表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

短編まとめ

お前を愛する事はない?わたくしも別にお慕いしておりませんが。

作者: よもぎ

あら旦那様。昨夜はすみませんでした、先に眠ってしまって。

その後お部屋にいらっしゃいました?

そうでしたら重ねてお詫びを。


はい?

お前を愛する事はない…………うふふ、変な事を仰いますのね。

わたくしと旦那様は政略結婚。

愛情など最初から欠片もない関係でしょう?

結婚して家をつなぎ、子供を作って家を次へつなげる。

そのための関係に、愛!

ああおかしい。


わたくしが愛なんてものを求めると本気で思ってらっしゃるの?

ああ本当に面白いお方。

そりゃあ種馬には見た目の良さを求めるものですけれど、それは生まれる子供の見た目に関わるからですわ。

わたくしはガマガエルのような旦那様でも我慢して差し上げられますけれど、次の当主となる子の妻がそうとは限りませんもの。

出来れば見栄えのよい子供を産みたいというのが当然ではなくて?



それで、なんでしたかしら?

わたくしを愛さないという事は、他に愛するお方が?

ではその方には不妊術を受けていただきますのでこちらでやっておきますわね。

ええ?

なぜって、この家の血が流出しては困るからですわ?

旦那様の子種をなくしてしまうとわたくしたちが困りますので、ならお相手の子袋を使えない状態にしないといけませんわ。

青き血は青き血とのみ交わるべきなのですよ、旦那様。


そうそう、家の馬車を使わないから大丈夫だなどと思わないでくださいましね?

わたくしども貴族は身の安全のために所在の分かる魔術を受けておりますでしょう?

それを使って愛人の方のお宅を探るだなんて簡単ですわ。

連れ込み宿を使っても、現場に押し入ってさらうだけで済むので手間は変わりませんもの。



で、わたくしどもの子作りですけれど。

旦那様が嫌だ嫌だと仰ってもわたくし主導で事が済ませられるのでご心配なく。

手足を縛りつけて上に乗るだけでいいんですもの、簡単ですわ。

旦那様が万が一にも拒絶する潔癖な方だった場合のために手順は学んでおりますのよ。淑女教育も大変でしょう?


それでさえダメだった時のための妊娠術が存在しますので旦那様は嫌がろうとどうしようと関係ありませんわ。

眠っている間にでも子種を頂いて、魔術で私のお腹の中に入れてを繰り返すだけです。

旦那様は結婚した時点でわたくしとの子供を作ることが確定してしまっておられるのですわ。



本気で愛人の方が好きで添い遂げたいと思っていたなら抱えられるだけの私財を搔き集めてお逃げになればよかったのに。

もう遅いですわ。

家と家が繋がり、わたくしどもは夫婦となってしまったのですもの。

今からお逃げになるというのならわたくしの実家も動きますし、捕まれば二度と外へは出られぬよう処置されるでしょう。


ああ可哀想な旦那様!

でも傷が浅くてよろしかったのでなくて?

まだ結婚初日ですもの。

諦めをつける時間はありますわ。

わたくしも一週間は閨を待って差し上げます。

その間に色々と始末をつけられるのではないかしら。


ええ、ええ。

離縁だなんて出来ませんわ。

純潔のわたくしに子を成す機能が備わっていないだなんてことはありませんし、旦那様も子供を作れないかどうかわかりませんもの。

証明には三年が必要ですし、三年間わたくしが純潔だった場合は旦那様、あなたが全ての罪を被るのですよ。

その間に交じり合った両家の商売が無駄になる――そのけじめを旦那様、あなたが、この家が払うのですよ。

わたくしの家のダム技術、喉から手が出るほど欲しかったのですよね?

親族割引で随分安く発注をかけたと聞いておりますわ。

その穴埋めを旦那様がその体一つで支払うなんて、不可能ですわ。

春を鬻ぐとしても、人生何度分のお支払いになるとお思い?




そういうわけですので、旦那様。

物分かりよく、お互いに、お役目を果たしましょうね。

愛人様のお宅へ行ってもよろしゅうございますが、次の日には不妊の体となっていることはご承知置きくださいね。

それでは、ごちそうさまでした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ