始まり
やらかしました。
好きなものと王道詰め込んでいます。
男前少女って、いいですよね。
私立宵明学園。
国内屈指の実力を誇る、巨大な学園である。
初等部から大学、大学院までを有する彼の学園には、大きな特徴があった。
他の学園とは異なり、宵明学園は中等部から高等部まで男女別々になるというものだ。
女学校の方はこれといった問題はないのだが、男子校の方で表面化してきた問題が二つある。
六年もの間異性と関わらない生活を送ることで、卒業時には約半数が同性愛者と化していたことが一つ。
跡継ぎを必要とする家庭によって明らかになった。
そして、それ以上に深刻な問題となっていたのが、もう一つの生徒の不良化である。
全寮制という普段抑圧されている場所からの開放は、家ではできない、許されていないことを行う助長となっていた。
加えて、大金も権力も行使できる人間ばかり。
男子校、特に高等部は立派な不良校となっていた。
事態を重く見た上層部は、彼らの行動を男子校であるが故の行動と考え、女子校と統合することを提案した。
しかし、訳あって女子校側に通う生徒の親から反発を喰う。
ならばと、上層部は対策に踏み切った。
そう、高等部男子校・暁降高校の男女共学化である―――
男女共学となった学年が入学する二日前。
「………何だ、この門………」
一人の少女が、装飾された巨大な門の前に立っていた。
肩甲骨あたりまでの黒髪は艷やかで、肌は白くきめ細かい。
ジーンズとパーカーに覆われた肢体はスラリとしているが、顔立ちはいたって普通。
ただ一つ。
その目つきは、鷹のように鋭いものだった。
平均よりも少し背の高い少女は、下を向いて溜め息をつく。
「面倒なことになった……」
まぁいいか、というか仕方ない。
独りごち、門の横にあるインターホンを押した。
数少ない女子入学生の中で、ただ一人の一般人入学生―――
「新入生の高橋斎です」
―――後に伝説と呼ばれる少女が、そこにいた。
良ければお付き合いください。