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優雅な読書タイム
明るい暖かな日差しが差し込む教室。
その教室のベランダ側の一番端の列の中央…ようするに隅の方にただずんでいるのは
瀬羅梨津花。せらりづか、と読む。
名前はかなり可愛いといえるし。
椅子に腰掛け本を読むその横顔は
美人、といえるくらい綺麗だった。
黒髪のロングヘアに、
小さめの顔に。
豊かなバスト。
くびれのあるウエスト。
まぁ、一般の男子高校生が一目惚れするような容姿を持ち合わせているわけだが…
なのに。
なのに彼女は未だかつて、もてたことも告白された事もなかった…一部の人間を除いては
全ての原因は彼女の内面に問題があった。
彼女、いわゆる恐怖症とかいうものにかかってしまっているのだ。
彼女は学校内で、異性の中では
幼馴染の真野謙信としか話ができないのだ。他の男とは業務的な事でしか話ができない。
でも彼女は男を恐れるあまり
克服しようなんて全く思わなかった。