後悔する質問(後編)
「あいつって誰?」
その質問に対して隣の人、そして周りの人たちが俺を見て固まっていた。それが20秒ほど続いていた。そして、ようやく隣の人が口を開いた。
「お前それ本気で言ってる?」
と言ってきた。なぜこいつは質問を質問で返すんだと不思議に思ったが、そんなこと聞いても意味はないかと自己解決して、こいつの質問にしっかり答えた。
「あぁ、俺は本気で聞いている」
すると周りから「うそでしょ」とか「あいつやべいよ」などなぜか悪口言われた。そういうのはとてもやめてほしい。なぜなら勇者時代のいやな記憶を思い出しそうになるからだ。
「お前以外、この学校にいるやつは全員知ってるぞ」
「なぜなら彼女はこの学校の理事長の娘だからな]
「なるほどな。だからあんなに有名なのか」
「そうだぜ。彼女目的でこの高校受けたやつもいるぐらいだからな」
「そうゆうことだったのか。ありがとうな」
「どういたしまして。そういえばお前の名前はなんていうんだ?ちなみに俺は菊池丈だ」
「俺は竹中龍之介だ。よろしくな」
「あぁ、よろしくな」
俺はこの時、友達とはこんな感じなのかなと感動していた。だから俺は背後から近づいてきていた人物に気が付かなかったのだ。
するとなぜか急に体が重くなったのだ。その原因は...
「君の名前って龍之介っていうんだ。じゃあ私は龍君って呼ぶね。あと私の名前は加藤葵ね。だから葵ちゃんか葵って呼んでね」
と自分のペースで話を話を進めていく葵だった。彼女はこの学校の理事長の娘であり、絶世の美女であるこの学校の一番有名な生徒である。
なぜ彼女はおれに話しかけていたのだろうか。またもや疑問が増えてしまった。とにかくこの周りの人たちの視線をどうにかしなくてはならないな。
「あのさ葵、まずは俺から離れてくれるか?」
「わぁーいきなり葵って呼び捨てなんて積極的だね、龍君は」
なぜか俺がした質問とは全く関係ない答えが返ってきた。どうしたもんかと思っているとなんと丈が俺に救いの手を伸ばしてくれたのだ。
「葵ちゃん龍之介とラブラブするのはいいけど、ここだと人目があるでしょ。だから違うところでしたほうがいいんじゃない?」
「俺と葵はそんな関係じゃ...」
と否定する前に
「それもそうね」
と葵が勝手に納得してしまった。この葵の丈への返しによって俺に向けられている視線はより強くなってしまった。
俺はこれからの高校生活はずっとこんなのが続くなのかなと先のこと考えて、気が思いやられていた。そんな時、教室の扉が開いた。