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バックトゥシアン視点
「もしかして、焼いてある肉は食べられなかったりしないか?いやー、もしそうだったら、俺悪い事したな、すまない!」
「い、いえ、大丈夫ですけど、それよりも私を殺さないんですか?」
「殺す?何物騒な事言ってんだ!そんな事よりも飯だって!」
いやー。少女が目覚めるのが予測よりもだいぶ早かったな。っと。名前をまだ聞いてなかったな。
「そういえば、名前は何て言うの?」
『牛肉』のステーキを渡しながら聞く。
「わ、私はエルシイといいます!えっと、さっきはご迷惑をおかけしました。」
そう、水色の髪に紅い目の少女、エルシイは頭を下げた。
「あ?別にいいよ。そこのへちま雑魚だったし。」
そう言って床に転がしてあるへちまを指差す。すら吉さんが取り押さえるのにかかった時間、わずか0.2秒。あっけなくやられていた。
ちなみに、その時短剣を持っていたので、没収してある。
魔剣ヴァンプ
吸血鬼の血を浴びる程切れ味が上がる。
雑魚が持っても役に立たなそうな武器だった。
こっちとしても特に欲しくない。
だからそこら辺に捨てた。
見事な三段論法。
さて、腹も膨れた!冒険へ出発だ!