第29話:相変わらずの魔物討伐と聖剣の秘密
■今回も魔物討伐がメインとなりますので、残虐まではいきませんが、そういうシーンがありますので苦手な方はお気をつけてお進み下さい
「ハアアアア━━━━━━━━━━ッツ!!!!」
ガシュッ!!
ド━━━ン!!
「ウオーッ!これで4匹目だ!!」
「皆さん、まだ2匹、あちらの上空に居ます!気を引き締めていきましょうっ!」
「オ━━ッ!!」
どうやらルクセブルたち捜索隊は小物魔物のピカッタの群れに出くわしてしまっていたようだ。
ピカッタは空を飛ぶ上に強力な低周波を出して幻覚を見せたり頭痛を引き起こす少し厄介な魔物だ。
長引けば体力を根こそぎ剥ぎ取られ兼ねない。
だが、聖剣の加護を受けているルクセブルには低周波はあまり効かないようだ。
的確にトドメを刺していく。
「ルクよ、お前にはアイツの低周波は効かないのか?!」
合流したニコルが問う。
「いや…。体力が落ちてきたらやっぱり頭痛くなってくるよ。でも、倒したら体力も戻って治るんだ。」
「なんだよ、それ。俺ら少ししか体力回復しないし、まだ頭いてぇよ。」
「ハハハ。剣の守護なんだろうね。有り難いな。」
「羨ましいぜ。その剣はお前にしか反応しないしな。」
「ああ。お陰でメキメキ上達してくるのがわかるよ。」
「ポルモア王国守護家臣四家に代々引き継がれる聖剣。なら当主様は今どうなってんだ?」
「この剣の生みの親、つまり先代の聖剣を持ってるよ。我が家に男児が産まれたらその時点で聖剣の中で次の聖剣が宿るらしい。」
「はあ?なんだ?人間に似てんじゃねぇか?」
「ハハハ!そうだね!」
「普通、聖剣てそんなバカスカ無いだろうが!」
「神話やら昔話とかはそうみたいだけどこの国には不思議なことに聖剣も威力を繋いでいくみたいだよね。」
「ふぅ~ん、まあいっけど。あ、着いたな。ヤツらと対面だな。」
「ああ!気合い入れてくぞ!ニコル!」
「おっしゃ!」
そうしてニコルは素早く矢を放つ
ビュンッ!
その矢の気配に空を飛んでいたピカッタは旋回しようとする。
が、ニコルは連続して矢を放っていた。
ドン!!
ピカッタの翼に当たった!ニコルの思惑通りだった。
ドスッ!!
そしてよろけたピカッタの腹にも当たった!
流石のピカッタも空を飛び続ける事が出来ずに地上へと落下する!
ド━━━━━━━━━━━━━ン!!!!!!
すかさずトドメを刺しにルクセブルが近付く!
暴れるピカッタ!
ルクセブルの家臣達も応戦する。
腹に一撃、うずくまっている間に翼を大地に固定する為に剣で突き刺した。
「ギエェェェエエェェェ…………ッ!!」
強力な低周波と共に一際大きな声が周りに響き渡る。
家臣たちは耳を塞ぐが頭痛がするようで頭も抱えるような仕草でその場にうずくまる者が多い。
ルクセブルは皆が作ってくれた機会を逃さぬように額にトドメを刺した。
ドスッ!!
魔物ピカッタは息を引き取った。
「皆、大丈夫かっ?」
「はい、ルクセブル様!」
「すまない、僕がまだ未熟なせいで…!」
「何を仰います!何事も経験です。それに騎士になられたばかりですのに大したものです!」
「ありがとう!もっと経験を積んで皆に少しでも楽にしてもらいたい。」
「我々は共に戦いとうございます。遠慮なさらずに何なりとお申し付け下さい!」
「皆…!感謝するよ!絶対皆で無事に帰ろう!」
「はい!帰りましよう!さあ、あと一匹です!」
「よし、向かうぞ!」
こうしてルクセブルの部隊とニコルの部隊はあと一匹のいる場所へと向かった。
さっきまでの森の中とは違ってここは隠れる場所がない平原に出た。しかしこちらは多勢で相手は一匹だ。手分けをしてそれぞれの方向から互いに気を付けながら矢を放つ。
クルリ、クルリと旋回して矢を上手く交わす。
このピカッタは今回の群れのボスなのか、簡単にはいかなさそうだ。
ジリジリと皆が手に汗を握った。
「僕が囮になるからヤツが降りてきた所を一斉に狙ってくれ。」
「そんな…!ルク様が囮だなんて!」
「大丈夫だ、僕にはコイツ(剣)が付いている!」
そう言ってニコリと笑い、平原のど真ん中に向かって走った!
「ルク様ーっ!」
家臣が手を伸ばしてももう間に合わない。ルクセブルが作った機会を逃す訳にはいかず、生唾を飲み、ピカッタの動きを見た。
シュゥー·····ッ
とピカッタは低空飛行をする為の姿勢を取った。
「今だ!撃て!!」
ビュンッ!!ビュンッ!!………!!
四方八方から矢がピカッタ目掛けて飛んでくる。
………ドン!! ドン!!!!………!!!!!!
多数の矢がピカッタの身体側面に刺さる。
そのままピカッタが地面に叩きつけられ、その時の反動でルクセブルの身体が宙に浮かんだ!!
ズズズズズ━━━━ッッ!!!!!!!!
地面に身体を押し付けながら滑るピカッタ
そして宙に浮かんだルクセブルは運良くピカッタの上に落ち、瞬間的にしがみついた!!
━━━間一髪━━━
「ふぅ~~~、ルク様…!」
見ていた家臣たちはヒヤヒヤした。
そして滑る勢いが止まってすかさずに立ち上がり、ピカッタの頭上から自身の聖剣を突き刺してトドメを刺した。
ピカッタから飛び降りたルクセブルは家臣たちに囲まれてお互いに労った。
「これで小物魔物だなんてな….。ボスに無事たどり着けるのか?」
皆が不安を口々に言う。
「確かにまだまだボスまで先が長いです。しかし、僕らは逃げることも出来ない。魔物たちがこのまま暴れたらいずれ僕らの国まで来るだろう。この国への被害も考えると進むしかないんだ。」
ルクセブルが皆にそう言う。
「確かにそうだよな、ここで逃げたら大事な家族が巻き込まれるかもしれない。」
「そうだそうだ。」
「それに皆、忘れてるがルクは婚約して間もないんだ。チャッチャと目的達成して邸に帰してやろうぜ?」
ニコルがニヤリとしながら言う。
「おー、そうだ!我らの坊ちゃまを無事帰してやろうぜ!」
「オーッ!」
「ハハツ、変な方向でまとまったな。まあ、皆の士気が上がったならいいか。ありがとう、ニコル。」
ニコルはルクセブルの顔を見てニヤリと笑う。
「俺も、待ってるからな、アイツが!」
「ああ、フラン嬢のためにも、僕のアレンのためにも!」
「おまっ!惚気やがって!ハハハッ!」
〝やっぱりニコルには助けられてばかりだ。彼がいないとここまで士気は上がらないな。皆、僕にはどこか遠慮してしまうからな。感謝してるよ。ニコル。〟
ルクセブルは頼りのあるニコルにより一層憧れを抱いた。
ご覧下さりありがとうございます。
今回はルクセブルたちの討伐状況に焦点をあてました。
実はこの国での聖剣は1つではないんですよね。
このお話は完結済みですので今後もご覧下さると嬉しいです。




