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永遠に咲くシラユリをあなたに…(初ラノベ)  作者: 慧依琉:えいる


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第39話:失意のどん底!アレクサンドラの前に現れた運命を脅かす男との出会い



「ルクセブル…!一体どこに消えたんだ?聖剣があるから無事だとは思っているが、もうひと月半になるんだぞ?流石に心配だ。それにそろそろ春だ。魔物たちもまた活動的になってくる。単独でいたら危ない…。早く無事に戻ってくれ。」




誰よりも一番にルクセブルの心配をしていたのはもちろん、父グラナスだった。




〝ルクセブル遭難の話は既に邸宅宛に伝達がいっている。きっとラモニアも心配しているだろう。アレクサンドラ嬢も来ているのではないだろうか…。




2人に悲しみを与えたくないぞ、私は………。〟




洞窟の中から微かに漏れてくる月の光を見ながらグラナスは祈った。ただひたすらルクセブルの無事を…。






日々ルクセブルの無事を願うアルクレゼ侯爵、グラナス。彼の思いを受け、全員がルクセブルの捜索に励んだ。




そんな時、山部隊はピカッタに遭遇していた。


相変わらず空を巧みに飛び回るし、低周波を使って攻撃してくる。コイツには長期戦は無理だ。


チームワークが重要だ!






「弓矢部隊っ!」




ビュン!-ビュンビュンッ!!!!




次々と矢が飛ぶ


当たった時によろける方角を計算してそちらにも矢を放つ。


そうして何とか攻防を繰り返しながらピカッタを退治した。捜索隊は何度も遭遇するピカッタ相手に対戦が慣れてきたようだった。




「かなりのピカッタを退治してきたからもうこの山には居ないんじゃないかってくらいだな。」




「さあ…。そうであれば良いですが魔物はまだまだ沢山いますから、気を抜かないで下さいね。」




「ああ、スアン殿。」




そこにはあのオチャラケたニコルはいなかった。余程ルクセブルの転落がニコルに衝撃を与えたのだろう。




「よし、早く次、探そうぜ。」




冷静を装いつつもやはりルクセブルの事が心配なのは変わり無さそうだ。


スアンは少しだけ成長したニコルをちょっとだけ見直した。そして早くルクセブルが戻って来ることを願ったのだった。












◆ ◆ ◆












誰もがルクセブルの心配をしているその頃、ルクセブルはラナベルの看護のおかげでかなり回復していった。






「まあ、ケイン!あなたもう立ち上がる事が出来るの?」




「ああ、あなたのおかげだ!ラナ!」




「でも、まだ無理は禁物よ。何もしないでゆっくりしていてね。」




「ああ。」




そう答えるルクセブルの視線の先にはラナベルがいた。


そう、このひと月半でルクセブルは自身の事を必死で看病するラナベルにかなり心を開いていた。




〝ラナはとても素敵な女性だ…。このままゆっくり彼女とこうしていられたらいいな。〟




サワサワ…風が優しく吹いた───




ルクセブルの心が温かくなった。


何だか懐かしいような不思議な気持ちだ。






─────もう春だ




その穏やかな時間を堪能していた。










◆ ◆ ◆












場所は変わり、ポルモア王国ではルクセブル遭難の知らせがアルクレゼ侯爵家とフレシアテ伯爵家、そして王家へと届けられた。




それぞれが皆、驚きを隠せなかった!


遭難から間もなく2ヶ月が経とうというのにまだ何もわからないのだ。遅い伝達にも苛立ちを隠せなかった。




アルクレゼ侯爵夫人、ラモニアは知らせを受けてその場で衝撃のあまり失神してしまった。


それはフレシアテ伯爵家でも同じだった。


アレクサンドラは泣いて取り乱してしまっていた。




「嘘よ!そんなの絶対嘘だわ!ルク様が!ルク様がっ!!約束したんだものっ!!!」




誰もがその光景を見ていられなかった。




毎日ずっと泣き続けている。








心配したのはレルロア達だ。


すっかり憔悴しきったアレクサンドラを心から心配していた。自分たちもルクセブルとは幼少期からずっと過ごしてきたのだからそのショックは相当なものだが、この時にレルロアは目の前で憔悴しきったアレクサンドラを見て自分はそこまで気落ちしていない事で、クセブルへの気持ちはただの幼なじみで、その居場所が奪われる恐怖からアレクサンドラを目の敵に思った時があったのだと痛感したのだった。




そして愛していないと思っていたダナジーが同じ状況になったらと考えた時に少しづつ自身の心がダナジーへと向いていた事を知ったのだった。






そんな中、春の大舞踏会の開催日時が決まった。レルロアは嘆き悲しむアレグザンドラを気遣い舞踏会に誘う。


初めは断っていたアレクサンドラだが、レルロアやナハム、ミルマ、ステファニ公爵夫人までもが誘ってきたので仕方なく参加を決めた。






そんな春を感じさせるある日、馬車でアルクレゼ領を通り過ぎる時に、ふと、ルクセブルとの思い出の泉に立ち寄りたいと思ったアレクサンドラ。




付き添いの侍女リラに少し離れて待つように言って泉の前で座ってみた。


ここで待っていてもルクセブルがやってくる事はないと頭では理解しているのにどうしてもあの日のルクセブルに会いたかったのだ。




「ルク様とここで会ったのがもう半年も前になるのね…。ずっと無事帰ってくるのを待ってるのよ?ねぇ…。どこに行ったの?私に会いたくてこっそり帰ってきてくれてるとか?………有り得ないわね、ルク様のことだもの。自分の気持ちよりも周りを優先するわ。それでもいいの。あなたが無事でいてくれたら…。」




アレクサンドラはひとり呟きながらずっと泉を見ていた。


呟く事も無くなったのか泣きながらずっと、ぼーっと泉を見ている。かなりの疲弊ぶりだ。ルクセブルの遭難報告を聞いてからまともに眠れていないのだから。




ご覧下さりありがとうございます。

ルクセブルの周りの人達は皆、ルクセブルの安否が分からず不安なまま日々を過ごしています。

聖剣の加護があるからきっと生きている!そう信じているがそれならなぜ見つからない?!加護が効かないくらい酷い状況なのか?!と不安が駆け巡っています。


実は数話前のルクセブルが遭難するあたりから

このあたりも含めて当初全く頭の中になかった展開で、突然思いついての流れになってます。

ラナベルとの出会いは予定内ですが、もっと後のつもりでした。


このお話は完結済みですので今後もご覧下さると嬉しいです。


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