授業を忘れる高校の先生
小学校、中学校だと授業に遅れず先生はやってきたのだが、高校になると時々忘れる先生が出てきた。前々からうちの高校がヤバいからなのかもしれないけど。
さて先生が授業を忘れていると気が付いた生徒はどうするのかと言うと、何もしない。無視である。何が悲しくて先生を呼んで授業なんかするんだって感じである。
先生が来ない場合、そのまま休み時間延長である。高校生なんて話したいことが、いっぱいなのだからお喋りタイムだ。
そうして先生が気付いて、ダッシュで教室に入る。そして「何で呼んでくれなかったんだ!」と言う。うーん、かまってちゃんのセリフ。
印象深いのはテスト返却の時間だった。
先生がやってきて期末テスト返却されるのだが来ないのだ。我がクラスは例の如く、何もしないでお喋りをしていた。
……そうして先生が来ないまま、休み時間になった。
さすがに不味いのでは? と思っていたが、何もしないで待っていると次の先生がやってきてこう言った。
「あのさ、○○先生のテスト、返って来た?」
来ていないので「まだです」と答えると、怒る事もなく「あ、やっぱりー」と言って話し出した。
「あの先生に前もって『次、テスト返却ですよ』って伝えたんだけど、かぎ針編みしながら『はーい』とうわの空みたいな返事をしていたんだよね。返事したから、聞いているって思ったけど、やっぱり聞いていなかったか」
前もって他の先生に言われていたのに忘れたのか……と、ちょっと衝撃だった。というか、かぎ針に集中し過ぎでは……?
ちなみに来なかった先生のテストは休み時間に突然、やってきて返って来た。
休み時間内でやらないといけないからか、それとも半ギレだったのか、つっけんどんな態度で返却していた。
さて高校卒業後、私は専門学校へ行った。
専門学校でも授業を忘れる先生がいたのだが、その時はある程度の時間が経ったら呼びに言っていた。
そんな時、他の先生が「あなた達、先生を呼びに行ったの?」と聞いたので、呼んだ生徒は「はい」と返事をした。すると質問した先生は言う。
「授業を忘れる先生って、どうなの? って思うのよ」
いきなり厳しい事を言い出す先生は更に言う。
「だってあなた達はお金を払って授業を受けに来ているんでしょ。それを忘れているって事は、その先生はプロ意識が無いと思うの。正直、甘えよ」
先生の世界も厳しいなと思った。




