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我らの宝物  作者: 朝風由紀菜
2/10

小食系男子

はっきりと蒼葉遠夜さんへって書いてあるのに。

 はい、と無邪気な顔でそれを渡すので受け取らざるを得ない。まぁ、我が遠夜の代わりに断れるし、いいけど。

 内履きに履き替えて我らは教室に向かった。残念ながら、遠夜とは別のクラスだ。

 渋々手を離して、遠夜が教室の中に入るのを見届けて我は自分の教室に向かった。


 退屈な授業も終えて、今は昼休み。我は中庭で遠夜を待っていた。スマホで時間を確認して、もうじき来ると思い弁当を包みから出す。

 パタパタと足音が聞こえる。あ、遠夜来た。

「ごめんね、十夜」

「大丈夫だ」

 我の隣に腰掛けて遠夜は、鞄からおにぎりを一つ出した。何故、我は弁当箱なのに遠夜はおにぎりだけなのか。

 理由は至って単純。遠夜がかなりの小食だからだ。女子より食事の量が少ない。

 朝はヨーグルト。昼はおにぎり。夜はサラダ。……たまに、苺のクレープ。

 驚くほど食事を摂らない遠夜に一時期心配になった。

 けど、病気というわけではなくただ単に食が細いらしい。

「いただきまーす」

「いただきます」

 弁当箱を開けて食べ始める。遠夜は、おにぎりを美味しそうに食べる。片割れはふりかけなどは嫌いなので、ただの塩むすびだけど。

 ハムスターの様に両頬を膨らます遠夜が凄く可愛い。やばい、今、我はおにぎりになりたい。

 じーっと見すぎてたのか、小首傾げる遠夜。鼻血出そう。

 こくんとおにぎりを飲み込み、遠夜はイチゴオレをこくこく飲んでる。いつもは目立たない喉仏がちょっと姿を見せている。

 それを見るたび遠夜も男なんだよなと訳の分からない現実感を実感する。

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