表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我らの宝物  作者: 朝風由紀菜
8/10

青嵐高校とミシェル学園の混合体育祭、始まり

その祈りが届くなんて思いもしなかったけど。


  ※



 文化祭当日。十夜達のクラスは、喫茶店という特に代わり映えのない出し物だった。だが、盛況に終わったのは一重に蒼葉兄弟のおかげと言っても過言ではない。

 と、クラスの人らは語る。兄の遠夜は、容姿に自覚なしだし、弟の十夜も整った容姿なのを自覚していない。

 なので、写真も気楽に撮れるので喫茶店のおまけのようなもので写真撮影会も行われた。

 翌日は、学校混合の体育祭だ。女子は、イケメンがいないかときゃあきゃあ騒ぎ立て、期待に色めいていたのだった。


 そして、翌日。

 遠夜達の通う高校、青嵐高校と男子校ミシェル学園の混合体育祭。

 動きやすい服装に身を包み、開会式を終えた。

 軽くミシェル学園の生徒会長と副会長の自己紹介をしたが、遠夜は舟をこいでいた。

 ただ一人だけ十夜は、眉根を寄せながら生徒会長を睨んでいた。


「いいか、遠夜。玉を入れることに集中するなよ。我らは球を拾うことに集中するんだ」

 第一競技は高校生らしくないが、玉入れだ。十夜は遠夜に強くそう言い聞かせた。

 腕力も背丈も足りない自分達が、玉を入れようにも無駄な体力消費になる。三つ目の競技に参加できるよう体力は温存しとかねばならない。

 遠夜は、こくこくと頷いていた。

「それでは、スタート!」

 三分という時間の中で、クラスメイト達は懸命に玉をカゴにいれる。その中蒼葉兄弟は球を拾い人に渡すことをしていた。

 意外にもこれが、重労働であった。周りとの呼吸も合わせないといけなく後半につれミスが増える。

 それでも、優しいクラスメイトは責めなかった。むしろ、普段関わりのない蒼葉兄弟と関われて士気は高まっていくばかり。

 三分の間にカゴに溢れるほどの玉を投げ入れるという偉業を成し遂げた。

 玉入れが終わった次は、短距離走だ。遠夜達は長距離走組なので、休憩をしていた。

「十夜、暑いー」

「我も暑い……」

 蒼葉家の兄弟達が座っているブルーシートにごろんと寝ころび先程の疲れを癒そうとしていた。

 周りの兄弟は、二人の首元に保冷剤を当てたりして涼を与えていた。

「二人ともお疲れ様」

 次男の星夜が、労いの言葉をかける。二人そろって「ありがとー」と返す。

「見てていい連携プレイでしたよ」

 と、長男の鏡夜。

「オレだったら、ダンクで決めんのにな」

 これは三男の睦紀。

「睦紀は、できるけど、可憐な遠夜には出来ないわ。十夜なら、可能でしょうけど」

 なんて、くすくす笑いながら言うのは長女の海響。

「十夜兄ちゃんと遠夜兄ちゃんすごかった!」

 瞳をキラキラさせながら、ぱちぱちと拍手を送るのが次女の奈織。

 残念ながら多忙な両親は不在だが、二日も兄弟達が全員来てくれたのだ。

 それだけでも、二人は凄く嬉しかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ