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【完結】シラユリシリーズ①永遠に永遠に咲くシラユリをあなたに…(初ラノベ)  作者: 慧依琉:えいる


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外伝-ふたりだけの思い出㊦-未来は輝いて-



男の子が泉から去ったあと、アレクサンドラは内心ドキドキしていた。


この前はフードを深く被っていたからハッキリとはわからなかったけど、キラキラした透き通るような澄んだ青い瞳に整った顔立ち。髪はゆるふわのシルバーグレー。剣術を習っているからだからか、体幹もしっかりしていて本当にかっこいいのだ。




アレクサンドラの周りにはいなかった素敵な男の子。


会話もどこか上品さが漂うちょっと大人な雰囲気だった。




〝そうね、きっと上級貴族なのかもしれないわ。私なんかとはもう二度とお話出来るような人じゃないのかもしれない。〟




そうしてアレクサンドラは淡い気持ちに蓋をするようにこの事を忘れることにしたのだった。


そう、いい思い出として………。










そんなアレクサンドラとは別でルクセブルは平静を装っていたが、困惑していた。




〝どう見てもまた15にもなってないじゃないか、この前とは大違いなあの冷静さ!どっちが本当のあなたなんだ?しかも会話も楽しくて…。僕はどうしたんだ?あんな幼さの残る少女に…。アレクサンドラ嬢、あなたはいったい僕に何をしたんだ?!〟




アレクサンドラを意識していたのだった。




それからというもの、ルクセブルは今まで通りに舞踏会には参加していたが、何だか物足りなさを感じでいた。






そしてアレクサンドラが16歳を迎えた歳の大舞踏会でアレクサンドラはあの時の男の子がアルクレゼ侯爵家のルクセブルだと知る。




遠目に見ても「あの時の子」とハッキリとわかる、とても目立つ存在で、周りの子女たちが皆揃ってルクセブルを褒め称えて熱い視線を送るのだった。アレクサンドラは身分的にも釣り合わないのはその時にわかったので、ほんのりぁわい気持ちを封じることにした。






そしてルクセブルもこの時にアレクサンドラの名前を知る事となる。




〝あの子、アレクサンドラというのか。ああ、彼女によく似合った名前だ。やっと16歳か。幼いはずだ。〟




ルクセブルは彼女の名前を知れた事に嬉しさを感じてはいたが、それが何なのかはまだわからずにいた。








「ルクセブルさま~~~、1曲お願いしますぅ~~~。」




「あ、申し訳ない、ダナジーに呼ばれてるから。」




そう言って女性からのダンスの申し出にもスルーしていつも会場から逃げていた。






〝なんなんだろう…。気持ち悪いくらいだ。アレクサンドラ嬢ならそんな事なかったのにな。〟




ルクセブルはまだこの時、アレクサンドラに自分が惹かれていることに気付いていなかった。








そして逃げ出した先でヒソヒソと話し声が聞こえてきた。それはこの国の独身男性たちが何人か集まって今年デビューした女性たちの品定めだった。




〝はぁ~~~、そんなに比べて何になるのだろうか…。〟




そう思いつつも耳を澄ませていると〝アレクサンドラ〟の名前が挙がった。




全身がピクッとなった!






「あぁ、アレクサンドラ嬢か。いいね、あれは。あと数年もすればとびきりの美人になるぞ。」




「そうだな、俺はあの幼さの残る顔が堪らないな。ボディなんて、顔とのギャップで萌えるわ。」




〝……………!!?〟




ルクセブルはその言葉を聞いて全身から血が逆流するかのような感覚に襲われた!






〝あの子をそんな目で見るな!!〟




そう思ったが、自分にはそう言う資格が無いことに気付いた。






そしてそのあとも〝僕が彼らのような男から彼女を守ろう。〟という気持ちからありとあらゆる舞踏会に参加したものの、最初の舞踏会以外で彼女を見かける事はなかったのだった。






そうしているうちに今度は無性に彼女に会いたい気持ちでいっぱいになり、その時に初めてルクセブルは彼女を特別な感情で見ていたことに気付いたのだった。






各家門からのお茶会などの招待状も完無視し、どうやってアレクサンドラと会うかをひたすら考えていた。




そんな時、母ラモニアからお見合いの話が持ち込まれたのだ。


ルクセブルは思った。これは最後のチャンスだ。彼女の家門は格下だが、望めば許可が出るかもしれない。いや、出なければ説得するしかないと、腹を括ったのだった。






そうして母を介してトントン拍子に話が進んで、やっと彼女を手に入れられると喜んだ矢先の出征命令だった。


苦難を乗り越え、ようやく結婚式を挙げ、無事に夫婦となったのだった。








「ふぅ~~~ん、そんな経緯があったのね。」




「ルク様ってば、アレンにゾッコンだったのねぇ。キャハ。」




「もう、ナハムもミルマも。恥ずかしいわ。」




「何言ってるの!この幸せものぉ~~~。」






アレクサンドラはとても幸せだった。








3人でお茶をしていると王室騎士団勤務のルクセブルが帰って来た。帰宅後直でアレクサンドラの元に向かうのは彼の日課だった。




「やあ、ナハム嬢、ミルマ嬢。遊びに来てくれてありがとう。」




「まあ、ルクセブル様!お会い出来て光栄ですわ。」




「いつも妻がお世話になってます。」




ふたりはアレクサンドラをチラッと見る。


アレクサンドラはニッコリと笑う。




「さあ、今度はあなたたちの番ね!」








ここにほ幸せが溢れていた。












そして9年後──────────










「ママー!」




タタタッ!








幼くおぼつかない足取りで駆け寄ってくる






「まぁ、フラン!上手に歩けるようになったわね。」




ちいさな女の子に優しい笑顔を向ける。






「おかあさま!」




「まあ、クラウ。フランを見ていてくれたの?ありがとう。」




まだ小さな面影の残る男の子に向かってあたたかく抱きしめた。


クラウはへへっと嬉しそうにしていた。






「もうすぐお父様が帰ってくるわ。お部屋へ行きましょうね。」




「はい、おかあさま。フラン、おてて。」




クラウはフランに手を差し出して繋ぐように促す。




「クラ、ちゅき。」




「うん、僕もフランが、好きだよ。」




ふたりの子供たちが仲良く手を繋いでいる姿がとても微笑ましい。


アレクサンドラは少し離れてふたりの子供たちを見守る。








「あっ!おとうさまだ!」




素早く父を見つけたクラウが叫んだ。








「おとうさま、おかえりなさい!」




「ああ、ただいま、クラウド、フランディーヌ。」




ルクセブルは2人を抱き上げた。




「パパちゅき!」




「パパもすきだよ、フランディーヌ!」




「ルク…。お帰りなさい。」




「ああ、ただいま。アレン。」




ルクセブルはアレクサンドラの頬にチュッとした。








「さあ、お食事にしましょう。あなたに大切なお話があるの。」




「ん、今聞いても?」




アレクサンドラは少し顔を赤らめてからルクセブルの耳元で囁いた。






その言葉を聞いてルクセブルの顔は凄い勢いで笑顔になった!




「そうか!そうなのか!やったぞ!嬉しいよ、アレン!ありがとう!!僕はとっても幸せだよ!!」




アレクサンドラはニッコリと笑って「私も!とっても幸せだわ。」




と呟いた。










庭にはあの日ルクセブルから貰ったシラユリがそのあと増えてずっと変わらぬ姿で咲き続けている….。




それは今も尚ルクセブルの幸せを願うラナベルの愛が詰まった小さな百合の薗がそこにあった。










───────完───────







ご覧下さりありがとうございます。

これでふたりのストーリーは完結になります。


新章にも二人や懐かしい人物たちが登場しますが、主人公が変わります。


数日お休みしてから開始しますが、アメブロで既に10話越えているため、追いつくまでは毎日2話ずつ更新したいと思います。


06:50 と19:00 を予定しております。


お楽しみに!


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