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12.俺が選んだ服

よろしくお願いします。ストーリーに少し矛盾があるかもしれませんが、お目溢しください。

クラウスが帰宅すると、アンネローゼは出かけた様子だった。


(少しのお小遣いは渡している、、、何か買い物だろうか)


何気なく、アンネリーゼの部屋の扉を開けた。

年頃の娘の部屋をそう開けるものじゃないと思って、気がつけば半年ほど立ち入ってなかった。

前回はーー、あれは、いつだったか。


扉を開ければ、

きちんと片付けられた室内は、まるで展示品のように静かだった。

白いカーテンが、わずかな夜風にふわりと揺れる。


彼はそっと足を踏み入れ、棚の上を見た。

ぬいぐるみも、人形もない。


「……あれ?」


(……何もない)


気づけば、部屋の中にある“私物”があまりにも少ないことに気づいた。

本棚も、机も、整っているのに生活の痕跡が極端に薄い。


クローゼットにかけられたワンピースを手に取る。

シワ一つなく、襟元のレースも丁寧にアイロンされていた。どれも見覚えがあった。


とたん、理解した。


「全部、俺が選んだ服だ。

そうだ。リーセが欲しいと言ったものなんて、ひとつもなかった……

ぬいぐるみひとつ、あの子は欲しがらなかった。……なのに俺は――」


言葉が途中で止まった。


何も言えなくなった。


これは、最初から“出て行く準備”だったのか?


違う。

もっと前から――

“ここにいない”ための部屋だったのかもしれない。


アンネリーゼがいないその部屋の中で、

クラウスはようやく“現実”を認めることになった。


それは、決して誰のせいでもない。

けれど、どうしようもなく取り返しがつかないことだった。


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