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夜の帳の中身は?  作者: 睦月 葵
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夜の帳の中身は?

 先に述べておこうと思う。

 これは、たった今現在の話で、実際に起こっていることの記録───というより、物思いのようなものだ。だから、長文書きの私にしては珍しく、一発芸的な徒然である。


 現在時刻は、草木も眠る丑三つ時───時計は、まさしく午前三時を示している。

 昨年の夏から、WEB上で執筆活動を再開し、目を酷使する仕事であるにも拘らず、勤務と家庭内仕事が終わった後にPCに向かい続けたせいか、この二~三日の間かすみ目が酷く、何かを集中して見ているのがしんどい状態だ。これはどう考えても、疲れ目が原因だとしか考えられない。ちょうど、昨夜に一つのPC仕事の終了を迎えたので、公休日であることをいいことに、今夜は執筆活動をお休みしようと思っていた。


 それなのに、どうしてこんな時間まで起きているかというと、夕食を準備し、お片付けを済ませ、後は風呂に入るばかりだったにも拘らず、風呂の順番が回って来なかったからである。私が台所の片付けをしている間に母が風呂を済ませ、次に弟が入り、最後に私が入浴し、風呂の掃除を済ませるというルーティンなのだが、どうやら休日前で寝こけていたらしい弟から順番が回って来なかったのだ。

 夕食の仕度→食休み→台所の片付け→入浴の流れがスムーズに行けばいいのだが、入浴に至るまでに一時間以上待たされると、正直にいってもう入る気力はない。加えて、昼間、少し家族間でもめたこともあって、少々苛々して眠る気になれなかった次第だ。


 前述したように、眼精疲労が酷いのでテレビを見る事もせずに、この時間まで愛猫娘とまったりした時間を過ごしていた訳だが、この時間に至って窓の外で異質な物音が聞こえるのだ。

 私の部屋の北側の窓の向こうは、多少の立木があり、更にその向こうには月極の駐車場がある。夏休みのシーズンになれば、深夜に若い男女が長々と駐車場で話し込むことがあり、それがあまりに長いのでバケツで水を掛けてやろうかと思ったことがあるが、今夜のそれは少し違うようだ。


 パシパシと枝を踏むか触るかをしている音。


 その音が始まる前に、春猫の鳴き声がしていたので、その子かなぁと思わなくはないが、猫の本質は忍者なので明快な音を立てるとは考えられない。

 他に近隣に出没する野生動物は、狸か猪、稀に猿だ。部屋の北側に立つ木に枇杷があるので、それが目当てのように思える。───が、あまりに単調に続く物音は、野生動物ではないような気もする。

 では人間か?───といえば、それも確証はない。


 確かめに行こうとは思わないものの、これが初めてでもない為、否応なく想像力は掻き立てられる。

 十分ほどで音は消えたが、この音の主は何者なのか?


 案外、熟した実が目当ての深夜の烏が正解なのかもしれない───のかな?


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