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スポットライト  作者: 月宮燈
第一章東区編
1/9

モノローグ「青い夢」

これは一筋の光に照らされる小さな世界の話。

そしてまだ夢を語れない少年のモノローグ。


 ーー俺...浮いてるのか?


 ぷかぷかするような浮遊感を全身で感じる。意識が曖昧だからか、辺りは真っ白ではっきりとしない。両腕を左右に目一杯広げ、改めて周囲を見回す。


 すると真っ白だった世界は鮮やかに染まり始めた。上を見れば雲ひとつない青空。下を見れば街が広がっていた。


 ーー俺!飛んでる!


 背中に翼が生えていることを実感する。全身で風を浴びているのを感じる。そして、とても気分がいい。


 下から笑い声が聞こえてきたので、何気なく覗き込む。そこに見えた街の人達は指を差して誰かを笑っていた。

 大勢に指を差されているのは、ひとりの男だ。彼は惨めに叫んでいた。


 この街の日常(いつもどおりの)風景だ。内容までは聞こえてこなかったが、大体想像がつく。


 ーー馬鹿馬鹿しい.....


 自身が上空にいるという事を再確認し、ふと考えが浮かんだ。


 ーーもしかして今なら...壁の向こうに..…!


 淡い期待を抱いた途端、瞬きの高揚感は地に落ちるように覚めてしまう。


 ーーうわぁ!落ちる!


 落下している感覚、身体が空を切る感覚。それらの感覚が心の臓を優しく握っている。それはとても不快で、落下の速度に比例して、段々と強くなる。

 反射的に閉じてしまっていた目を再び開くと、こちらに迫ってくる地面と目が合ってしまう。


 ーーぶつかる!


 ドンッという音を聞き、目を開ける。




「なんだ...夢か...」


 カーテンの隙間からは青空と共に朝日が差し込んでいる。


「今日も清々しいまでの晴天だな」

と、ひとりボソッと呟く。




モノローグ「青い夢」


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