へちま撲滅劇
さて、俺は非常に困っていた。
・なんか遺跡があったから、中を調べて見ようとした。
・すると血の痕があった。
・どうやら地下に向かって続いているらしい。
・地下室の扉の奥から、男の高笑いが聞こえる。
・少女のうめき声も聞こえる。
さて、俺はどうするべきでしょうか?
……問答無用で扉を吹き飛ばした。 (すら吉さんが。)
その向こうから現れたのは顔の細長い男と血塗れの少女。
「誰だお前らわ『ボギッ』っかない市!」
「うるせえこのへちま野郎!」
「歩神」によって気付かれることなく近づき、本気の鉄拳を脳天に叩き込んだ。「衝撃操作」まで使った容赦のない一撃に、あっけなく気絶する男。何か北海道を連想するような事を言っていたが、それはスルーする。
少女に駆け寄るが、 兎に角出血が多く、治療の前に止血が必要だ。しかし、止血道具なんて……
「あ、俺スキル『曲弦師』持ってたっけ。」
曲弦師とは、糸を自在に操り、周囲の様子を感知したり、身を守ったりする人の事をさす。
急いでスキルを使うと、右手人差し指の爪の裏から糸が出て来る。その糸を使い、目立った傷を縫い合わせていく。
あらかた出血を食い止めたところで、すら吉さんが見つけて来た中級回復薬をそこへ掛けていく。流石遺跡。
傷にしみたのか、目をかすかに開いた少女の目は、……血のような赤をしていた。
……わーい。また面倒事だー。俺はすら吉さんと目を見合わせた。
さらばだへちま……