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Time Accelerate  作者: 藤宮はる
非日常
10/11

風晴「闇の中の希望?」

雨宮編より時音編のほうが難しい。というか雨宮編が適当に書きすぎなんだよね。時音が好きなキャラだからって理由だけで書き込み量が変わっちゃう。いや、文字数的には雨宮編と大差ないけど……うーん?つまりどういうことだってばよ?

 僕は少しの間立ち尽くした。


 居間に行くと昼間だというのに障子を閉めきり薄暗く、部屋中にに赤い液体が飛び散っている。そして部屋の真ん中で、見知らぬ男が赤く染まったナイフを握り恍惚の表情をうかべてこちらを見ていた。しかし視線の先はまだ僕ではなく、下のほうを見ている。足元を確認すると、ズタズタに引き裂かれ怯えた表情のまま横たわる、僕の良く知る金髪の少女の姿があった。

「貴様……ッ!!」

 僕は奴が誰なのかなど、どうでもよくなった。ただ、奴が、僕の、最後に残ってくれた家族を殺した奴だと、それだけわかれば十分だ。

「ツギハオマエ」

 奴は視線を上げ、僕を見た。無機質な声で呟き、僕の前に跳躍してくる。僕は瞬時に構え、カウンターの姿勢をとる。奴は僕の目の前でナイフを思いっきり振り下ろしてきた。大振りな攻撃、隙が大きい、動きを見て右拳を放つ。

「ドウシタ?」

 ……当たったはずだ。だが奴は、吹き飛ぶこともなく、少しの反応も見せず僕を切りつける。驚きで反応が少し遅れたが、廊下に退避し、なんとか左腕にかすり傷を負った程度で済んだ。

 一体どういうことだ……?確実に当たったはずなのに……手ごたえが全く無い……?少し怖い。コイツには勝てないと本能が頭の中で警告している。落ち着いて考えれば、あのありすがあそこまでズタズタにされているのだから、能力無しで戦える相手じゃないことはわかる。

加速鈍速(クイックスロウ)!」

 自分の速度を千倍、相手の速度を千分の一倍、最大出力で一気に決める!これなら大技も隙を気にせず撃てる。奴に近づき、大振りの蹴りで決める!

「スキダラケダナ」

 わけがわからない。能力は発動しているはずなのに……奴との間に百万倍の速度差などなく、普通に喋り、僕の右足をナイフで深く切りつけた。

「ぐっ……」

「ムダムダ」

 奴は僕をみながら嘲笑する。右足がうまく使えない状態では確かに勝てないだろう。でもそれは普通の戦闘でのこと、まだ僕にはやれることがある。

停止(ストップ)……!」

 時を止めれば動きなど関係ない。残った力を込めて奴を殴る。


 ……だが、やはり手ごたえは無かった。


「ムダダッテイッタヨ?」

 時を動かし始めた覚えが無いのに、奴は喋りだす。そして時を止めて安心しきっていた僕をおもいっきり蹴り飛ばした。僕は廊下の端の壁に激突してその場に崩れ落ちる。

()()()()()()()()()()()()()()

 奴はそう言いながらゆっくりと近づいてくる。能力が通用しないことは、『加速鈍速』が通用しなかった時点で気づくべきだった。奴は僕の前までゆっくり歩いて来る。左手で僕の髪を掴み持ち上げ、ナイフを持った右手を大きく振り上げた。


 僕は……もう何もできなかった。










 冷たい刃が僕の顔を、体を、何度も何度も……













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 ――――


 ――

 僕は勢いよく起き上がった。体は動くし、傷もない。周りを確認すると……僕の部屋、ベッドの上だった。昼御飯を食べた後に、暇で眠くなって昼寝をしていたのだ。つまりさっきのは、ただのリアルな悪夢……?

「相当うなされてたけど、怖い夢でも見てたの?」

 なぜか僕の部屋来ていたありすが、笑いながら聞いてくる。ありすが……生きて、笑っている。それだけで、僕はさっきの問いに答えることもできず、泣きながらありすに抱きついた。

「ありすっ……!ありすっ……!」

 涙と鼻水でグチャグチャになっている顔をありすの胸に押し付け、名前を呼び続ける。さっきのが夢で本当に良かったと感じながら……

「何?そんなに怖い夢だったの?」

 ありすはそう言って、胸の中で泣き続ける僕の頭を優しく撫でてくれた。


 ――――――――――――――――――――――


「落ち着いた?」

「うん……もう大丈夫」

 僕はあれから二十分ほどありすの胸の中で泣いていた。今はもう落ち着いている。

「そういえばありすはどうして僕の部屋に来てるの?」

 落ち着いたので疑問に思ったことを聞いてみる。

「時音がとんでもない量の力垂れ流してたからよ」

 ありすは淡々と答えた。そういえば少し体がだるい。夢の中で使った分がそのまま垂れ流しになっていたのか。残量としては生活にはまったく問題はないけど、今日はもう能力を使わないほうがいい。

「じゃあ時音、お使い頼むわ」

 ありすが相変わらずの笑顔で言う。

「え?」

「いや自分で行こうと思ってたんだけどね?ほら、服」

 そう、ありすの服は僕の涙や鼻水で汚れてしまっている。これでは確かに買い物には行けないだろう。

 でも……少し怖かった。ありすを置いて家を出ると、夢と同じことが起こってしまうんじゃないかと心配だった。

「晩御飯の材料をお願いしたいんだけど」

「…………」

 時間を止めて数分で戻ってくれば、問題ない……かな?もしさっきの夢のような奴が来ても、ありすだって数分は持ちこたえられる……よね?

 考えれば考えるほど不安になる。ありすを置いていきたくないという気持ちが強くなる。

「あ、ありすも……一緒に行こ?」

 僕は少し震えた声でありすに頼んでみた。これが一番簡単で、絶対に安心できる方法だ。ありすは少し考えていたが、「時音がそういうなら……」と、部屋に着替えに行った。


 ――――――――――――――――――――――


 ありすと、しっかり家の戸締りをしてから町に下りていった。そういえば、ありすと一緒に出かけるのは何年ぶりだろうか。何年か前に遊園地に遊びに行ってからそれっきりかな。最近はネットとかゲーム、マンガ、アニメ、ラノベとかで僕自身外に出かけることが少なくなった。お使いや暇なときのちょっとした散歩、お金を稼ぎに行くときぐらいしか外に出てないなぁ。

 そんなことを考えながらいつものスーパーへ来た。

「時音、今日何か食べたいものある?」

「献立まだ考えてなかったの?」

「いや、せっかくだから時音が食べたいものあるならそれ作ろっかなーって」

「うーん……ありすの作ってくれるものならなんでもいいよ?」

「そう?じゃあ予定通り今日の晩御飯はそうめんで」

「あ、手抜き」

「なんでもいいって言ったじゃない」

「まぁいいけどさ」

 そんなに買うものもなかったので、すぐに会計を済ませ店を出る。帰り道、ありすと談笑しながらゆっくり歩いていると、僕を呼ぶ声が聞こえたような気がした。

「おーい時音ー!」

 だんだんとはっきり聞こえる僕を呼ぶ野太い声、僕のことを名前で呼ぶのはこの街でありすとあと一人しかいない。振り向くとそこには屈強な体をしたオッサン……火野太一がニヤニヤしながら立っていた。

「よぅ時音!」

「チッ……人違いです」

 僕はにこやかにそう答え、足早に去ろうとする。しかし、火野が僕の腕を掴んで逃がさない。ありすの方を見ると、楽しそうにこちらを見ている。助ける気はないようだ。

「待てよ!間違えてないだろ!」

「離してください!きゃー誰かー助けてー!」

 僕はできるだけ周囲の気をひくために大げさに、高めの声で叫んだ。するとすぐに、たくさんの人が集まってきた。我ながら完璧な演技だと思う。周囲の視線を集めてしまった火野は、僕の腕を離してさっさと逃げていった。ありすはいつの間にか僕から距離をとって他人の振りをしている。

 なぜ火野を退けたのかというと、火野は僕のことが好きらしい。十年前に出会ったときから告白され続けている。もちろん、彼は僕が男であることをわかっていながら好きだと言っている。正直僕にはそんな趣味ないのでただ気持ち悪い。ありすは……男同士がイチャイチャしてるのを楽しむ類の人です。ありすの唯一嫌いなところです。

 とりあえず、僕にも集まっている周りの視線を気にせずありすのところに近づいていく。

「……帰ろうか」

「そうね」

 そこから山の麓まで来た……そこには

「よぉ、遅かったじゃないか!」

 火野がいた。

「さっきの借りを返させてもらう」

 僕何か貸したっけなぁ……

「ありす、先に帰ってて」

「……絡みは無さそうだから先に帰るわ」

 そう言ってありすは家に向かって歩いていった。さて、すぐに終わらせようか。

「火野、覚悟はいいか?」

 僕は少し低めの声で脅し気味に言う。

「やる気か?いいぜ?久しぶりに相手してくれるんだな」

 火野はやる気十分なようだ。

「あぁ、ただし十秒間だけな」

 体に力を込めて前に向かって飛ぶ。おそらく予測していたのか、火野は足に火をつけジェットのように飛び、右に避ける。それを追って僕ももう一度飛ぶ。火野のジェットより僕のほうが少し速い。簡単に追いつける。逃げることに精一杯で隙だらけの火野に、拳を全力でぶつける。火野は数メートル吹き飛び、そのまま地面に倒れた。

「なんだ、十秒も必要なかったじゃないか」

 僕は気絶している火野を、通行人の邪魔にならない位置に放って家に帰った。

「ただいまー」

最初に戻ると無限ループが楽しめるよ!やったね!

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