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【完結】シラユリシリーズ①永遠に永遠に咲くシラユリをあなたに…(初ラノベ)  作者: 慧依琉:えいる


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第32話:過去魔物ボスの巣穴で鈍る身体対策!トーナメント開催!



雪が降り続ける…。山の中でほとんどの動物たちは冬眠にはいり、魔物たちもエサを確保出来なくなるため、冬眠するものと少ないエサを求めて動き回るものにわかれていた。




先日のガガールは後者のようだ。




いくら魔物といえ、これだけ多くの雪が降り続けると山の中では命に関わってくる。


それ故に仲間が戻ってこなくても遭難したものと判断されるのだろう、仲間を探しにはやってこない。




また、ガガールは火を通せば人間が口にすることも出来るのだ。雪で食料不足だったこともあり、先日の遭遇は非常にラッキーな案件だったのだ。








「ふぅ~~~っ、まだまだ雪は止みそうにないな。」




「僕たちも体力を落とさないようにこの洞窟内で訓練をしなきゃだね。」




「そうだな、身体がなまっちまうな。」




そう返事をするニコルは弓矢をせっせと作っていた。どうやら作るのにも飽きてきたのだろう。




ルクセブルはというと、剣を磨いたり、同じように槍を作ったりしていた。




その手を止めて…






「よし!今から訓練を行う!」




「ただの訓練よりもトーナメント式で実践にしないか?その方が魔物と戦うにも動きやすいし、盛り上がるだろ?」




「んー、そうだな。ニコルの意見にも一理あるな。よし、参加する者は?」




ルクセブルが声をかけた。








「ん?何だ?私たちも混ざっても良いのか?」




馴染みの声がした。ルクセブルは振り向きながら答えた。




「父上!ダメです!父上が参加したら勝者は決まったようなもんですから…!」




「じゃあ、実力差が近いもののグループ別でトーナメントすれば良いではないか?」




「……………!! んー、そうですね、僕も久しぶりに父上に挑みたいですし…。」




「よっしゃ!俺も団長のグループに入れてくれ!」




「ハハハッ!ニコルよ、ワシを忘れてないか?」




「ゲッ!親父!!?」




「それでは皆が済んでから私たち4人でトーナメントしよう。」




「親子対決で勝者同士が決戦ということでよろしいでしょうか?団長。」




「ああ。そうだな、それが面白い!」




「団長~~~っ!そしたら俺団長と手合わせ出来ないっすよぉ~~~!」




「こら!ニコル!!お前はっ!!!団長に何て口の利き方をするんだっ!!」




ガツン!!




と、ニコルは父テルに頭を拳で叩かれた。




「親父っ!痛いじゃんっ!」




「当たり前だ!お前って奴は!」






ガハハ…と周りで笑いの渦が湧き起こった!


緊張し続けてきたからこの2人のやり取りはもはや「お約束」のようなもので、周りの仲間たちはこの瞬間だけは何も考えずに2人の馬鹿げたやり取りを堪能した。






「よおーし、それでは今から下の階級のグループから行う!用意はいいか?」




「おー!」




トーナメントを取り仕切るのはテルだ。






団員の若者たちがこぞって勝負を挑み、勝って喜ぶ者、負けて悔しがる者にわかれていった。


そしてほどよく時間が過ぎていき、外は真っ暗で夜になっていた。




「よし、今日はここまで!明日もまた続きを行う!交代で睡眠と見張りを行うこと!では解散!」




こうしてその日は過ぎた。








翌日も残ったグループのトーナメントを行い、団長グループ以外は全員勝敗がついた。






「これから団長グループの試合か!楽しみだな。やっぱり1番は団長だろうな。」




「では決勝戦はテル殿と団長か。」






皆が口々に言う。


まずはテルとニコルの対決だ。








2人が皆の前に出た。親子対決だ。




「ニコル、遠慮せず思いっきりかかってこい!」




「百も承知!いざ、行くぞ、親父!」




「ヨシッ!」






ニコルが駆け出す!




振りかざす剣!




カキ─────ン!!




流石はニコルの父、アルクレゼ騎士団副団長でルクセブルとニコルの師匠だ!




簡単にニコルからの攻撃を交わした!




「フッフッフ!まだまだだのぉ、ニコルよ。」




「ク──ッ!なんの!まだこれからだっ!」




カーン!キーン!カーン!……………




ふたりの攻防は長く続いた。


それはひたすらニコルがテルに攻撃をしてテルがそれを防いでいるのだ。


誰の目にも明らかにテルは余裕であった。




「防いでばかりいないでかかってこいよ、親父っ!」




ニコルは苛立ちを覚えた。




「ハハハッ!そんなことしたらお前が後悔する事になるぞ?いいのか?」




「か~~~~~~っ!!なんなんだ、その余裕はっ!」




そう、ニコルは少し息が上がり始めていた。それもそのはずだ。テルは防いでばかりなのであまり動いていないが、ニコルは攻撃するために大きな動作を繰り返しているからだ。




〝それも計算の上か?〟




ニコルの焦りが段々剣に現れてきた。




「ニコル!振り幅が大きすぎるぞっ!?」




カーン!キーン!




「そこ、右が隙だらけだ!」




カーン!




「なんの、ヤーッ!」




「ほら、振り幅が大きいと言うとるじゃろ?」




ガッ!!






剣を払い除けていたテルが自分の肩の間際で止めた。






「お前はっ!人の言う事をちゃんと聞かんとっ!」




そう言って受け止めていた剣を〝ガシャーン!〟と払い除けた。その勢いでニコルはよろめき自身の手から剣を離してしまった!




「がぁ~~~~~~っっ!!」




負けた悔しさと親父に一振りすらも出来なかった事に凄く悔しいニコルだった。




「ニコル殿、残念でしたな。」




「相手が副団長だからな。」




など、周りからは慰めの声が聞こえてくる。


正式な騎士となって3年ちょっと訓練をひたすら重ねてきたのだ、そろそろ自身の親を追い越せるか、同じ位にはなってるだろうと思っていただけにまだまだだと自覚した瞬間だった。




そんなニコルを少し離れた場所で見ていたルクセブルはニコルに自身の姿に重ねていた。


ルクセブル自身はつい3ヶ月前に正式に騎士になったばかりなので、まだまだ父に追い付くわかもないと思ってはいるが、何年先になれば追いついているのだろうと思いながら見ていたのだ。




周りはまだざわついている。今見たニコルとテルの対戦について話する者、次のルクセブルと父グラナスの対戦について話する者など様々だ。






ニコルがルクセブルの所にやってきた。




「負けちまったぜ、ハハッ。」




「ああ、見てたよ。やっぱり僕らの師匠だ!師匠相手にニコル、かっこよかったな。」




突然ルクセブルに褒められたニコルは〝カッ!〟と照れた。






「な…!なんだよ?突然!気持ち悪いなぁ!」




「ハハハッ!」






あっけらかんと笑うルクセブルを見てニコルは何だかスッキリした。




「まあ、お前も頑張れよ、ルク!」




「ああ。僕の精一杯をぶつけてみるよ。」




「ん!」




2人は握り拳を互いに差し出し合い検討を願った。






そしてルクセブルは父グラナスの元に向かう。





ご覧下さりありがとうございます。

雪で魔物も自分達も動けない中、身体が鈍るのを防ぐ手段としてトーナメントを開催しました。

弱る団員達の士気もこれで少しは解消?!


このお話は完結済みですので今後もご覧下さると嬉しいです。


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