か、ら、お、け?
謙信に連れていかれた梨津花は止まったところに建っていた建物を見上げる。
「けんちゃーん!ここ、どこー⁉」
そう不安げな声で言う梨津花に謙信は驚いた顔を見せて…
「えっ?りっか、来たことねーの?!」
「うん、わかんない…ここ、なに?」
「ここは高校生とかがよく友達同士でとかで
集まって歌うとこだよ。カラオケ。」
「友達、同士…ねぇ…」
梨津花は友達を作ろうなんて思ってもなかったし、友達なんていなかった。だからこんなところに来たことなんかなくて。
でも、別に羨ましいとか、そんな風にも思えないところがやっぱり問題だった。
「まっ。歌おーぜ。りっか早く!!」
「はっ…はい!!」
連れられて梨津花は謙信とともに中に入り部屋に入っていった。
「マイクっ…⁉」
「そんな驚くかよ。りっか面白い!」
「だっ…だって歌手みたい…」
顔を真っ赤に染めながら驚いている梨津花にそれをみて声を殺すようにしてバカ笑いしている謙信…
「むっ…けんちゃんのバカっ!
もーいい!ドリンクとって来る!」
「おーおー。いってらっしゃーい♬」
ぷんすかしながら部屋を出て行くのを見届けた謙信は…ニタニタ顏で。
「やっべー…なんでりっか…
あんなに可愛いんだよっ……
こっちの身がもたねー……」