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土化粧   作者: 安芸 航
23/28

合宿〜3日目〜A.M編

 北海道合宿も3日目を迎えた。3校がグランドに集まっている。


松「皆さん。アップは済んでいますね。それでは椿監督より、今日のメニューを発表してもらいます」

浩「では、今日のメニューを発表します。今日はゲームをやってもらいます。ゲームというのは試合だと思ってくれて構いません。イニングは5イニング。各試合でお題が用意されています。では、まず白雪学園と夏海高校が試合を行います。最初のお題は、ツーワン野球です。全ての打者は2ボール1ストライクからスタートしてもらいます。なお、スタメン発表以外は監督は一切口出ししないので、各自でサインなどは決めておいてください。それでは、白雪学園と夏海高校は準備をお願いします」


 夏海高校がベンチの前で円陣を組む。


渚「先発ピッチャーは瑞樹でキャッチャーは樹里か...」

忍「千尋は監督役をやれってことかな。ともみは昨日白雪学園戦で投げたし」

千「それもあると思うけど、コントロール抜群のともみより、若干コントロールに難がある瑞樹を投げさせた方が瑞樹の為になるってことじゃない?」

晶「今回は勝ち負けを意識しすぎない方がいいかもね」

瑞「はい。自分のピッチングをどれだけ進化させられるかってことですもんね」

樹「わ、わたしもリードがんばる...」


 試合が始まった、先攻は白雪学園。先頭の小春がバッターボックスに立つ。フォアボールを恐れた瑞樹の初球は真ん中に入った。痛烈な当たりがライト前へ抜けていく。あまりにも速い打球だったので忍はライトゴロを狙った。しかし、小春の足には敵わなかった。2番への初球。小春はスタートを切った。ウエストした樹里だったが小春に盗塁を許してしまった。さらに、2球目、またしても小春はスタートを切った。今度も樹里は盗塁を刺すことが出来ず、さらには投球がボールだったためバッターはフォアボールで塁に出してしまった。すると、あっさり犠牲フライで先制されると、その後もフォアボールがらみで2点をとられてしまった。


千「瑞樹、樹里。ランナーを気にしすぎだ。カウントは不利な状態から始まっているんだから、その辺のことを考えてプレーしないと」

瑞・樹「はい...すいません...」


 夏海高校の先頭打者は葵。初球のストライクを見逃すと2球目の沈むボールを振らされ三振。2番の瑞樹も初球から打たされサードゴロ。3番の渚も初球のストライクを見逃すと2球目の球を打ち上げセンターフライ。わずか、5球で初回の夏海高校の攻撃を終わらせた。


葵「バッターボックスで2球しか見れないというのはなかなか厳しいわね」

忍「ぽんぽんストライクとってくるしね」


 その後は3回に両チーム1点ずつをとる。5回表にまたしても四球絡みで瑞樹は2点を失う。結局、夏海高校は3回に放ったヒット2本に抑えられ、白雪学園に6-1で敗北した。

 試合が終わると、浩一の周りにみんなが集まる。


浩「まあ、バッテリーは何が悪かったかは言わなくても分かると思う。樹里はまだキャッチャー始めて間もないからな。スローイングとかはおいおいやっていけばいい。問題は打線だな。2ボール1ストライクってカウントはバッター有利だと思うよな。だがな、今回の野球は初球でストライクとられたら一気に投手と打者の有利性が逆転しちまうんだ。普通なら2ボール1ストライクって3球相手の球見れるってことなんだよ。今回の2ボール1ストライクは決して打者の有利のカウントじゃないってことに誰も気づかなかったな。まだまだ勉強が足りんな。ってことで次の白雪学園と鯉ヶ窪高校の試合が終わるまで走っとけ」

「「えっ......」」

浩「だってこうでもしないとお前ら本気で勝ちにいかないだろ。今回正直負けてもいいって思ってたことが一番の敗因だ」


 2試合目の白雪学園と鯉ヶ窪高校が始まる。今回のお題は内野3人、外野2人シフトというものだ。各イニングローテーションで内外野1人ずつベンチに下がり、いつもより守備が少ない状態で試合を行う。

 やはり、目立っていたのは鯉ヶ窪高校の菊池丸子だった。まるで1人で2つのポジションを守っているかのように難しい当たりもアウトにしてしまう。鯉ヶ窪高校が先制するも4回に丸子がベンチに下がっている時に貴音のエラーなどで逆転されてしまうがその裏、貴音のミスを帳消しにする特大スリーランで逆転すると、その後も点を重ね8-3で鯉ヶ窪高校が勝利した。

 一方、約1時間近くグランドの外を走っていた夏海高校の選手たちは疲れ切っていた。


浩「よし、30分後に次の試合やるからな準備しとけ」

「「はぁ...はぁ...はい...」」

浩「返事」

「「はいっ!!!」」


 30分後、夏海高校対鯉ヶ窪高校の試合が始まった。夏海高校の選手たちはランニング終わりでまだだいぶ疲れている。

 3試合目のお題はワンナウト満塁からスタートするというもの。先攻は夏海高校。鯉ヶ窪高校の選手たちが守備に就く。


千「みんなまだ疲れてる?」

葵「私は大丈夫!」

渚「余裕...てか、次は絶対負けない...」

忍「ワンナウト満塁か...ホームゲッツー打ちまくったら私まで打席回ってこないじゃん!」

ル「そうならないように作戦が必用ですね」

千「外野に飛ばすことを意識して...回の先頭バッターは犠牲フライを打つイメージで」

琴「私たちは粘って押しだしとかも狙ってみる!」

純「守備は前進しますか?」

千「状況に応じてだけど、最初はセカンドでゲッツーのとれるシフトをしいておいて」

純・琴「はい!!」


 先頭の葵は初球を打ち上げる。作戦通り打球はセンターの定位置まで運ばれた。3塁ランナーの真琴は悠々とホームに帰ってきた。しかし、続く千尋は鯉ヶ窪高校先発大藪の前に倒れ、初回の攻撃を終えた。

 1回裏、鯉ヶ窪高校の攻撃は先頭の野々村から始まる。ともみはスローカーブとストレートで追い込むとスクリューで三振をとった。

続く打者は好打者丸子。初球はストレートが外角に決まる。2球目は外に逃げるスクリューを追っつけるもファール。3球目は外角のフォークを見送りカウントワンツー。4球目はインハイにカットボールをクロスファイヤーで投げ込み丸子をのけぞらせる。そして、5球目。千尋が構えた外角低めのミットにボールが吸い込まれる。綺麗なスピンのかかった真っ直ぐに丸子のバットが空を切る。初回の攻撃を0点に抑える。


千「ナイスボール!」


 2回の夏海高校の攻撃は先頭の渚から2球目を叩く。痛烈な打球がファーストを襲う。貴音はがっちりボールを掴み1塁ベースを踏み、ホームに投げる。ともみがキャッチャーのタッチをかいくぐりホームベースにさわる。2-0と点差が広がる。その後の千晶は三振に倒れた。

 その裏、先頭バッターを三振に打ち取るも4番の貴音にセンター前に運ばれ2-1となる。

3回にはルナの犠牲フライ、ともみが押し出し死球を与え1点ずつを取り合う。4回、真琴が宣言通り、12球粘り押し出し死球を勝ち取る。続く真純はセカンドへのボテボテのゴロ。丸子が素早く突っ込んできてホームに送球する。さらにキャッチャーからファーストへ送られ、ホームゲッツー。夏海高校に悪い流れが漂う。悪循環は連鎖していき、4回裏先頭バッターにあっさりライト線を破られ、4-4の同点とされる。ノーアウト2,3塁からショートゴロが放たれる真純が捕ってからホームに送球する。しかし、送球は千尋の右側に逸れ、2塁ランナーも帰ってきてしまう。その後も丸子にタイムリーを浴び、8-4。この回一挙6点を奪われ逆転を許す。

5回の表。先頭のともみは三振に倒れるも葵、千尋のタイムリーで2点を返すも渚がファーストライナーに倒れ、8-6で鯉ヶ窪高校に敗れた。


浩「お疲れさん。ひとまず全体でお昼休憩を挟む。夏海高校の罰走は休憩が終わった後だ」

「「はい!!」」


 食堂ではカレーライスが用意されていた。


琴「やったー!!カレーライスだー!」

大「大海カレー大好きー!!」

渚「あんま食べ過ぎないことね。この後走るのだから」

忍「そうそう。食べ過ぎたら吐くよ」

琴「うぅ...罰走...」

千「でも、あんまり食べないと午後持たないよ」

瑞「難しい...」


 そんな夏海高校の不安をよそに白雪学園の小春はカレーライスを食べまくるのでした。

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