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夜の帳の中身は?  作者: 睦月 葵
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新型コロナの置き土産(もしくは最後っ屁)・その後

 さてさて、間断なく続く(かゆ)みと激痛と勤務を休めない状況で、脳内がオーバーロードしていた時期はともかく、前項を書いていた頃から症状は明らかに快方へと向かっていた。それに伴って、脳内フルオート・システムは解除され、ようやくまともな思考回路が徐々に復活してもきた。

 それでようやく、『新型コロナワクチン接種に伴う健康被害への救済措置』なるものの正体を確かめるべく、本格的に動いてみたのである。


 インターネットで検索をかけてみると、最初に辿り着くのは厚生労働省のホームページ。そこで大まかな説明を知り、次には私の生息区域の県庁のホームページに辿り着く。そこでも重複(ちょうふく)する同じような説明文を読み、次には市のホームページに誘導される。だが・しかし、市のホームページに入ったとたんに、同項目が無くなった。どんなにホームページ内を彷徨(さまよ)ってみても、出て来るのはワクチンを接種する上での健康不安のQ&Aと、接種をするに当たっての問い合わせ窓口だけだった。

 私に『救済措置』を教えてくれた同僚によると、厚生労働省の指示で各自治体に必ず相談窓口が設置されていると聞いていた上、その点に対して我々の生息区域の自治体はブラックだとも聞いていたので、それでもゴリ押しで追及してみた。


 まずは、市のワクチン接種センターに聞いた。

 驚いたのは、ワクチン接種を推進している窓口の係員が、接種後の救済措置について知らなかったことである。最初の返答は、「接種後の健康被害については、加入されている健康保険や所属の会社に問い合わせていただかないと……」ということだった。私が、「いやいや、厚生労働省の指示で自治体が行っているものがある筈なのですが?」と言うと、「少々お待ちください」と言ってきちんと調べて下さった。つまり、接種センターの方は、知らなかっただけで悪い訳ではない。

 教えて頂いた次の問い合わせ先は、市の中に存在する区の保健福祉センターだった。そこで聞いた話といえば、『救済措置』を申請する為には、非常に煩雑(はんざつ)な書類の提出が必要であるということ。必要書類の中には、受診した医療機関に書いてもらわなければならない有料の書類があるということ。加えて、やはりワクチンの接種と健康被害との間の因果関係が証明されなければならず、それらの書類を揃えたとしても、市から県、県から厚生労働省に送られ、厚生労働省の審査に通らねば支援は降りないという話で、対応してくださった職員の方は、電話越しにも判る気の毒そうな口調で説明してくれた。つまり、何週間先になるか、何ヶ月先になるかも判らない、遠い道程なのだ。しかも、審査に通らなかった場合、すべてが徒労(とろう)に終わる。

 私自身は、これらの調べを行っている間に、受診した医療機関の医師に、因果関係に関する一応の確認をしていた。そして、三ヶ所受診した医療機関の医師すべての返答は、『新型コロナウィルスは新しい病気で、そのワクチンも新しい薬なので、因果関係の証明のしようがありません』と───ある意味で、それは全く以ってそうだろう。


 色々調べて行った結果、そこにあったのは大看板が掲げられた空き家があるだけだった───というわけである。


 そんなこんなを調べている間にも、例によって私のタクシーに乗車して下さった方々に、諸々とお客さまリサーチをかけていた。

 そうこうしている間に、『九十一歳女性死亡、ワクチン接種が原因であると国内初認定』との報道が為されたのである。


『そんなバカな?』


 ───というのが、最初の感想だ。

 総数が限られるお客さまリサーチの中でさえ、先行接種が推進される医療関係者の二十三歳の女性が死亡している話を聞いた。その話をして下さった方の旦那さまの同僚だったというからには、信憑性(しんぴょうせい)が少ない話ではないだろう。更には、ワクチン接種に関するマイナスの情報に対して報道機関に圧力がかかっていることも、タクシー・ネットワークの中で聞いた。

 『因果関係の立証が必要』というヴェールの中で、どれほどの健康被害が発生し、どれほどの死者がいるのか……。


 『民主主義の国』・『国民が主権者』と標榜(ひょうぼう)しているこの国に、どれほど深い闇が潜んでいるのか、まざまざと感じざるを得ないこのコロナ禍である。そして、その闇は未だ続いているのだ。


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