよね?」


「そうだったな。桃のチ〇ッパー愛を思い知らされた日だな」


「懐かしいですねぇ。またこうしてどこかに行きたいですね2人で」


「…………」


「露骨に嫌な顔をされると流石には凹むんですけれど」


「すまん」


だって俺の貴重な休日が!!


「まぁいいですよ。そういうのも知ってて好きなんですから」


「しれっと好きって言うなよな。照れるだろうが」


「だったらもっと照れた顔してくださいよ。真顔じゃなくて」


好きという言葉で思い返す。

告白された日のことを。

そうだ俺は目の前に座っている金髪美少女に告白されたのだ。

俺はそんな彼女に答えてやることはしなかったが。


「思い出すのやめてくださいよ。恥ずかしいです」


「すまん」


「諦めたわけではないですからね?これからもガンガン行きますよ!」


「お前のガンガンって超怖いんだけど」


何されるか分かったもんじゃねーもん。


「じゃあ帰りますか」


「だな。まさか連休初日から予定が入るなんて思ってなかったから、明日から巻き返さないとな」


とりあえず〜帰ったら録画していたアニメを見て、それからそれから……


「何を言ってるんですか陽向くん」


「へ?」


「明日は霧咲さんとのデートですよね?」


「ほ?」


「それに次の日は柏木さんでその次はセラフィさんとデートってちゃんと知ってますよね?」


「……も、もちろん」


グッバイ俺のゴールデンウィーク。

こんにちはヘルウィーク!!

というわけで、ヒロインズ個々のデート回スタートです。

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